応用地質
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52 巻, 4 号
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論文
  • 松本 謙二, 大渡 俊典, 大野 博之, 宮原 哲也, 八村 智明, 武馬 雅志, 大嶋 真由子
    2011 年 52 巻 4 号 p. 128-136
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     海面(水面)の廃棄物最終処分場は, 埋立区画の底面遮水層として, 在来地盤の沖積粘土層を利用していることが多い. 底面遮水層は, 適切な遮水構造を満足するよう, 「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(昭和52年3月14日総理府・厚生省令第1号)」においてその機能が規定されている. そのため, 海面埋立においては, 埋立物の沈降現象などを捉えることが, 周辺環境への影響などを把握するうえで重要である. しかし, 埋立物の投入による底面遮水層への影響についての調査研究事例は少なく, 実際の現象を把握することも容易ではない. これは水中に濁りなどが生じ, 現象を観測しにくくしていることが大きな原因であった. このため, ソナー探査を利用して, 埋立物の沈降現象などを観測する手法を検討し, それらの現象の把握を試みた.
     その結果, ソナー探査によって得られた画像から適切に沈降速度を求め, それらの現象を把握することができるとともに, 海底面の形状変化を捉えることが可能なことを示した. 以上のことから, ソナー探査による観測は, 海面廃棄物最終処分場における廃棄物の投入時の状況を把握するために有効な手法となり得る.
報告
  • 相山 光太郎, 金折 裕司
    2011 年 52 巻 4 号 p. 137-142
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     山口県中南部に分布する宇部東部断層の活動性を明らかにするために, 断層北東部においてトレンチ掘削および群列ボーリングを実施した.
     トレンチ壁面には南東下がりの断層が確認された. 先行研究とトレンチ調査結果を組み合わせて, 最新活動とその一つ前の活動がそれぞれ, 11,500~400年前と38,000~20,000年前に発生していることを指摘した. したがって, 活動間隔は8,500~37,600年となる. 群列ボーリング調査では断層を確認することができなかった.
  • 後藤 繁俊, 鈴木 恵三
    2011 年 52 巻 4 号 p. 143-148
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     前弧海盆に堆積したストーム堆積物主体の宮崎層群の砂岩と泥岩において, 最近の地質年代学的な研究成果を基に各部層の代表的な絶対年代を検討し, 続成作用の進行度に関係の深い岩石の一軸圧縮強度との相関図を作成した. その結果, 新しい佐土原層(3.7Ma)においては, 砂岩より泥岩の方が大きい強度を示すものの, 生目層相当層(4.5Ma)より古い地層では両者の関係が逆転して泥岩より砂岩の強度の方が大きいことが判明した. さらに, 砂岩は泥岩より強度増加率が高いため, 時代が古くなるほど砂岩と泥岩の強度差は拡大することが判明した.
     また, 今回求まった宮崎層群の砂岩と泥岩における絶対年代と一軸圧縮強度の相関図から, その地点に分布する宮崎層群の絶対年代(部層名)に基づいた適切な設計強度の設定が可能になると考えられる.
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