頭頸部外科
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9 巻, 3 号
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  • 家根 旦有, 小泉 敏三, 上村 裕和, 宮原 裕, 細井 裕司
    1999 年 9 巻 3 号 p. 143-147
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
     1984年から1998年の15年間に当科で外科的治療を行ったバセドウ病患者の男性21例,女性67例の計88例について検討した。手術成績は全摘を除いた6ケ月以上の観察が可能であった76例を対象とした。術後の結果は50名(65.7%)が正常で,6名(7.9%)がTSHの上昇を伴った正常,9名(11.8%)が再発,11名(14.5%)が機能低下であった。甲状腺残置量と術後機能には明らかな関連は認められなかった。術後合併症は一過性の反回神経麻痺が3例に,副甲状腺機能低下は1例に認めた。
  • 茂木立 学, 木田 亮紀, 弘重 哉子, 遠藤 壮平
    1999 年 9 巻 3 号 p. 149-152
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
     表在性の下咽頭血管腫の治療法はKTPレーザーが第一選択であるが,当科領域に使用頻度が増すことが予想されるホルミウム・ヤグレーザーを用いてその有用性を検討した。今回報告する症例は血管腫が下咽頭に限局しており,いずれも気管切開を施行することなく,経口操作で手術を施行した。血管腫にレーザーを直接照射するのでなく血管腫周囲健常組織を蒸散切離した。この方法を用いることにより血管腫を完全摘出することが可能であった。ホルミウム・ヤグレーザーはKTPレーザーやNdYAGレーザーに比べ周囲組織への侵襲が少ない。術後,喉頭の浮腫を来すことなく良好に経過した。ホルミウム・ヤグレーザーも有効な治療法であると思われた。
  • 寺山 善博, 米本 正明, 内藤 丈士, 長舩 宏隆, 小田 恂
    1999 年 9 巻 3 号 p. 153-158
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
     Verrucous Carcinomaは扁平上皮癌の一亜型であり,1948年にAckermanによってその臨床的,病理組織的特徴が最初に報告された。今回,55歳の男性で舌に発症したVerrucousCarcinomaを報告する。症例はneoadjuvant chemotherapy(CDDP,PEP)を施行し,その後に外科的切除を行った。治療後10カ月,局所再発,遠隔転位は認められない。進行した症例にはneoadjuvant chemotherapyが有効であった。本邦における口腔内発生のVerrucous Carcinoma82例について検討した。
  • 安田 真美子, 殿内 一弘, 清本 昭邦, 米本 正明, 寺田 善博, 内藤 丈士, 長舩 宏隆, 小田 恂
    1999 年 9 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
     74歳の女性が右前頭部痛を主訴に来院。右鼻内には表面平滑で淡赤色の隆起を認めた。CTでは右蝶形骨洞内にモザイク状のsoft tissue density lesionが認められた。内視鏡下に右鼻内より右蝶形骨洞開放術を施行したところ,洞内には黒色の乾酪様物質が充満していた。それは,病理組織学的検査の結果,ムコール症と診断された。ムコール症は日和見感染症で,代謝性疾患や化学療法を受けて免疫が変化した時におこることが多い。しかし,本症例では明らかな基礎疾患は認められなかった。副鼻腔真菌症の報告例は増加してきているが,蝶形骨洞に原発したムコール症は非常に稀である。本邦における蝶形骨洞真菌症について検討した。
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