応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
55 巻 , 1 号
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論文
  • 石原 朋和, 太田 岳洋, 蒲原 章裕, 横山 秀史, 上半 文昭, 斎藤 秀樹
    原稿種別: 論文
    2014 年 55 巻 1 号 p. 2-16
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
     落石災害を防止するために,鉄道事業者等では岩盤斜面中の岩塊を対象に定期的な検査を実施しているが,その内容は専門技術者による定性的な評価を主体とするのが現状である.そのため,現場技術者が実施できる定量的な岩塊の安定性評価方法の確立が求められている.本研究では岩塊の安定性の判定材料の一つであるハンマー打診による定性的評価の定量化を検討するために,岩塊と岩盤を模擬した供試体を対象とした実験,基盤岩および岩盤斜面中の岩塊を対象とした現地測定を行った.その結果,供試体の接着面積が小さいほど打音測定により得られた音圧スペクトルの最大フーリエ振幅は大きく,卓越周波数が低いことがわかった.また,供試体実験では打音測定と同時に振動測定を行い両者を比較し,音圧スペクトルの低周波域に振動測定により得られる速度スペクトルの最大フーリエ振幅を示すピークと一致するピークが認められることがわかった.これらの傾向は現地測定でも認められた.また岩塊ごとの測定結果を基盤岩の測定結果で正規化することで異なる岩種の測定結果を統一的に評価することを可能とした.以上の成果を基に打音測定による岩塊の安定性評価フローを提案した.
  • 升元 一彦, 栗原 啓丞
    原稿種別: 論文
    2014 年 55 巻 1 号 p. 17-27
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
     岩盤内の亀裂の地下水流動特性を把握することは,放射性廃棄物地層処分や水封式岩盤貯蔵などの地下水管理において,またダムやトンネルの湧水対策のためにも重要である.とくに坑道周辺に発達する掘削影響領域は,放射性廃棄物地層処分の安全評価の観点から亀裂に沿った水みちの連続性を評価しておく必要がある.
     これに対し筆者らは,坑道周辺の亀裂内の地下水の移行経路を,水理場を乱さずに間接的に把握する調査方法として,地中レーダを用いる手法の適用性に関する研究を進めている.本研究では,地中レーダによる浸潤状況評価の可能性について,流動化処理土の試験体の間に木質系セメント板の模擬亀裂を作製し検証試験を実施した.この結果,模擬亀裂の含水状態や塩水浸透の変化を反射波形の変化,反射強度の増加により把握することができた.このことから,地中レーダによる測定を平面的に行うことにより,亀裂の水みちとしての連続性や物質の卓越移行経路を 2 次元的に把握できる可能性を示すことができた.
報告
  • 小嶋 啓介
    原稿種別: 報告
    2014 年 55 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 2014/04/10
    公開日: 2014/06/11
    ジャーナル フリー
     常時微動のアレイ観測および1点3成分観測に基づいて,福井県の大野盆地の新第三紀基盤岩に至るS波速度構造モデルの算出を試みた.はじめに,常時微動のアレイ観測に空間自己相関法を適用して求められたRayleigh波位相速度に基づいて,アレイ観測点直下の層厚とS波速度の推定を行った.また,1kmメッシュで実施した常時微動の1点3成分観測からH/Vスペクトル比を算出し,沖積層および第四紀層に起因すると思われる卓越周期を特定し,大野盆地の卓越周期分布を求めた.さらにアレイ観測点の推定S波速度構造を事前情報として利用し,観測H/Vスペクトル比に基づく逆解析から,S波速度構造の推定を行った.ついで,微動観測点ごとに推定されたS波速度構造をサンプルとして,Krigingによる空間補間を行い,大野盆地の新第三紀層までのS波速度構造モデルを推定した.常時微動から推定されたS波速度構造モデルは,ボーリング情報および重力異常に基づく密度差構造と矛盾が少ないことを確認した.推定モデルによれば,大野市の市街地は平均S波速度が相対的に小さい領域に対応している可能性があることなどが明らかとなった.
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