受験生が大学や学科を選択する場合, 本人の希望する分野の大学・学科を選択することは勿論であるが, 高校までの知識では, 夫々の学科でどのような内容を学習するのかを正確に理解することは困難である.このことは, 我々大学側の説明の努力不足もかなりの原因を占めている.特に情報系の学科では取り扱う範囲が広く, 学科により学習する範囲が異なっていることが多い.このような状態で入学してきた学生に学習の動機付けを行うには, 学生に, 学習内容が最新の技術と関連していることが明確に理解できる演習・実践を取り入れ, 学習内容が机上の理論ではなく, 実社会で用いられているもの(工学部的見地からは「製品」)と直接結び付けていることを理解させることが必要である.このような見地から, 我々は工学部情報系学科でのコンピュータアーキテクチャ教育(コンピュータの作り方の教育)のカリキュラムを構築し, 演習・実験を行って来た.本論文ではその内容と実施結果を述べる.学科開始から4年間の実施結果より, 学生自ら手を下してコンピュータを作る演習・実験により, 学習内容の理解が深まったことが確認された.
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