山口県萩市椿東工区の橋梁基礎地盤を例として,土木地質調査の初期段階から三次元地盤モデルを作成し,調査の進捗に応じて更新するシステムを構築する.本モデルでは山地地形での地表付近の風化岩からなる脆弱層と基礎地盤との境界の空間的広がりを可視化する.現地踏査とボーリング調査から地盤境界深度は地形と密接な関係があり,急斜面で浅く緩斜面で深い傾向がある.この結果から,1つの解析範囲を示す単位地形を設定する.地形をドーム型と反り型の2つのタイプに類型化し,地形的な起伏量(R)と地盤境界深度(D)との対応関係を定式化する.これを地形解析とする.一方,風化や割れ目の増大によって地盤が脆弱化して密度が低下することを位置エネルギーの低下ととらえ,エネルギー低下量(S)とDとの対応関係を定式化する.これをエネルギー解析とする.両解析には地形の高度(Z)を共通項として含むので,両解析をクロスさせるくり返し計算から,Z-R-S-Dが連結する組合せの最大マッチングによって地盤境界の空間的広がりを最適化する.これをクロス解析とする.以上によるモデルは,調査の進捗に応じた精度を備え,調査の効率化に寄与する.