本研究では,インターネット情報検索過程の情報評価に焦点を当てて,メタ認知過程を意識化させることが,インターネット情報検索の効率を高めることに有効であるかどうかを,大学生を対象にサーチエンジンのYahooを使って検討した.実験1では,Yahooから検索を始める場合とホームページから検索を始める場合を比較した.その結果,情報検索の手がかりが体系的に整理されているYahooから検索を始めると,検索の見通しが立ちやすく客観的評価が高いホームページを選択しやすいことが明らかになった.実験2では,メタ認知過程を意識化させる教示が,情報評価力を高めるかどうかを検討した.その結果,以下の2点が示された.第1に,本実験で用いたメタ認知過程を意識化させる教示は,メタ認知過程を意識化させたという自己認識を高めたが,客観的指標に現れるほど十分に意識化させていなかった.第2に,メタ認知過程を意識化させたという自己認識した者が,自分の予想したホームページを高く自己評価したが,それが客観的評価の高い情報評価につながらなかった.
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