現代情報化社会において,コンピュータを始めとする情報機器の発展は目覚ましい.最近では,特にマルチメディアか注目されている.ところが,従来の研究ではシステムの構築に重点がおかれ,マルテメディアがいったいどんな状況でユーザに有効であるのか整理されているわけではない.筆者らは,音楽教育の重要な問題の一つである楽譜の学習に,マルチメディアが有効であるのではないかと考えた.楽譜を学習するということは,聴覚の情報を視覚の情報に変換することと考えることができるからである.そこで,実際にシステムを試作し,楽譜の概念を学習していない幼児に8か月間にわたり使ってもらった.その結果,マルチメディアを利用することによって,聴覚情報と視覚情報を結びつける効果の得られることが確かめられた.
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