工業高校において教材として使用されているBASICプログラムを対象にプログラムの複雑さの評価を行った.評価尺度として,行数,バイト数,分解した語集の数およびHalsteadの尺度を使用してプログラムを評価し,その結果をもとにHalsteadの尺度による評価値とその他の尺度による評価値との関係を調べた.その結果,Halsteadの尺度のうちプログラムを作成または理解するために必要な努力の量(E)との関係は分解した語集の数による評価値が最も強い相関を示し,次いでバイト数,行数の順であることが知られた.さらに,プログラムをグラフィックと数値計算とに分類し,分類毎の評価値の平均値を求めた.その結果,分類した両者の行数はほぼ等しいが,Halsteadの尺度におけるプログラムの量およびEについてはグラフィックが数値計算の2倍以上となり,Halsteadの尺度においてグラフィックがその他に比べ複雑であることが知られた.
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