【目的】近年, 重症下肢虚血 (Critical Limb Ischemia, 以下CLI) の患者への血行再建術数は増加している. 外科的血行再建術を受けたCLI患者に対する看護の実際とチーム医療活動を抽出し, 看護師の役割を明らかにすることである.
【対象と方法】A病院における2014年1月から2016年12月にFontaineⅣ度のCLIに対して外科的血行再建術を施行した66例を対象とした. 入院中の看護師の役割は①術前のフットケアチェック, ②潰瘍の処置, ③爪のケア, ④グラフト・動脈の血量確認, ⑤フットケア回診, ⑥休日の理学療法の実施, ⑦スキンケア指導であった.
【結果】入院中に6肢で大切断にいたり, 退院時の大切断回避率は97% (64肢) であった. 入院中死亡は6例で60例が生存退院した. このうち43例 (72%) が自宅退院した. 退院時44例 (73%) で自力歩行可能であった.
【結論】大切断回避率および自宅復帰率, 自力歩行可能率は良好な成績であった. 看護師は大切断回避や患者の社会復帰の一端を担っている.
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