応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
55 巻 , 2 号
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論文
  • 松澤 真, 千木良 雅弘, 土志田 正二, 中村 剛
    原稿種別: 論文
    2014 年 55 巻 2 号 p. 64-76
    発行日: 2014/06/10
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
     2004年の台風15号と21号の豪雨により,愛媛県新居浜市の白亜系和泉層群分布地域で,表層崩壊が多発した.本研究では,地質調査,崩壊地調査,および詳細地形解析を行い,これらの崩壊発生場の地質地形的特徴を明らかにした.和泉層群は従来豪雨によって崩壊しやすいとは考えられていなかった地質である.調査地は主に砂岩,泥岩,細礫岩の互層で構成され,これらの地層は,それぞれの岩石の量比などによって区分されるが,崩壊はこれらの地層に偏りなく発生していた.崩壊は,岩石の風化の程度と地形に規制されて発生していた.風化程度は,弱,中,強と3区分され,強風化岩上の土層の崩壊密度が224か所/km2ともっとも高く,次に中風化岩上の土層の崩壊密度が同面積内に153か所/km2であった.航空レーザ測量データを用いた地形解析により,2004年の崩壊とそれ以前の崩壊地形および遷急線が検出できた.2004年の崩壊とそれ以前の崩壊の冠頂は地形図上で遷急線に沿って並んでおり,この遷急線は「削剥前線」とみなすことができる.この削剥前線の直上で,かつ,強風化岩分布斜面が豪雨による崩壊の危険性がもっとも高い斜面である.
報告
  • 遠藤 修実, 松浦 好孝, 深水 正康, 長瀬 武英, 嶋崎 浩二, 上水 文仁
    原稿種別: 報告
    2014 年 55 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 2014/06/10
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
     開口亀裂(開口幅0.5~2 mm)が分布する岩盤において,調査横坑やボーリング孔での開口亀裂観察から実施した開口量に基づく岩盤の区分(ゾーニング)と弾性波トモグラフィで得られた弾性波伝播速度(Vp)分布を比較検討した.その結果,開口亀裂の分布する領域と開口亀裂がほとんど分布しない領域を弾性波伝播速度で定量的に区分できることが確認できた.開口亀裂が分布する範囲の弾性波伝播速度(Vp)は0.5~2.4 km/s,開口亀裂がほとんど分布しない領域の弾性波伝播速度(Vp)は2.4~4.0 km/sであった.
短報
  • 磯野 陽子, 木村 隆行, 中嶋 悟
    原稿種別: 短報
    2014 年 55 巻 2 号 p. 86-92
    発行日: 2014/06/10
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
     近赤外分光法の土木地質材料への適用可能性を検討するため,一軸圧縮強度・P波・S波速度を測定した山陰高山期花崗岩類供試体(8検体)および領家花崗岩類供試体(18検体)において,長石類10粒子の近赤外反射スペクトルを測定した.反射スペクトルをクベルカ・ムンク式で吸収スペクトルに変換し,1,450,1,950,2,250,2,350 nm付近の吸収帯面積の平均値を求め,岩石物性値との相関を調べた.その結果,山陰高山期花崗岩類の長石類の2,250,2,350 nmの吸収帯面積および領家花崗岩類の長石類の1,450,1,950nm吸収帯面積と岩石の強度・速度特性に比較的良い負の相関が認められた.X線回折法および偏光顕微鏡観察結果と対比すると,山陰高山期花崗岩類長石類の2,250,2,350 nmの吸収帯面積は,長石類の絹雲母等への粘土化を,領家花崗岩類長石類の1,450,1,950 nm吸収帯面積は,粘土の層間水・吸着水に対応していると考えられた.これらの長石の水和(粘土化)度を近赤外吸収帯面積で評価することができ,またそれらが岩石の強度低下の指標となる可能性が示唆された.
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