園芸学会雑誌
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37 巻, 3 号
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  • 土壌中の塩基とビターピットの関係
    山崎 利彦, 新妻 胤次, 田口 辰雄
    1968 年 37 巻 3 号 p. 185-191
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    リンゴ園の土壌中の塩基 bitter pit との関係を明らかにするため, おもに国光の bitter pit の発生を程度によつて9園ずつ3 group にわけ, group 間の置換性石灰の量と苦土, カリの相互関係, および塩基吸着能の差を調査し次の結果を得た。
    (1) 置換性石灰と bitter pit との間には最も密接な関係が認められ, 特に石灰飽和度との関係が深く, 発生がひどかつた園の20~40cmの深さにおける飽和度の平均は7.4%で, 発生が軽かつた園とまつたく発生が認められなかつた園の飽和度の平均はそれぞれ22.2, 31.0%であつた。
    (2) 塩基吸着強度, アンモニウムイオンとカルシウムイオンの選択吸収, 酢酸による石灰の溶出などの塩基吸着の質的な面からの結果では, 土壌によつてそれぞれの特徴は認められたが, bitter pit と直接的な関係は見いだすことができなかつた。
    (3) 結果を総合して, 窒素の施用量が10a当たり15kg前後で, 本試験と類似した土壌では次の基準が一応の指針となりうるように考えられた。
    置換性石灰の飽和度が10%以下の場合…bitter pit が非常に発生しやすい。
    石灰飽和度が20%以上で, 石灰が苦土とカリの合計量の2~3倍の場合……非常に発生しがたい。
    石灰飽和度が10%以上でも苦土とカリの合計量が石灰と同等かそれ以上の場合……塩基以外の他の条件いかんで発生の有無, 多少がきまる。
  • 忌地発現に関与する2, 3の条件
    平野 暁
    1968 年 37 巻 3 号 p. 192-198
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    モモを栽培した土壌 (前作土) をもつてモモを新しく栽培 (あと作) すると生長抑制がおきるが, それに関係する栽培上の2, 3の要因について観察した。
    1. 鉢植え栽培およびほ場栽培の前作土を用いてモモを新しく鉢栽培すると, 前者の抑制作用は後者よりも強かつた。
    2. 前作土が砂土の場合には壌土および埴壌土の場合ほどに生長抑制が著しくなく, 時には生長を促進した。
    3. ガラス室外栽培の前作土とガラス室内栽培の前作土の生長抑制作用を比較すると, 前者は後者ほどに著しくなかつた。
    4. 土壌湿度の影響を受け, あるいは樹令により, 新植苗木の生長が盛んであるほど, 前作土と新土における生長の相違が一層に目立つた。
    5. 前作土を用いて栽培したために生長の著しく劣つたモモ苗木でも, 新土に移植すると樹勢が正常に回復した。
  • 小林 章, 新居 直祐, 原田 公平, 門脇 邦泰
    1968 年 37 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    1. 昼夜温の組合せが果実の生長に及ぼす影響を, Delaware ブドウと温州ミカンについて, 果実の肥大期に観察した。そのために, コイトトロンを使用して15°, 20°, 25°, および30°Cの昼夜温を互いに組合せた。
    2. 両種類の果実の横径および重量生長は, いずれも昼温20°C-夜温20°C, 25°C-25°C. ならびに 25°C-20°Cにおいて著しくすぐれた。このことは, 果実の生長に対する好適温が20~25°Cの範囲内 (平均22.5°C) にあり, かつ, 昼夜の気温較差は必ずしも必要でないことを示している。ただし実際的見地からすると, 果実肥大期の気温の日変化は, 昼温25°C-夜温20°Cが望ましい。
    3. 1日の平均気温は同じであるが昼温>夜温の場合と昼温<夜温の場合の果実の生長量を比較すると, 後者は常に前者よりも劣つた。とくに Delaware ブドウでは, 昼温15°Cが夜温30°, 25°あるいは20°と組合つた場合にその傾向がはなはだしかつた。
  • 窒素の施用量について
    湯田 英二, 岡本 茂
    1968 年 37 巻 3 号 p. 205-211
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    1. カンキツ幼樹の生長に対する窒素の好適施用量を土壌反応との関係においてみるため, 窒素施用量3段階(1鉢当たり N 6g=標準区, 12g=倍量区, 18g=3倍量区) と土壌pH値4段階を組み合わせての要因実験を行なつた。
    2. 供試樹の生育について, 新梢伸長, 生体重増加, 各種形態別窒素の蓄積量などからみた場合, 土壌pHが7.0 前後では窒素を倍量施用したものが最もすぐれた。しかし, 土壌pHが 4.37~4.50 では, 窒素を倍量ならびに3倍量施用したものがかえつて著しく阻害された。
    3. 土壌のECならびに全Nは当然のことながら, 窒素施用量の増加につれて増加した。また, NH4-Nは土壌pHが低下するにしたがい, 窒素施用量を増加するにしたがつて増加したが, 土壌の置換性Kは逆に減少した。また, NO3-Nは土壌pHの低下に伴い減少し, 窒素の施用量とは無関係であつた。有効態リン酸はpHの低下に伴つて増加した。
    4. 葉内のN形態についてみると, タンパク態-N,可溶性タンパク態-N, アミド態-N, NH4-N, NO3-Nは総じて窒素施用量の増加に伴い, また, 土壌pHの低下に伴つてその蓄積量が減少しているが, これに対しアミノ態-Nのみは逆に増加した。葉における不溶性窒素に対する可溶性窒素の比率はどの施用量段階においても土壌pHが低下するにしたがい低下した。
    5. 以上のことから, カンキツ幼樹に対する窒素の多用 (倍量ならびに3倍量施用) は土壌pHが高い (7.0付近) ときには差し支えないが, pHが低い(4.5前後) ときには, それが植物体の生育を著しく阻害することになる。
  • 坂本 辰馬, 奥地 進
    1968 年 37 巻 3 号 p. 212-220
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    1. 10年生の温州ミカンについての肥料の種類比較の二つの試験, 6年生の温州ミカンについての母材別土壌の比較試験からえられた8年間の果実の可溶性固形物および酸と, 夏季および秋季における降水量との関係を解析し, つぎの結果をえた。
    2. 8年間の年ごとの可溶性固形物の変化は, 三つの試験の間でまつたく同じ様相を示した。また, 酸および甘味比の変化も同様で, 酸には前年対比でみたとき隔年ごとに増減する傾向があつた。8年間の7月後半 (16-31日), 8月, 9月および10月の降水量は, 平均では9月が最も多く, 8月と10月はほぼ同じであつた。しかし年による差が著しいのは, 各月とも同じであつた。
    3. 可溶性固形物, 酸と7月後半から10月までの各月の降水量との間には, まつたく有意な相関がなかつた。しかし, 土壌浸透水を差引いた10月および9-10月の降水量と可溶性固形物との間には負の有意な相関があり, さらに8-9月の浸透水差引き降水量との間にも同じ傾向があつた。また酸と10月の浸透水差引き降水量との間には負の相関が高かつた。
    4. 以上の関係は, 各地で行なわれた灌水試験の結果とよく一致し, 降水の多少は土壌の乾湿の度合となつて影響することを示した。先報の気温の影響 (とくに酸に影響する) に比べたとき, 降水量の影響は可溶性固形物, 酸いずれにも反映し, むしろ影響の度合が強いかあるいは影響があらわれやすいようにおもわれた。
    5. 降水量の多少は, 土壌の種類や施肥 (たとえば窒素施用量) などの相違よりも, 果実の品質に強く影響する場合があることを指摘することができた。
    6. 8年間の各月の気温 (有効積算温度) と降水量との間には有意な相関がなかつた。可溶性固形物, 酸と有効積算温度および降水量との偏相関から, とくに酸, 甘味比と9-10月の有効積算温度との関係が密接 (酸は負甘味比は正) であることが導き出された。しかし, 気温と降水量とが相互に組みあわされた影響については, 今後の解析が必要であつた。
  • 藤重 宣昭, 杉山 直儀
    1968 年 37 巻 3 号 p. 221-226
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    バイオトロンまたは温室内において10°Cから35°Cまで5°C間隔に温度を調節した恒温水槽中に7~10日間ポットを入れ, トマト (福寿2号), キュウリ(青葉), ピーマン (栄光) の生長におよぼす地温の影響を茎長, 葉長, 新鮮重, 乾物重を指標として調べた。
    1. 苗の生長に対する地温の影響は茎長, 葉長の増加量および新鮮重, 乾物重の増加量のいずれにもみられたが, とくに葉の伸長と新鮮重の増加とに対して著しかつた。
    2. 乾物率は適地温で低く, 低地温および高地温の区では高かつた。
    3. トマトにおいて, 葉長の増加量と地上部新鮮重の増加量との間には高い相関があり, 葉の伸長が地温の影響を表わす指標となることを示した。
    4. トマトで本葉10枚展開の苗を用い, 気温20°C下で7日間処理を行なつた結果, 地上部生長の適地温範囲は20-30°Cであり, 10, 15°Cの低地温および35°Cの高地温区では生育が劣つた。
    5. キュウリで本葉7枚展開の苗を用い, 気温25-15°C下で10日間処理を行なつた結果, 地上部生長の適温は25-35°Cであり, 20, 15, 10°Cとなるにつれて生育が不良となつた。
    6. ピーマンとトマトを用い, 地温10, 15, 25°Cで10日間処理を行なつた結果, ピーマンはトマトよりも10, 15°Cの低地温において生育遅延が著しかつた。
  • 2, 3薬品処理による自家不和合性の消去
    建部 民雄
    1968 年 37 巻 3 号 p. 227-230
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    アブラナ科植物の自家不和合性は, 柱頭乳頭細胞をおおつている, クチンが障壁となつている。これを酵素cutinase で溶かすと, 自家不和合性が消去できたといわれている (LINSKENS, 1961)。
    この研究は酵素の代わりに2, 3の薬液で柱頭を処理して, 自家不和合性を消去しようとして実施されたものである。
    その結果ダイコンの柱頭はキシロール, または50%クロム酸溶液で処理しても無効であつたが, エーテル, または10%水酸化加里溶液を軽くつけて, しばらくしてから自家授粉すると, ある程度まで自家不和合性を消去できることがわかつた。なおエーテルは水酸化加里液よりも一層取り扱いやすく, 成績もよかつた。
    このエーテル処理は柱頭乳頭細胞をおおつているクチンを溶かすことはできないが, それを軟化して花粉の発芽や花粉管の侵入を助けるものと考えられる。
  • 日長反応およびその系統間差異
    塚本 洋太郎, 今西 英雄, 矢原 弘子
    1968 年 37 巻 3 号 p. 231-239
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    アフリカン•マリーゴールド1品種 (ポット•オブ•ゴールド), フレンチ•マリーゴールド4品種 (バターボール, ファン•タンゴ, ノーティ•マリエッタ, プチ• ハーモニー), シグネット•マリーゴールド1品種 (ウルスラ) を用いマリーゴールドの日長反応を研究した。実験結果からマリーゴールドは相対的短日植物であることがわかつたが, 3系統のうち, アフリカン•マリーゴールドは短日要求性が最も弱く, シグネット•マリーゴールドは最も強かつた。フレンチ•マリーゴールドは中間であつたが, 品種により反応差がみられた。アフリカンおよびフレンチ•マリーゴールドは日長に関係なく花芽分化を行なうが, 花芽発達は長日によつて抑制され, 短日によつて促進される。シグネット•マリーゴールドも同じ傾向を示すが, 花芽分化も長日によつてやや遅らせられる。フレンチおよびシグネット•マリーゴールドの場合, 短日が開花を促進し, 開花数を多くさせることは, これらを鉢ものまたは花床の苗として用いる際に利用することができる。
  • 連続照明下における培養基添加物の与える影響について
    上田 博, 鳥潟 博高
    1968 年 37 巻 3 号 p. 240-248
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    生長点培養により得た protocorm からの器官形成に対する培養基添加物の影響について, 特に地生 Cymbidium (C. goeringii) を中心に, 着生 (半地生) Cymbidium(C. insigne および C. pumilum) と比較して実験を行ない, 次のような結果を得た。
    1. 基本培地 (Knudson C+Nitsch 微量要素液) においては, C. insigne および C. pumilum では protocorm から葉, 根を形成し, 6~8週後には完全な植物体に発生したが, C. goeringii では rhizome が形成されてそれが分岐, 生長するのみで葉, 根が形成されなかつた。
    2. 培地のショ糖濃度はF.W.増加率, 分岐数に顕著な影響を与え, C. pumilum, C. goeringii ともに4%で最高値を示した。
    3. 0.1mg/lNAA添加培地では C. goeringii も約50%が shoot 形成に進み, これにさらに yeast extract (1g/l) または Bacto-trypton (1~5mg/l) を添加した培地では8~10週後には80%以上が完全な植物体に発生した。
    4. C. insigne に対しても Bacto-trypton は著しい発育促進効果を示したが, yeast extract は抑制的に働いた。
    5. アミノ酸添加の影響については, C. pumilum ではL-アルギニン, L-アスパラギン酸のみに発育促進効果があり, C. goeringii ではその他にグリシン, L-トリプトファンも有効であつた。
  • 緒方 邦安, 小机 信行, 邨田 卓夫
    1968 年 37 巻 3 号 p. 249-255
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    (1) 本研究は低温障害を受けやすいピーマン果実について低温貯蔵中発生する障害の様相, 呼吸変化, 成分変化ならびに障害発生機構について調べたものである。
    (2) 1°C, 6°C, 18°C暗黒下で貯蔵したピーマン果実の外観の変化は, 低温下で果皮面に典型的な低温障害とされる Pitting は生じなかつたが, 1°C下では貯蔵1週間ころからガクに異常をきたし, 種子のかつ変がみられた。また6°C下でも2週ころから同様なかつ変がみられ, その程度は1°C下より軽度であつた。ただ貯蔵末期に1°C, 6°C区とも耐病性が低下するためか, Botrytisが発生しはじめた。しかし1°C区では菌の発育が押えられるため品質の急激な劣化はまぬがれた。18°C下では障害を受けずに熟度が進み貯蔵末期に果皮は赤変した。1°C区のものを18°Cに変温すると果皮の一部に Pitting が発生した。
    果皮のクロロフィル含量は全区とも貯蔵中減少するが, 貯蔵当初の新鮮重当たりに換算すると18°C区が最もクロロフィル含量の減少傾向が大きく, ついで6°C, 1°C区の順であつた。
    (3) 1°C区, 6°C区の果皮のケト酸含量 (α-ケトグルタル酸, ピルビン酸) は貯蔵中増大した。果実を長期間低温に処理した後, 18°Cに変温するとその増加の傾向はさらに促進された。
    (4) ピーマンの有機酸ではフマール酸, コハク酸, 修酸, リンゴ酸, クエン酸がおもで, このうちリンゴ酸が量的に最も多い。18°C区は貯蔵中リンゴ酸含量が減少するが, 1°C区は逆に増加した。
    (5) ピーマンにはフェニールアラニン, ロイシン, チロシン, γ-アミノ酪酸, セリン, アルギニン, グルタミン酸, アスパラギン酸などのアミノ酸がみいだされた。これらのアミノ酸については障害果と顕著な量的差異はみられず, また全アミノ酸も貯蔵中それほど大きな変化はみられなかつた。
    (6) 低温貯蔵中のものを18°Cに変温した後, 果実の呼吸変化を調べたところ, 1°C区は貯蔵2週後ころから, 6°C区は3週ころから呼吸量の急激な上昇現象がみられた。
    (7) 果皮組織切片の変化は18°C区では貯蔵中わずかに減少する傾向を示すが, 6°C区は減少率が小さく貯蔵中全期間を通じて割合に高い値を示した。1°C区は貯蔵末期にO2吸収量が増大してRQが減少したが, 貯蔵6~7週めまで明りような呼吸の異常は観察されなかつた。ガク組織では1°C区で貯蔵末期に著しい呼吸量の増大がみられ, 前記の低温障害に伴うガクの異常現象と符号した。
  • トマト果実の呼吸に及ぼす環境条件とくにガス組成の影響
    大久保 増太郎
    1968 年 37 巻 3 号 p. 256-260
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    1. turning stage で採取後24~26°Cに貯蔵したトマトは, ripeness score の増加に伴ない呼吸 (発生炭酸ガス) は上昇し, score 5付近で climacteric maximum に達し, 今回用いた福寿2号では約40mg/kg/hrとなつた。一方同じ熟度のトマトを0.03mm厚さのポリエチレン袋に入れた場合には, ripeness score の上昇がおそく, climacteric maximum は16mg/kg/hrで無包装の約40%に減少した。
    2. 10~11°Cに貯蔵した場合には, はつきりとしたclimacteric maximum が認めがたく, 24~26°Cのポリ袋包装果に比べて, 全体的に呼吸量がいくぶん低かつた。しかし ripeness score は10~11°C貯蔵果のほうが早く増大する傾向を示した。
    3. ポリ包装果と無包装果の成分比較では, ゲル状種子部酸含量の滅少が包装果のほうが小さかつた。デンプンはゲル状種子部に多く, 貯蔵とともに減少したが, 包装, 無包装の差は認めがたかつた。
    4. 環境ガス組成とトマトの呼吸変化を検討した結果, トマトの呼吸を発生炭酸ガスでみた場合には, 環境ガス組成の炭酸ガス濃度の影響のほうが強く, 吸収酸素量でみた場合には酸素濃度の影響のほうが強いようで, トマトはいずれのガスにも呼吸が影響をうけるものと思われた。とくに, 酸素濃度が1%程度まで下がると, トマトの酸素吸収能が低下してRQが極端に上昇するところから, 酸素濃度の影響が大きいように見うけられた。
  • 2, 3の青果物のプラスチックフィルムによる包装について
    本多 靖, 石黒 修
    1968 年 37 巻 3 号 p. 261-266
    発行日: 1968年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    サヤエンドウ, サヤインゲンをフィルム包装し, 包装内部にCA条件を作り出すための諸条件を検討し, その知見をもとにレタス, ピーマンの実用形態の包装を行なつた。そして次の結果をえた。
    (1) 供試フィルムの中では, そのガス透過性からみて0.03~0.05mmのポリエチレン, ポリスチレンが青果物の包装に適している。
    (2) フィルムの種類, 厚さ, 青果物の包装量を適当に選べば, 呼吸量とガス透過量を平衡させ, 青果物の簡易CA貯蔵ができる。
    (3) 青果物を包装する際, 空気の代わりに不活性ガスを封入することにより包装当初から安定的にCA条件を維持することができる。
    (4) 本実験の包装方法では, 多くの条件が組み合わされているのでフィルムのガス透過性と包装量にゆとりを持たせる必要がある。
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