小学校4年生を対象として、マルチメディア, インターネット, SCSを併用した遠隔協同学習を2期に分けて行い, 遠隔協同学習に対する情意的側面の受け止め方, SCSの機能的側面の受け止め方, メディアに対する先有知覚, 学習集団に対する好み度, 難易度, 期待度の変容について検討した.その結果, SCSを用いた遠隔協同学習に対する興味関心, 意欲態度, 学習期待, ならびに, 質問・意見等の発言意欲が高く, 相手校の児童と積極的にコミュニケーションしようとする姿勢がみられた.SCSの画像・音声に関しては, 好意的に受け止められていた.また, メディア活用に対する先有知覚に関しては、好み度は, SCS, マルチメディアパソコンが高く, 期待度については, SCS, インターネットによるパソコン通信が高かった.学習集団に対する好み度については, はじめは自分の学級の集団との学習を好む傾向が強かったが, 交流を積み重ねるにしたがって, 相手校の友だちとの集団による学習も好まれるようになったことと次第に相手校の友だちとの集団による学習への期待度も高まったことから, マルチメディアパソコンとインターネット及びSCS等のテレビ会議システムを併用した遠隔協同学習を継続して行うことの意義が確認できたと考える.
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