ユニバーサル・アクセス時代の到来で,大学ではカリキュラムの編成や指導方法の改善に工夫を凝らしている.しかし,伝統的な講義形式を採用し続けている大学もまだまだ多い.近年,このような現状を改善する目的で,学習者の主体性を尊重した学習方法であるProject Based Learning(PBL)が注目されている.このPBLでは,学習者自身が目標を定め,目標を実現するまでのプロジェクト(計画)を立て実行し,その結果を具体的に発表することが出来る能力を育成する.筆者らは,PBLを効果的に行うには,PBLを実施する前に基礎能力を高める授業を行うべきであると考えた.この授業を,教員主導で行い,学習者主体のPBLへと巣立たせることから「すだち方式」と名づけた.「すだち方式」の授業では,講義内容を細分化し,学習者特性をきめ細かに把握しつつ講義を行い,講義終了後に学習者の理解度を確認する課題に取り組ませるようにした.本報告では,その授業の設計と実践について述べる.
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