著者ら(日本人教員5名)は, タイ国立の工科大学(Rajamangala Institute of Technology)において, 現地の人文社会系教員を対象とした情報教育研修(コンピュータ)を実施した.本稿では, この教員研修で得られた受講者によるプレゼンテーション(講義)の評価およびプレゼンタ(指導者)・受講者間でのコミュニケーション活動(言語・行動)をビデオ記録によって分析し, 受講者の評価に起因するプレゼンテーション技術を調査した.結果より, タイ教員など異言語間での講義では, プレゼンタに求められる能力として英語の語学力の他に, プレゼンタの身振りや表情など非言語, 演示に用いる教材設計, OHPなどメディア利用によるコミュニケーションが, 受講者の知識理解や情意面での評価の向上に大きく起因していることが明らかになった.本研究は, わが国で外国人留学生などを対象とした授業で, 教授・学習過程でのコミュニケーションを改善すべく教師の言語(話しことば), 非言語(Nonverbal), 教材系メディア[1]の効果的な利用方法を提案し, 授業技術の改善に役立てることを目的とした.
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