本研究は,高校教科「情報」と中学校段階を含む高校・大学の情報教育の関連及びカリキュラムのあり方と,先行研究の授業評価・自己評価の観点を継続し,ブルームの教育目標を基本として体系的情報教育とその方向性を検討することを目的とした。検討の結果,「情報の科学的理解」については中学・高校・大学の系統性に問題があり,自己評価値は,年次進行で高校では高く,大学では低くなる傾向にあった。また,体系的情報教育という観点では,高校・大学共に「情意領域」のポジティブ性による認知領域の強化,すなわち「理解力に関する知識」の充実を図る必要があることが判った。そのためには,「精神運動領域」の技能と「情意領域」の連携が,教科「情報」のカリキュラム内容に必要である。今後の方向性は,小学・中学・高校・大学の情報教育連携について「認知,精神運動,情意」各領域と,包含される「知識・理解,技能・創造,興味・態度」の関係を改訂前後で継続調査していく予定である。
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