水文・水資源学会誌
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11 巻, 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 青山 俊樹
    1998 年 11 巻 2 号 p. 97-98
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 啓助
    1998 年 11 巻 2 号 p. 99-108
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
    ザンビア中部のチネナ村において,灌漑や生活用水のために掘られた浅井戸の地下水を採取・分析した.当村には季節的に浸水する浅い線状の凹地であるダンボが4カ所ある.ダンボ地域の地下水の一部は,肥料や農薬によって汚染されている.台地上の地下水は流下に伴い蒸発しており,地下水の酸素同位体組成は上流より下流で重くなる.さらに,流下に伴う土壌とのイオン交換によって,地下水の陽イオン組成が変化する.上流ではアルカリ土類金属が優占するが,下流ではNa+が優占する.地下水中のNa+濃度とCl-濃度の相関が良く,HCO-3濃度とMg2+,Ca2+濃度との相関が良い.このことから,NaCl型とMgCO3,CaCO3型の地下水が存在すると考えられる.
  • 浅沼 順, ブルッツアート
    1998 年 11 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    地表面の非一様性が大気-地表面過程にどのような影響を与えるかが,本論文の主題である,非一様な地表面が乱流統計値に影響を与えるか否か,また影響があるとしたらどの程度かについては,未だに研究者間の論点である,そこで本論文では,局所自由対流に関する相似則理論を用いて,チェスボード型の地表面フラックス分布を仮定した理論的解析を行い,地表面の非一様性の乱流統計値に与える影響を定量化した.解析の結果,平均値の無次元鉛直勾配および無次元分散値のいずれもが,非一様な地表面上では一様な地表面上とは異なる値を取ることが明らかにされた.また,温位(能動的スカラー)と比湿(受動的スカラー)では,乱流場における役割の違いから地表面の非一様性に対して異なる反応をし,比湿の方が地表面におけるフラックス分布に対する感度が高い.さらに,分散は平均値の無次元鉛直勾配よりも感度が高い,具体的には,本論文で扱った非一様性の程度の範囲内においては,平均値の無次元鉛直勾配は一様地表面における値とほとんど変わらなかった.比湿は,潜熱フラックスと顕熱フラックスの各々の非一様性に依存するだけでなく,両者のフラックス分布の位相の違いにも影響を受けることがわかった.このような能動的スカラーと受動的スカラーの地表面の非一様性に対する反応の違いは,両者の相似性が崩れることを意味し,さらに受動的スカラー同士もそのフラックスの起源の地表面分布によっては,相似性が崩れることを示唆している.
  • 松山 洋
    1998 年 11 巻 2 号 p. 117-127
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    日本有数の豪雪地帯に位置する新潟県巻機山において,1996年11月から1997年6月にかけて積雪密度と積雪水当量の調査を行なった.調査範囲は標高600mから1,550mにかけてである.この調査年は記録的な少雪であったが,それでも融雪期の標高1,550m地点で得られた積雪水当量約2,500mmは,豪雪年であった1984年春の,宝川理水試験地におけるほぼ同じ標高での観測結果に匹敵する. 直線回帰式より得られる,高度による積雪水当量の増加率は融雪期には約2mm/mとなり,既存の研究と比べてかなり大きな値になった.また,積雪水当量の高度分布について直線回帰式と軸対象の2次曲線による回帰式を比較したところ,降雪期・融雪期ともに後者の標準誤差は前者の3分の1程度になり,非線形回帰の方が積雪水当量の高度分布をよりよく再現していることが分かった. さらに,融雪期の積雪観測に伴う誤差について検討した.その結果,(1)積雪密度のサンプリングを1回で済ますこと,(2)一定の全層平均密度を仮定して積雪深のみを観測すること,(3)積雪観測を1地点で代表させること,(4)積雪の表層密度の観測だけから全層平均密度を推定すること,のいずれにもほぼ同じ大きさの誤差が生じ,それは積雪深1mにつき積雪水当量60~70mmになることが明らかになった.
  • 中山 幹康
    1998 年 11 巻 2 号 p. 128-140
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    メコン川の流域国4か国は1995年4月5日「メコン川流域の持続的開発協力に関する協定」に調印した.同協定の交渉過程では,流域国であるタイとベトナムの確執に起因する交渉の行き詰まりを打開するためにUNDP(国連開発計画)が仲介役を務めた.国際流域における流域国間の係争に国際機関が仲介役として過去に成功を収めた例としては,インドとパキスタンによる係争を世界銀行が仲介した結果,1960年に「インダス川条約」が締結されたことが知られているのみであった.「インダス川条約」と「メコン川流域の持続的開発協力に関する協定」の交渉過程を比較すると,流域国および仲介役を演じた国際機関が置かれていた状況について幾つかの類似点が見られる.国際機関が国際河川における流域国間の係争に仲介役として機能し,かつ流域国を合意に導くために満たすべき要件としては,(a)流域国が係争の解決を指向し,かつ国際機関による仲介が不可欠であるとの認識を流域国が持つ,(b)特定の国際機関が先進国や援助機関の利益代表としての立場を保持する,(c)統合的な流域管理計画に固執しない,などを挙げることが出来る.
  • ユリアヌール アルフィアンシャ, 吉田 弘, 端野 道夫
    1998 年 11 巻 2 号 p. 141-149
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    Hortonの提案した遮断モデルでは,蒸発係数および蒸発強度は定数とされてきた.しかしながら現地観測や実験を通して蒸発強度は概ね降雨強度に比例するという知見が報告されており,降雨遮断量の大半を占める降雨中蒸発量の算定において,森林微気象の影響を考慮すべきと考えられる.この点を踏まえ,本研究ではHortonのモデルを基礎にして,蒸発強度に降雨強度の影響を考慮するとともに,蒸発強度算定の基礎としてHamon式による可能蒸発散量を採用した簡易回帰モデルを開発した.本モデルを徳島県白川谷森林試験流域で観測された林外雨量,樹冠通過雨量,樹幹流下量ならびに気温データに適用したところ,降雨イベント単位で良好に降雨遮断量を推定することができた.特に雨量要素間での回帰式に基づく伝統的な回帰モデルでは十分に表現できていなかった梅雨期や台風期でき月蒸発量について大幅な推定精度の向上が示された.
  • 賈 仰文, 玉井 信行
    1998 年 11 巻 2 号 p. 150-163
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    分布型モデルを開発して,東京都の水・熱収支を統合して解析した.計算格子内の土地利用の非均質性を表現するためにはネスティング法を採用した.蒸発散の推定にはPenman-Monteith方程式を,顕熱フラックスの算出には空力学的方法を,また地表面温度を効率的に算出するためにはForce-Restore法を使用した.大雨時には一般化したGreen-Ampt浸透モデルを適用して浸透と地表流出を算出し,その他の気象条件では不飽和土壌中での水分の再配分を計算した.水平方向の地中の水輸送に関しては,2次元飽和地下水流れの方程式を解いた.このため,地下水位が表面流出と熱フラックスに与える影響などを検討することが可能となった.なお,解析結果の妥当性は,下水処理場への流入水量と東京タワーでの風速,気温から算出される顕熱フラックス及び多摩川石原流量観測所の流量に対する検証により確認された.その結果,都市化と気象変化(1992~1994年)が東京都の水・熱収支に大きな影響を与えることがわかった.
  • 松山 洋
    1998 年 11 巻 2 号 p. 164-174
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    日本国内の山岳地域でこれまでになされた,高度による積雪水当量の増加率(係数a)に関する研究成果をとりまとめた.ここでは,文献に係数aの値が明記してあるもの,もしくは文献に表の形で高度と積雪水当量の関係が示されており,これから回帰直線と係数aの値が客観的に求められるものを取り上げた.取り上げた山岳・流域は全部で36におよび,それらは北海道から琵琶湖周辺まで,中部山岳地域を除いてほぼまんべんなく分布している.積雪調査数の経年変化には,1950年代と1970年代後半~1980年代中頃にピークが見られる.前者は水資源としての積雪が重要であった時代,後者は研究機関による調査が進んだ時代である.また,これまでの積雪調査は3月に行なわれた例が圧倒的に多く,1シーズンを通して積雪調査が行なわれることが望まれる.
  • 中村 公人, 堀野 治彦, 三野 徹
    1998 年 11 巻 2 号 p. 175-179
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    逆解析によって圧力水頭を変数とする土壌の不飽和透水係数を推定する方法を示した.パラメータ同定は,圧力水頭の実測値と計算値の差をもとに行った.ここでは,高さ約1mの土壌カラムを用いた重力排水試験から圧力水頭を測定した.実験は,豊浦標準砂(中央粒径:0.2mm)と相馬珪砂(中央粒径:0.8mm)について行った,排水試験から同定されたパラメータを用いて計算した圧力水頭変化と実測値は,両砂ともよく一致した.本方法は,粒径の小さな土壌だけでなく,定常法で測定不可能な粒径の大きい土壌に対しても,その不飽和透水係数を有効に推定できることがわかった.
  • 谷田貝 亜紀代, 中村 健治, 清水 収司, 沖 理子, 可知 美佐子, 古川 欣司, 渡辺 一幸, 広島 和弘, 西村 修, 鈴木 靖, ...
    1998 年 11 巻 2 号 p. 180-182_1
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 近藤 昭彦, 新藤 静夫, 石山 隆, 唐 常源, 佐倉 保夫
    1998 年 11 巻 2 号 p. 183-184
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 立川 康人
    1998 年 11 巻 2 号 p. 185
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 野口 正二
    1998 年 11 巻 2 号 p. 186
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 11 巻 2 号 p. 187
    発行日: 1998/03/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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