情報倫理の存在を,情報の特性に伴う倫理性と,情報システムの特性に伴う危険性を持つことによる危険性抑止手段として求められる倫理性の2面から論じている.情報倫理は,情報社会における情報の生産,処理,流通,利用の各場面において,他人の権利を侵害したり,他人と衝突したりするのを避けるために,各個人が最低守るべきガイドラインまたはルールとなるべきものであるとしている.このようなガイドラインまたはルールの遵守は,個人の価値観に対して規制を加えることなく,自己の内的規制によって行われることを基本に置く.個人の内的規制を形成し,自己統制が行えるようにするためには,情報倫理教育を行う必要がある.情報倫理教育の内容項目としては,個人情報の保護,ソフトウェアの法的保護,コンピュータ犯罪などがある.この教育は学校教育において特に重要である.
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