応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
52 巻 , 5 号
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論説
  • 野崎 保
    2011 年 52 巻 5 号 p. 168-175
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     小論は, 一般社団法人日本応用地質学会の地すべりの初生と評価に関する研究小委員会での議論を参考にまとめたものである. まず, 1970年代以降の識者の考え方を基に, 地すべりとその多様な因子とのかかわりについて検討し解説した. 次に地すべりを含む斜面変動因子に関する概念について解説したが, 地すべりの素因は, 基本的に内因としての物質因子に外因としての環境因子が作用し醸成されていく, という植村(1974)の考え方に基づいている. 地すべり因子には, 長~中期的に作用するものから短期的なものまでさまざまなものがあり, 筆者は長~中期的に作用する因子を素因, 短期的に作用するものを誘因と見なせば良いと考えている. しかし, こうした地すべり発生のプロセスについては, TERZAGHI(1950)を始めとしてさまざまな考え方があり, 専門家にとっても難解な部分が少なくない. そこで, 小論ではこれらの問題についての包括的な見解をまとめ, 図解し解説した. これらの図解は, 委員会としての見解や検討経緯および既存の資料を踏まえて, 筆者の考え方をまとめたものであり, 2つの事例を加えて解説した.
論文
  • 藤井 幸泰, 高橋 直樹, 高橋 学, 竹村 貴人, 朴 赫
    2011 年 52 巻 5 号 p. 176-183
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     三軸伸張試験とは中間主応力が最大主応力に等しい(σ12)状態の圧縮試験を示す. 来待砂岩の円柱供試体を用いて, 側方応力(σ12)を流体圧で, 軸応力(σ3)を長軸方向から剛体ピストンによって負荷される三軸伸張試験を行ったところ, 70MPa以上の側方応力で供試体に破壊を生じてせん断および引張り割れ目が形成された. これら割れ目の立体写真を撮影し, 写真測量を用いて破断面の三次元モデルを作成した. せん断割れ目の三次元モデルから破断面の傾斜を計算すると, 側方応力の増加とともに傾斜も増加する傾向がみられる. ところで引張り割れ目はせん断割れ目から派生している. 引張り割れ目の三次元モデルから破断面のラフネスを計算すると, 軸応力の値が大きいほどラフネスが小さく(破断面が平滑に)なる傾向がみられる. すなわち, せん断割れ目の生成後に引張り割れ目が形成されたわけであるが, 引張り割れ目もこれに垂直な軸応力の影響を受けていることがわかる.
報告
  • 高橋 学, 藤井 幸泰, 安 昶完, 竹村 貴人, 高橋 直樹, 朴 赫
    2011 年 52 巻 5 号 p. 184-191
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     来待砂岩は工学的背景の研究論文で用いられる代表的な砂岩のひとつであり, 力学・水理特性の実験的研究に多く用いられている岩石供試体のひとつである. 来待砂岩の空隙構造について主に述べる. 水銀圧入式ポロシメータによる空隙率と空隙分布についてその特徴を述べる. 続いて, 空隙構造観察のためのマイクロフォーカスX線CTデータを用いた3DMA手法による結果について述べる. 空隙の3次元幾何学情報として中心軸(medial axis)表示とその過程で得られる連結経路(connecting path)あるいは屈曲度(tortuosity)に関する情報を紹介する. これらの情報は地下に存在する来待砂岩の状態を推定する際や, 応力の変化に伴う透水性の変化を考慮する際の重要な空隙構造の変化に関する情報であり, 基礎的かつ重要な情報となる.
  • 南 雄一郎, 松岡 達郎, 原口 強, 元木 健太
    2011 年 52 巻 5 号 p. 192-198
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     大都市域での微動探査法の適用性および探査精度を検討するために, 大阪平野都市部において構造変化の大きな上町断層を横断する5地点を選点して微動アレー探査を行った. この探査では, 空間自己相関法(SPAC法)を適用して微動観測波形からレイリー波基本モードの位相速度を検出し, 遺伝的アルゴリズムによる逆解析でS波速度を推定した後, 得られたS波速度構造を既存の坑井資料と反射法地震断面と対比を行った. その結果, 推定されたS波速度構造は坑井資料と反射法地震断面と調和的であった. さらに, 得られたS波速度構造から上町断層の上盤側と下盤側で基盤上面構造に明瞭な違いが見られた.
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