園芸学会雑誌
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63 巻, 4 号
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  • 塩崎 修志, 植田 栄仁, 尾形 凡生, 堀内 昭作, 河瀬 憲次
    1995 年 63 巻 4 号 p. 703-710
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    In vitroにおいてブドウ'デラウェア'子房の生長に対するジベレリンA3 (GA3) とインドール酢酸(IAA) の相互作用について試験を行った. GA3は子房新鮮重量のかなりの増大を引き起こした. GA3の子房新鮮重量の増加に及ぼす効果は, その濃度が高くなるにつれ高まった. 一方, IAAとオ-キシンの前駆物質であるトリプトファン (Trp) は子房新鮮重量の増加に対して, ほんのわずかな効果しか示さなかった. GA3とIAAの混用添加はGA3およびIAAの単用添加より著しく新鮮重量を増大させた. 9から10週間の培養後, 子房新鮮重量はGA3およびIAAの単用添加区では無添加区の1.08から1.56倍であるのに対して, GA3とIAAの混用添加区では無添加区の1.85から2倍にまで増加した. GA3とTrpの混用添加の子房新鮮重量の増加に及ぼす効果は, GA3とIAAの混用添加とほぼ同じであった. これらの結果は, GA3の子房生長に対する効果はIAAよりも高く,そして, IAAやTrpはGA3の効果を増大させることを示す.
    GA3およびGA3とTrpの混用添加により誘起された子房の生長は, ナフチルフタル酸 (NPA) や2,3,5-トリヨード安息香酸 (TIBA) などの抗オーキシン剤により部分的に抑制された. 子房新鮮重量の増加の誘起に加えて, GA3は子房のIAA様物質含量をかなり増加させた. これらの結果から, GA3の子房生長に対する効果は, GA3本来が持つ作用のみならず, 改めて合成されたIAAとの共働作用に帰すると思われる.
  • 塩崎 雄之輔, 荒川 修, 菊池 卓郎
    1995 年 63 巻 4 号 p. 711-718
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    マルバカイドウ台木リンゴ'ふじ'の"弘大方式"主幹形樹 (栽植距離5m×3.5m) の樹冠内光条件と果実の分布特性について調査した. 樹の中心を通り樹列方向, 樹列と90度および45度方向の4枚の垂直格子面 (1区画が0.5m×0.5m) の各交点において, 曇天条件下で光量子センサーを用いて光合成有効光量子束密度の瞬間値の樹冠内相対値 (%INPPFD) を測定した. 果実数の測定も格子面において行った.
    樹列と45度の樹冠断面には約70%-80%の果実が分布し, 樹冠下部の主幹付近にまで多くの果実が着生していた. この樹冠断面における%INPPFDの等値線は, 頂部の不明瞭なやや扁平な形状を示し, 樹冠の上面および側面からの光がともに樹冠下部まで入りやすい状態になっていると推察された. これは最下段側枝を樹列と45度に配置して水平から45度上方に長く伸ばし, それより上方の側枝を格段に短く抑える独特の樹形によりもたらされたものと考えられた. 果実生産に適した光条件を備えた樹冠の厚さは, 著者らが前報で開心形樹について報告した値と同じく平均1.7mであった.
  • 山下 裕之, 羽生田 忠敬, 柴 寿
    1995 年 63 巻 4 号 p. 719-724
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    本研究は4倍体のブドウ'巨峰'に2倍体を交配し,胚培養による3倍体獲得率の向上について検討を行った. 2倍体の花粉親として'リザマート'および'赤嶺'を用いた.
    胚は交配後60~70日に無菌的に摘出し生長調節物質を含まないMS基本培地に植え付けた. 魚雷型胚および成熟胚では高い発芽率を示したが未熟胚 (球状胚およびハート型胚) と異常胚は発芽率は非常に低かった. そこでMS培地からアンモニウム塩を除いた修正MSにカゼイン加水分解物を250,500,1000mg•liter-1加えた培地に置床したところ, 発芽率が高められた.
    多くの発芽胚は, 発芽用培地 (MS基本培地) に放置した場合, 生長が停止した. そこで, 初代培養30日後にBA (0.2,2,5mg•liter-1) を添加したMS培地に移植することにより展葉個体または多芽体が得られた. 多芽体からは多数のシュートが得られそれをMS培地に移植し発根させ, 順化し実生個体を得た.
    以上のことから胚培養により成熟した胚からは100%近くの高率で実生個体が得られ, また未熟胚からも低率 (約10%) であるが実生個体を得ることができ, 雑種獲得の効率を向上させることが可能となった.
  • 彰 抒昂, 岩堀 修一
    1995 年 63 巻 4 号 p. 725-738
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    花芽分化におけるのCa2+の役割を究明するために,ニホンナシ噺水'の短果枝上の芽を材料にし, ピロアンチモン酸カリでCa2+を沈殿する方法とEGTA処理により電子顕微化学的にCa2+の検出を行った.1.花芽分化の進行に伴ってCa2+粒子の密度と大きさ, および局在性は顕著に変化した.
    2.Ca2+粒子密度は細胞の分裂活性の程度によって異なった. 短果枝上の芽においては6月5日までは粒子数は少なく, しかも細胞中の色素体のみに存在した. その後, 粒子数は増加したが, 花芽が分化する直前に一時的に減少した. 6月26日, 茎頂の内体細胞が活発になった時, 粒子数は急激に上昇して最高になった. しかし, その後は7月3日, 7月10日と減少し, 7月17日萼片原基分化時に最も少なくなった.
    3.花芽分化の前には細胞核中のCa2+粒子の密度は低く, その密度の増加は形態的な花芽分化が始まる兆候であった. 核内においてCa2+は主に核液中に分布し, 核仁の顆粒区域と核仁から放出されたようにみえる物質中にも存在したが, 核仁の繊維区域と染色体および集団クロマチンには存在しなかった.
    4.細胞壁はCa2+粒子の主な分布場所であったが,花芽分化開始後細胞内Ca2+粒子密度が高い時期には細胞壁のCa2+粒子は逆に減少した. 一方, 液胞中には通常Ca2+粒子が極めて少ないが, 細胞中のCa2+粒子密度が急激に上昇した時には, 液胞中にもCa2+が一時的に多量に分布した.
    5.色素体は6月5日までCa2+粒子の大部分をその中に保持し, それ以後においてもやはりCa2+粒子の主な分布場所であったが, 細胞内Ca2+粒子密度が急に上昇した6月26日には, 色素体内のCa2+は,逆に減少した. これに対して, ミトコンドリアとゴルジ体および小胞体中のCa2+粒子は細胞質のCa2+粒子密度と同じように変化し, 6月26日の花芽分化後に, 明らかに増加した.
    6.Ca2+粒子の大きさは花芽分化の進行によって小さくなり, 7月10日に最小の状態になった. その後, Ca2+粒子密度が急速に低下することに伴って,粒子径は逆に増大し, 大きい状態で存在した.
    7.これらの結果を基に, ニホンナシの花芽分化における細胞中Ca2+の役割について考察した.
  • 粟村 光男, 正田 耕二, 比良松 道一
    1995 年 63 巻 4 号 p. 739-743
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    人工培地上でイチジクの花粉を発芽させるため, 雌花の柱頭分泌液の添加効果について検討した.
    10%ショ糖を添加した寒天培地に'桝井ドーフィンの雌花を置床し (2~3本/cm2), 5°~15°Cで3時間拡散させた後, カプリ系'VC-180'の花粉を置床して,25°~30°Cで7時間程度培養したところ, 70%以上の高い発芽率を示し, 花粉管伸長も順調であった.
    この場合, 桝井ドーフィンの雌花としては, 横径20~32mmの秋果から採取したものが最適であった.また, 'VC-180'の夏果の熟度がかなり異なっていても, 花粉の発芽率には全く差がみられなかった.
  • 矢羽田 第二郎, 大庭 義材, 桑原 実, 松本 和紀
    1995 年 63 巻 4 号 p. 745-752
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    根域制限を行った早期加温栽培の'宮川早生'を供試し, 摘果時に葉果比15および10の2区を設けて, 着果負担の違いが樹体の水分ストレス, 収量, 果実品質に及ぼす影響について調査した. また, 収穫後の樹体内の炭水化物含量の変動と再加温後の着花量との関係についても調査を行った.
    1.6~7月の土壌pF値は両区とも3.4~3.6と高く, 特に葉果比15区で高く推移した. 葉果比15区は葉の水ポテンシャルが低く, 落葉数も多く, 樹体は強い水分ストレス状態になった.
    2.果実のBrixは, 摘果後から収穫期まで葉果比15区で高かったが, 果重は葉果比10区の方が大きく,収量も葉果比15区の1.3~1.4倍であった.
    3.収穫直後の樹体内の炭水化物含量をみると, 結果枝の糖含量は葉果比10区が15区より少なくなったが, デンプン含量については差がなかった. 次に細根のデンプン, 糖含量についてみると, 両区間には差は認められなかった. さらに, せん定後の夏枝の発生数や長さについても区間差はなかった. 10月下旬, 11月下旬における夏枝のデンプン含量については, 葉果比10区が15区より少なかったが, 12月上旬に加温した後の着花数には有意差は認められなかった.
  • 児島 清秀, 高原 利雄, 緒方 達志, 村松 昇
    1995 年 63 巻 4 号 p. 753-760
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    カンキツ各種台木の特性についてつぎの知見を得た.
    1. 9月以降, カラタチ, ヒリュウ, 'トロイヤー'シトレンジおよび'ラスグシトレンジの実生は伸長が止まったが, シイクワシャーとラフレモンは伸長を継続した.
    2.'市文早生と'ユーレカ'レモンを接木した上述の台木の根の総伸長量はいずれも, 7月から10月にかけて急激に増加した. 接木後20ヵ月で解体し, 地上部の総伸長量, 枝と葉の生体重を調査した結果, シイクワシャー台の生育が最も良好で, 次いでカラタチとラフレモン台で, 不良であったのはヒリュウ, 'トロイヤー'シトレンジおよび'ラスク'シトレンジ台であった. いずれの台木とも, '市文早生'よりも'ユーレカ'レモンを接木した方が生育が良好であった, 根の生育は, 地上部とは異なった傾向を示し, '市文早生'を接木した場合カラタチ台が良好で, 'ユーレカ'レモンを接木した場合'ラスク'シトレンジ台が不良であった. TR率は, いずれの台も'ユーレカ'レモンを接木した方が高い値で, 特にシイクワシャー台で3.0と高かった.
    3.カラタチ, ヒュウおよびシイクワシャーの地上部と根の内生ABA, IAAおよびGAを定量した. 地上部の内生ABA濃度は, カラタチが最も高く, 次いでヒリュウ, シイクワシャーの順で, 地上部の内生IAAとGAは, いずれの種類でも同程度の濃度であった. 根の内生ABA濃度は, カラタチとシイクワシャーより, ヒリュウで少し高く, 内生IAA濃度はシイクワシャーで他の約3倍高かった. 根の内生GA濃度はカラタチが他の約3倍高かった.
  • Aussanee Paksasorn, 早坂 朋子, 松井 弘之, 小原 均, 平田 尚美
    1995 年 63 巻 4 号 p. 761-766
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ウメ果実の発育に伴うポリアミンおよびACC含量の変化を測定した結果, 両者ともに, 果実の発育初期にピークを示したが, その後ジューン•ドロップ終了期にかけて減少した. しかし, それ以後は果実が収穫されるまでポリアミンおよびACC含量ともにほとんど変化しなかった.
    収穫後, 果実中のポリアミン, 特にスペルミジン(Spd) 含量は急激に減少したが, スペルミン (Spn),プトレシン (Put) 含量の変化はみられなかった. ただし, ACC含量とエチレン発生量は収穫3~4日後にピークを示した.
    収穫20日前の樹上果実に対するポリアミン処理は,無処理果実に比較して果実の落下や収穫後のエチレン発生量を抑制した.
  • 浦上 敦子, 永井 信, 吉川 宏昭
    1995 年 63 巻 4 号 p. 767-772
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    北海道でのアスパラガス露地栽培における収量性や若茎品質の早期検定の可能性を明らかにする目的で養成期2年間, 収穫開始後4年間の各年次間の相関を調査した. その結果, 収穫開始前年までの茎葉調査結果によって, 品種間の収量性の優劣あるいは若茎の規格内1本重の大小を推定することは難しかった. 収穫2年目の収量•特性調査からは収量性, 若茎1本重, 頭部のしまりなどの特性の優劣の推定が可能であった.慣行の収穫期間での収穫1年目の収量から4年間の累積収量の品種間の優劣を推定する事は難しかった. 反復間の収量の変動が著しく大きくない程度に長期間収穫できれば推定できる可能性があると考えられた. 規格内1本重, 若茎頭部のしまり状態については収穫1年目の収穫物の調査結果からの推定は可能であった.
  • 村上 賢治, 木村 学, 松原 幸子
    1995 年 63 巻 4 号 p. 773-778
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    サトイモ (Colocasia esculenta Schott) 品種'えぐいも'のカルスから単離したプロトプラストの培養および植物体再生技術を開発した.
    1. プロトプラスト培養の材料に適した柔らかいカルスは, 黄化茎の切片を30g•liter-1ショ糖, 2mg•liter-1,4-D+2mg•liter-12ipおよび2g•liter-1ジェランガムを添加したMS培地で培養することにより誘導した. このカルスは, 同組成の新しい培地に継代培養すると増殖を続けた.
    2. プロトプラストは, カルスを振とう培養して得られた懸濁培養細胞を酵素処理することにより, 容易に単離された. 酵素液の組成は, 1g•liter-1ペクトリアーゼY-23+5g•liter-1セルラーゼオノズカRS+5mM MES+5mM CaCl2•2H2O+0.5Mマニトールとした.
    3. プロトプラストの培養は, 1/2濃度のMS無機塩, Kao and Michayluk (1975) の有機物に, 種々の濃度のNAA, BA, 2ip, 0.1Mグルコースおよび0.3Mマニトールを添加した液体培地で行った. これらのうち2mg•liter-1BAを添加した培地でプロトプラストを培養すると多くのコロニーが形成された.
    4. プロトプラスト由来のコロニーを0.2mg•liter-1NAA+2mg•liter-1BAを添加したMS固体培地 (2g•liter-1ジェランガムで固化) に移植すると,コロニーからカルスが形成され, 同組成の培地でさらに継代培養すると苗条が再生した. この苗条を切取り,ホルモン無添加のMS固体培地 (2g•liter-1ジェランガムで固化) で培養すると発根した.
    本研究で開発されたサトイモのプロトプラスト培養技術は, 今後再分化率の向上などを図ることによって,細胞融合や遺伝子導入を利用した新品種育成のための,有効な基礎技術となり得ると考えられた.
  • 井上 興一, 横田 弘司, 牧田 勝〓
    1995 年 63 巻 4 号 p. 779-785
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    外生アスコルビン酸ナトリウムの導入によるL-アスコルビン酸 (AsA) 含量の豊富な葉菜類生産を目的とし, 実用化への基礎資料を得るために本研究を行った. 水耕法で栽培されたサラダナを収穫直前に採取し,高濃度のL-アスコルビン酸ナトリウム (NaAs) 溶液の入ったフラスコで浸漬処理をすることにより, サラダナ葉部のAsA含量を増加させることが可能であるかを検討した. 得られた結果は, 以下のとおりである.
    1. 処理液のNaAs濃度が上昇するに伴い, 根の吸水力が低下し, NaAs-2000ppm区のサラダナに明らかな萎凋が認められた.
    2. 高濃度のNaAs浸漬処理によって, 葉部ではNaAs-1000ppm区において対照区の約3.5倍の,NaAs-2000ppm区においては約4.7倍のAsA含量がそれぞれ認められた.
    3. 5°Cで3日間貯蔵後の両NaAs処理区のサラダナの外観的様相は, 対照区と同様であった. また, この両処理区のAsA含量は収穫当日の場合に比べ, 大きな低下は認められなかった.
    4. NaAs-1000ppm, NaAs-2000ppm両処理区とも葉部のK, Ca, Mg含量は, 対照区と同様であった.このことから, 24時間の高濃度のNaAs浸漬処理によって, 葉部のミネラル成分が低下することはないと判断された.
    以上のことから, この処理法によってAsAを豊富に含むサラダナの生産の可能性が示されたが, 実用化にあたっては, さらにAsAの効率的導入法を検討する必要があると考えられた.
  • 荻原 勲, 志村 勲, 石原 邦
    1995 年 63 巻 4 号 p. 787-795
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    スイートコーン'ハニーバンタム36'を用いて, 雌穂先端部における登熟不良粒の発生要因を物質生産から検討するため, 剪葉, 遮光および間引き処理などを行い, 雌穂先端部における発育不良粒, 特に登熟不良粒の発生に及ぼす影響, さらに, 同化産物量の多少とその分配について明らかにしようとした.
    1. 雌穂先端部の登熟不良粒の発生は対照区に比べて剪葉区および遮光区で大きく, 間引き区および疎植区で小さくなった. 発育不良粒の発生率は登熟不良粒の発生率との間に有意な高い相関関係があった.
    2. 登熟期に間引き区処理および遮光処理によって総乾物重が変化すると, 雌穂や穎果へ供給される同化産物量が変化した. 登熟不良粒の発生率は同化産物量の多少に伴って変化し, 雌穂先端部の発育不良部位長や発育不良粒の発生率に影響を及ぼすことが明らかとなった.
    3. 生育前期は同一栽培条件とし, その後に遮光および間引き処理した場合, 発育不良粒の発生率は登熟期間中の乾物増加量と密接に関係していた.
    4. 生育前期は異なる栽培条件とし, その後に同一栽培条件とした場合, 発育不良粒の発生率は生育前期の乾物重と関係していた. また, 生育前期の乾物生産量が高いほど登熟期間中に生産された同化産物が雌穂部に多く分配された.
    5. 同化産物の雌穂内での分配は雌穂下部に比べて上部で著しく少なかった. 登熟期に遮光処理すると,雌穂基部や下部穎果への分配が大きく, 上部や先端部穎果への分配が小さくなった.
    6. 登熟期間中の乾物増加量に差異がないのに雌穂重, 発育不良粒の発生率に相違がみられた. これは同化産物の雌穂部や先端部穎果への転流が少なかったことが原因であった.
    以上の結果から, 雌穂先端部における登熟不良粒の発生は登熟期間中の乾物生産量と関係しているが, 登熟期前の同化産物量の多少や登熟期で生産された同化産物の雌穂への転流, 特に雌穂先端部への転流が関係していることが明らかとなった.
  • 市村 一雄, 小田 雅行
    1995 年 63 巻 4 号 p. 797-803
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    木材パルプ (植物組織培養用パルプ製支持体) の抽出液がレタス, トマト, ネギ, ダイコン, エンドウおよびキュウリの種子伸長に及ぼす影響を調べた. 種子根は抽出液を含む溶液中で生長させた. エンドウ以外の試験したすべての野菜の種子根伸長はパルプ抽出液により促進された. 最も効果がすぐれていたのはレタスであった. レタスはそれに加えて結果が安定しており, 取り扱いが容易であったため, 以下の実験に用いた. レタスの根伸長は水耕液 (園試処方) によっても促進されたが, パルプ抽出液の方が促進効果は著しく高かった. グルコースあるいはスクロース溶液は根伸長にほとんど影響を及ぼさなかったが, これらの糖溶液に抽出液を添加することにより根伸長は著しく促進された. これらの結果よりパルプ抽出液に含まれる根伸長促進物質は, 栄養源としての無機イオンおよび糖質でないことが示唆された. 抽出液に含まれる促進物質のエタノールへの溶解性を調べると, 促進物質はエタノールに不溶性であった. エタノール不溶性画分をSephadexG-25カラムで分画し, その活性画分をさらにBio-GelP-2カラムを用いて分画したところ, 活性は低分子領域の3画分にみられた. これらの結果より,パルプ抽出液に含まれる根伸長促進物質は少なくとも3種類存在しており, これらはいずれも低分子で, 非常に高い極性をもつことが示唆された.
  • 山崎 篤, 三浦 周行
    1995 年 63 巻 4 号 p. 805-810
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    低温遭遇中に8, 16および24時間の日長処理を30,45および60日間行い, ネギ'金長'および'長悦'の生育および抽台に及ぼす日長の影響について検討した.8時間日長に比較して, 24時間日長は両品種において草丈と出葉数を増加させたが, 16時間日長は長悦'において草丈を増加させたが, 金長の生育にはほとんど影響を及ぼさなかった.
    30日処理区においては, 抽台率が長日によって減少した. すなわち, '金長'では8時間日長区で77%が抽台したのに対し, 16時間日長区では抽台率が54%,24時間区ではわずか16%であった. しかし, 処理期間が長くなるに従って, 抽台率は増加して長日による抽台抑制効果は低下し, 60日処理区ではほとんど差がなかった. '長悦'においても, 処理期間を延長した場合, 長日による抽台率減少効果が低下した. また,長日は両品種において抽台を遅らせ, 抽台までの出葉数を増加させた.
    これらのことから, ネギの花芽分化は低温下において短日により促進されるが, 十分な低温遭遇がこの短日による促進効果を減少させていると考えられた. 従って, ネギの花芽分化において短日は条件的要求であり, 長日による花芽分化抑制が低温によって打ち消されるものと考えられる.
  • 宮崎 正則, 佐藤 宏, 奥 正和, 後藤 隆子
    1995 年 63 巻 4 号 p. 811-817
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    新加工用イチゴ品種'ベニヒバリ'は, 'アメリカ'に'宝交早生'を交配して得られた交雑実生から1989年に選抜されたものである.
    'ベニヒバリ'の草姿は開張性で, 草丈と葉数は'アメリカ'と同程度である. 収穫時期は5月中旬から6月上旬で, 'アメリカ'よりもかなり早い.
    'ベニヒバリ'の果実は円錐形で, 鮮赤色であり, 光沢がある. 果肉は鮮紅色で, 'アメリカ'より硬い. 糖度と酸度は'アメリカ'と同程度である. 株当たりの果実収量は579gで, 'アメリカ'に比べてわずかに低い.
    'ベニヒバリ'の成熟果を片手で引っ張ると, へたは果柄に残り, へた無し果実が容易に収穫される. このへた無し果率は'アメリカ'に比べて相当高い. へた跡部位は健全で, 果実は'アメリカ'のように急速に軟化することはない.
    'ベニヒバリ'の果実は畑で腐敗しにくく, 腐敗果率は10%以下で, 'アメリカ', '宝交早生'に比べてかなり低い.
    'ベニヒバリ'の果実から製造したジャムの品質は'アメリカ'および'宝交早生'のジャムに比べて優れている. 色は鮮赤色で, 果実は柔らかく残り, 香り, 食味の官能評価点も高い.
    以上から, 'ベニヒバリ'は加工用露地栽培に適すると考えられる.
  • 田代 洋丞, 大山 知泰, 岩元 芳行, 野田 ルミ, 宮崎 貞巳
    1995 年 63 巻 4 号 p. 819-824
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ワケギ (Allium wakegi Araki) の起源に関するこれまでの細胞遺伝学的研究の結果から, この植物は雑種起源であり, 両親はネギ (A. fistulosum L.) およびシャロット (A. cepa L. Aggregatum group) であることが明らかにされている. そこで, 本研究ではワケギの細胞質の由来を追究することにより母親および父親を明らかにするために, ネギ, シャロット, 両種の正逆雑種およびワケギを供試して葉緑体DNAのRFLP分析を行った. 制限酵素としてSma I, Pvu II, Xho IおよびBgl IIを用いた場合にネギとシャロットの種間で明瞭な多型が観察された. また, ネギとシャロットの正逆雑種はそれぞれの母親と同じ制限パターンを示した. さらに, 日本, 韓国, 中国, 台湾およびミャンマーから収集したワケギ9系統はすべてネギとまったく同じ制限パターンを示した. 以上の結果から, ワケギの母親はネギであり, 父親はシャロットであることが実証された.
  • 岡崎 桂一, 川田 穣一, 国重 正昭, 村上 欣治
    1995 年 63 巻 4 号 p. 825-833
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ヒメユリを用い小輪系アジアティックHb. を育成するため, アジアティックHb. とヒメユリの交雑親和性,F1個体への戻し交雑親和性などを調査するとともに,得られた雑種の切り花特性など実用性を調査した.
    1.通常交配ではアジアティックHb. とヒメユリの交雑では結実しなかった. ヒメユリ×アジアティックHb. の交雑では, 通常交配の他, 花柱切断受粉法を用いても結実しなかった.
    2.花柱切断受粉法を用いたアジアティックHb. ×ヒメユリ, チョウセンヒメユリとの種問交雑では, すべての組合せにおいて結実率は100%であった. しかし, 得られた種子を土壌に播種したが, 発芽しなかった. 交雑種子は, 異常胚乳を持つか, まったく胚乳を欠いているほか, 胚は1~6mmのカルス状などの奇形胚であった. 子房あたりの胚の数は0.5~21.0個,交雑した26組合せの子房あたりの平均胚数は5.1個であった.
    3.エゾスカシユリ×ヒメユリの交雑では, 交雑胚は, やや湾曲した奇形胚でその大きさは4~6mmで,比較的正常胚に近いものであった. 胚乳は, ゼリー状であり土壌に播種したが発芽しなかった.
    4.胚培養では, 交雑組合せによって, 雑種胚の生存率に差がみられた. 24組合せで胚培養を行ったが,その生存率は平均で47.4%であった.
    5.雑種を子房親として戻し交雑した場合, ヒメユリの花粉で交雑したときにのみ種子が得られた. 一方,両親を子房親として雑種の花粉で戻し交雑した場合は,雑種の花粉稔性 (25~100%) は高かったが, アジアティックHb. ×雑種の場合のみ高い親和性が得られた.
    6.戻し交雑で得られた種子のおよそ半数は外見的に異常が見られ, 土壌に播種したところ, 発芽率は20.3~34.0%であった. 戻し交雑で得られる胚を胚培養したところ, 実生が得られる率は著しく向上した.
    7.雑種は, 草姿, 花容は交配親の中間型であるが,花は比較的小輪, 草丈が高性, 細葉であるため, 全体的な草姿はヒメユリにやや近かった. 促成栽培では,開花期は3月下旬 (12月25日定植), 抑制栽培では11月上旬 (9月7日定植) であった. 雑種は十分切り花や交配母本として用いられるものと思われた.
  • 小山 佳彦, 宇田 明, 和田 修, 藤野 守弘
    1995 年 63 巻 4 号 p. 835-842
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    改植時期 (5月中旬~6月上旬) につぼみ段階で採花した切り花を用いて, 盛夏期に高品質のカーネーションを出荷するための貯蔵前処理液について検討した.
    1. STS単独の貯蔵前処理液は, 品種'ノラ'と'コーラル'の貯蔵12週後の品質保持期間を増加させたが,STS+しょ糖の前処理液は, 液の吸収量が少なかった'コーラル'では品質保持期間の増加効果がやや劣った.
    2.'ノラ'の花弁組織中の糖は12週間の貯蔵中,葉組織から転流してきた糖により一定濃度に維持された. 0.3mM STS+10%しょ糖の前処理は, 貯蔵中の花弁組織中の糖濃度を最も高くしたが, 品質保持に促進的な効果は観察されなかった.
    以上の結果, 貯蔵期間が12週であれば, STS単独の前処理液で盛夏期に品質保持期間の長い高品質の切り花が得られることが明らかになった.
  • 新美 芳二
    1995 年 63 巻 4 号 p. 843-852
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    萌芽間もないササユリの母球を堀り上げ, 組織培養による増殖と形成された子球の移植条件について調べた.
    1.母植物を実験圃場より採集し, りん茎, 未展開葉, 茎に分離した. りん片および葉ではその基部付近,茎では先端部分から外植体を調整し, それらをMurashige•Skoog (1962) の無機塩培地と数種類の有機物, しょ糖を含む基本培地にNAA1.0mg•liter-1,BA0.1mg•liter-1添加した培地で培養した.
    各外植体の子球形成数, 子球重および汚染率の結果から, 初代培養の外植体として葉切片がよいことがわかった. また, 葉切片の子球形成はNAA0.5mg•liter-1,BA0.05mg•liter-1の添加で促進されることもわかった.
    2.無菌培養中の子球から分離したりん片を培養した結果, これらのりん片からの子球の形成および成長にはNAA0.1mg•liter-1, BA0.01mg•liter-1が適していた, またりん片当たりの子球形成数を増加させるためにりん片を分割して培養したが, りん片当たりの子球数の増加はわずかであった.
    3.出葉開始時期, 最終出葉率, 子球と根の生長および子球の腐敗率の結果から, 試験管内で培養した子球を圃場に移植する前に12週間の4°Cでの低温処理が必要であることがわかった.
    4.圃場への移植時に100mg未満の子球は培養期間中の明•暗条件に関係なく腐敗しやすく, 100mg以上の子球でも暗条件下で培養した子球は明条件下で培養したものと比べ腐敗する子球が多かった.
    5.移植時に300mg未満の子球は培養中の光環境条件で関係なくすべて地中型植物 (HTP) となった.試験管内で400mg以上に生長した子球では, 明条件で培養した子球はほとんど地中型植物であったが, 暗条件のものはほとんどすべて地上型植物 (ETP) となった. これら地上型植物が開花するまでには少なくとも2年間の圃場での栽培を必要とした.
  • 土岐 健次郎, 勝山 信之
    1995 年 63 巻 4 号 p. 853-861
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    サルスベリの花色育種に関する基礎資料を得る目的で, 紅色~紫色の変異機構の解明を試みた. 結果は以下の通りである.
    1. シアニック系67個体の測色で, 紅色系 (b/a,-0.183~+0.165) と紫色系 (同, -0.785~-0.442) に大別された.
    2. 生花弁の吸収スペクトル測定では, 紅色系は524~544nm, 紫色系は, 555~570nmにλmaxがあり,紫色系において360nm付近に強い吸収が観察された.また, E360/EVIS.maxとb/aの間には, 高い負の相関(r=-0.897***) がみられた.
    3. 含有する主要アントシアニンは, 紅色, 紫色ともDp3G, Pt3GおよびMv3Gであった. これら3色素の量比は, 大きく変異するが, 全体でみるとb/a値との間には相関関係はなかった. ただし, 紅色系に限るとMv3G比 (Dp3G比) とb/aには負の (正の) 相関がみられた.
    4. 花弁細胞液のpHの測定値は, 4.2~5.1の範囲で, 変異した. しかし, これと花色には, 有意な相関はなかった.
    5. 粗抽出水溶液を酢酸エチルと振って分画し, 水分画に酢酸エチル分画を加えることにより, 吸収極大は長波長側にシフトし, 逆に粗抽出液を酢酸エチルで洗浄することにより, 短波長側に移動した.
    6. TLC分析により, エラグ酸誘導体と考えられる物質が, 特に紫色花弁に多量含まれることより, この物質がサルスベリの花の青色化に関係する主要なコピグメントの一つであると推定された.
  • Nyoyen J. L. Roxas, 田代 洋丞, 宮崎 貞巳, 一色 司郎, 竹下 昭人
    1995 年 63 巻 4 号 p. 863-870
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    約200年前から熊本地方で育成•保存されて来た肥後ギク品種群をin vitroで保存する方法を開発するために, 肥後ギク培養物の生存および生長に及ぼす温度,光およびその他の培養条件の影響を調査した.
    培養温度が培養物の生存に及ぼす影響は顕著で, 培養1年後の生存率の最大値は5°C区で100%, 15°C区で60%, 25°C区で53%および25°-15°-5°C区(25°Cで10日間および15°Cで10日間前培養後, 5°Cで培養) で100%であった. 15°C区および25°C区では培養物の生長が比較的旺盛であり, 培養1年後には老化, 褐変あるいは枯死した培養物が多かったが,5°C区および25°-15°-5°C区では生長が緩慢で, 老化•褐変が遅く, 生存率の最大値は2年後でもそれぞれ100%, 71%であった. 5°C区では暗黒下が照明下より草丈は低かったが, 生存率は高かった. 節切片は頂芽より生存率が高く, 節に着生する展開葉の葉身を切除した方が培養に好都合であった. 12×75mmの試験管に入れた1mlのホルモンフリーMS培地に節切片を植え付け, 5°Cで培養すれば, 2年間は移植あるいは培地の追加をしなくても, 培養物の生存が十分に保証された.
    以上の結果から, 簡便で安全な肥後ギクのin vitro保存法を確立することができ, 現在, 21品種を本法で保存中である.
  • 吉岡 博人, 樫村 芳記, 金子 勝芳
    1995 年 63 巻 4 号 p. 871-878
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    低温貯蔵 (0°C, 5ヵ月間) したリンゴ果実 (品種,'スターキングデリシャス') の細胞壁抽出液から,ヒドロキシァパタイトカラムクロマトグラフィーによってβ-D-ガラクトシダーゼ活性4つ (GA-aseI, II,III, IV) とα-L-アラビノフラノシダーゼ活性1つ(AF-ase) が検出された.
    カラムで分離された個々のGA-ase画分は, リンゴの細胞壁から調整したポリウロナイドとカラマツ材由来のアラビノガラクタンを分解してガラクトースを遊離する活性を含んでいた. GA-ase II画分とIII, IV画分は, アラビノガラクタンを分解してガラクトースを遊離する活性を含んでいたが, GA-ase Iはアラビノガラクタンを分解しなかった. AF-ase画分はポリウロナイドとアラビノガラクタンを分解してアラビノースと少量の他の糖類を遊離する活性を含んでいた.
    GA-ase IIとIII, IVの活性は貯蔵中の軟化に伴って徐々に減少した. GA-ase IとAF-aseの活性は収穫時には検出されず, 貯蔵中に出現して増大した.
    これらのリンゴに含まれるガラクトースやアラビノースを遊離する活性は, 軟化中における細胞壁のポリウロナイドやアラバン, ガラクタンの分解と可溶化に関与しているかもしれない.
  • 浜渦 康範, 茶珍 和雄
    1995 年 63 巻 4 号 p. 879-886
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    緑熟段階で収穫されたトマト果実を20°, 30°および35°Cで貯蔵し, 各温度区に変温処理を行った.
    1.20°→30°Cおよび20°→35°C区は20°C一定のものに比較して赤色の鮮やかさが劣り, また, フィトエンおよびリコピン含量が低かったが, 20°→30°Cでは一時的にカロチン類の増大がみられた. 逆に, 30°→20°Cおよび35°→20°Cでは変温後, 着色が顕著に進行し, 20°C区と同様に赤くなった.
    2.リコピンの前駆体であるフィトエン, フィトフルエンおよびζ-カロチンのカロチン類中に占める割合は20。C貯蔵で最も大きかった剤30°→20°Cおよび35°→20°C処理区では, 20°C貯蔵区に比べてそれらの前駆体の割合は低く, リコピンの割合は高かった.
    3.β-カロチンは30°Cで含量およびその異性体含有率とも高くなったが, 20°→30°Cに変温後の含量の増加は認められなかった.
    4.α-トコフェロールは30°および35°Cで含量が高くなり, 20°Cではほとんど増加しなかったが, 30。→20°Cおよび35°→20°C処理区では含量の増大がみられた.
    以上より, リコピン, β-カロチンおよびα-トコフェロールの生合成経路はそれぞれ温度に対する反応が異なり, それらの経路に及ぼす高温ならびに変温処理の影響は, 共通の前駆物質の各経路への流れを変化させるものであると推察した.
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