応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
57 巻 , 5 号
特別号「岩石内空隙」
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論文
  • 藤井 幸泰, 高橋 学, 佐藤 稔
    2016 年 57 巻 5 号 p. 193-200
    発行日: 2016/12/10
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    屋久島に存在する花崗岩亀甲石は,円礫表面に亀甲状割れ目が認められる特徴を有する.亀甲石の断面を観察するとコア部とクラスト部の二層構造を確認でき,亀甲状割れ目は表面からこの境界まで発達している.

    花崗岩亀甲石を対象に,水銀ポロシメータを用いた空隙測定を実施したところ,以下の事実が判明した.

    ①クラスト部よりもコア部の空隙率が高い

    ②クラスト部とコア部とでは空隙サイズ頻度分布のピーク位置が異なる

    また,亀甲石ではない未風化花崗岩や風化花崗岩と比較したところ,風化による変化は空隙サイズ全体が増加するのに対し,亀甲石内部の空隙構造は空隙サイズのピーク位置や量が変化することがわかった.さらに薄片観察なども考慮したところ,亀甲石内部の変化は変質によるものだと推測される.

報告
  • 林 為人, 高橋 学, 佐東 大作, 葉 恩肇, 橋本 善孝, 谷川 亘
    2016 年 57 巻 5 号 p. 201-212
    発行日: 2016/12/10
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    岩石の空隙構造は透水係数等の物性値を大きく左右するため,その代表的なパラメータである有効空隙率および空隙寸法の分布特性を定量的に評価することが重要である.世界各地から採取された15種類の岩石の計108個の試料について,水銀圧入法によりそれらの有効空隙率と空隙寸法分布を測定したデータを取りまとめ,各種岩石の空隙構造の特徴を報告する.岩石の種類,年代と産地の違いによって,有効空隙率と空隙の寸法分布特性が大きく異なり,かつ,その空隙寸法分布の特性は空隙率との相関性が必ずしもあるとは限らないことが明らかになった.岩石の空隙寸法分布を測定する手段として,水銀圧入式ポロシメータは比較的実施簡便で,測定データの信頼性と再現性も本研究により確認された.ただし,有効空隙率の小さい(例えば,1%未満)緻密な深成岩の場合は,空隙半径の大きい範囲における測定結果が誤差を含む可能性がある.

  • 西山 賢一
    2016 年 57 巻 5 号 p. 213-218
    発行日: 2016/12/10
    公開日: 2017/01/07
    ジャーナル フリー

    熊本県天草地域に分布する古第三系の粗粒砂岩を用いて,風化による砂岩の岩石物性の変化について検討した.鏡下観察の結果,風化した試料では新鮮な試料に比べて,砂岩の基質を構成する方解石が溶解して減少し,水酸化鉄が基質部分に濃集している.有効間隙率・間隙径分布・強度測定の結果,風化した試料ほど,有効間隙率と間隙量がともに増加し,点載荷強度と土壌硬度が減少している.風化に伴う間隙の増加の原因は,砂岩の基質を構成する方解石の溶解に由来するものと考えられる.粗粒砂岩の風化に伴う岩石組織の変化においては,方解石の溶解が主因のひとつと考えられる.

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