本論文は,インストラクショナルデザインの手法を活用して作成した教材を,実際の授業で使用することによって,学習者に及ぼす効果を計り,分析することを目的としている.事後のアンケートの結果,本教材は,インストラクショナルデザインの手法によって受講生の学習を促進したことが認められた.また,(1)連続性のあるChapterのそれぞれで学んだことを実習で成果蓄積していくという教材のコンセプトが,実際の学習において効果的に実現されていること,(2)「評価基準表/達成度自己チェック表」を記入する作業が,教材の全体図と自分の現在の位置をイメージさせる一助となる役割を果たしていること,(3)各Chapterの学習目標,学ぶ内容が予めわかったうえで学習できたことが「頑張ればできそうだ」と思えることに大きな影響を与えていること,(4)教材の全体図と自分の現在の位置がわかり,学習しやすかったことが,学習完了の際の達成感に繋がったこと,などが認められた.
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