地下の空洞掘削時の岩盤に生じるき裂性状は,掘削による空洞半径方向の応力解放と空洞軸方向の応力の影響を受けると考えられる.3方向独立した応力を制御できる真三軸試験装置を用いて,空洞掘削時の岩盤の応力変化を模擬する研究も増えているが,複雑な応力経路で試験する際に応力値を精度良く取得することは難しいことなどから,試験条件が限られる.本研究では応力補償機構を搭載した真三軸試験装置を使用し,応力解放による岩石試料の変形を模擬した減圧式真三軸圧縮試験(RTTC:Reduced True Triaxial Compression)を提案・実施した.RTTC試験では,通常実施される真三軸圧縮試験で得られる破壊応力と同様の結果が得られるとともに,応力解放に起因する変形やき裂性状を把握する場合においては,RTTC試験が適していることを示した.また,現場で得られる地圧をRTTC試験の試験条件とすることで,静的な応力変化に伴う岩盤の安全性評価を行えるとともに,き裂が発生する壁面からの範囲が推定できると考えられる.