水文・水資源学会誌
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15 巻, 4 号
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  • 福嶌 義宏
    2002 年 15 巻 4 号 p. 343-344
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 鳥羽 妙, 太田 岳史
    2002 年 15 巻 4 号 p. 345-361
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    森林における水循環を考える上で遮断蒸発量を定量的に評価する事が必要となる.そこで本研究では日本とシベリアのアカマツ林とカラマツ林における観測結果をもとに樹冠構成要素を表す指標であるPAI(Plant Area Index)と林内降雨特性の関係を求めた.さらにその関係を用いて降雨の流動過程を連続して的確に把握するためのモデル化を行った.モデルはタンクモデルタイプである.モデルでは林外降雨量,林内降雨量の観測結果からパラメータを決定し,観測値と計算値の遮断蒸発量の検討を行なった.また,林内降雨量の時間変化の検討および,樹液流速度の測定結果から推定された樹冠の乾いた時刻とモデルで推定された時刻との検討を行った.観測結果から,PAIが2.27~4.44の森林での林内降雨量の林外降雨量に対する割合は66~86%となり,PAIが大きくなるにつれて樹木の貯水容量を示す値が大きくなった.これらの結果をもとに作成したモデルは,遮断蒸発量と林内降雨量の時間変化と樹冠の乾きに関する再現性において良好なものとなった.さらに,モデルのシミュレーションでは,降雨強度が強いほど遮断蒸発量は気象条件に影響されなくなり,降雨強度が強いほど遮断蒸発率に対するPAIの影響が小さくなった.
  • 田村 隆雄, 吉田 弘, 端野 道夫
    2002 年 15 巻 4 号 p. 362-370
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
    溶質流出モデルの構築に向けて,山地森林流域における溶質の長期流出特性を評価するために,徳島県白川谷森林試験流域で得た水文水質観測資料に著者らの研究グループが開発した森林水循環モデルを適用した.その結果,微生物や植生などの生物学的影響が渓流水質に季節変化を与えるような長期の溶質流出過程においても,短期洪水イベントと同様に各種雨水流出成分の構成比が渓流水質に最も大きな影響を与えており,雨水の流出過程を的確に表現するモデルを基礎として溶質の流出過程をモデル化する必要性が示された.さらに土壌水質の変化を検討した結果,溶質の鉛直浸透と側方流出のメカニズムは異なっており,数理モデル化において考慮に入れるべきことが示唆された.
  • 満倉 真, 貞本 均, 中津 川誠
    2002 年 15 巻 4 号 p. 371-380
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    茨戸川は,石狩川の河口に近いところへ合流している.その流域は低平で石狩川の背水の影響が流入支川にまで及ぶ感潮河川であるため,洪水の危険性が高い.そのため,石狩川との合流点に逆流防止水門が設置されている.この水門の操作や防災体制のために洪水予測が不可欠である.潮位の影響を強く受ける河川であるため,洪水流量を予測して水位に変換する方法では,適切な水位―流量関係式を設定することが難しい.そこで,本報告では,石狩川からの逆流防止のために設置されている水門操作に必要となる水位予測にNearest-Neighbor法を適用し,6時間先までの実時間予測を行った.この結果,Nearest-Neighbor法はある種のパターンマッチングのような非常に簡便な予測手法であるにもかかわらず,上流観測点との水位相関による予測よりも良い結果が得られた.
  • 牛山 素行
    2002 年 15 巻 4 号 p. 381-390
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    豪雨時には,住民一人一人がその雨はどの程度激しいのかを理解することが,早期避難などの防災上重要であり,利用しやすい情報の整備が必要である.本研究では,この理解を支援することを目的とし,携帯電話からも参照できる日本全国のリアルタイム豪雨表示システムを開発・公開した(http://www.disaster-i.net/rain/).このシステムでは,全観測所の1時間降水量,24時間積算降水量などが表示され,最新の観測値だけでなく,過去最大値との差も見ることができることが特徴である.災害時などの通信混雑時にも容易にアクセスできるよう,ほぼすべての情報は文字で表示し,グラフも文字(記号)によって作成した.システム公開後の6ヶ月のアクセス状況を集計したところ,トップページのアクセス回数は1日平均306回,最大日で3078回,最多アクセス日の全ページへのアクセス回数総計は21500回であった.これは同じ日の国土交通省「川の防災情報」(www.river.go.jp)のアクセス回数の2%に相当する.また,本システムはいくつかのホームページ評価サイトや新聞に取り上げられており,このシステムはすでに社会的に評価され,実用的なものになっていると言っていい.
  • 主成分分析による河川水質形成機構の解析
    鵜木 啓二, 長澤 徹明, 井上 京, 山本 忠男
    2002 年 15 巻 4 号 p. 391-398
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    農業流域で融雪期ほぼ全期間にわたる水質調査を行った.河川水質のN,P,SSおよび主要イオン濃度連続データについて主成分分析し,水質変動を3主成分に統合した.湧水と表面流去水水質から,これら3主成分は,水質成分が河川に流出する際における流出形態(溶存態/懸濁態)と流出経路(地表面/地下)を表すと解釈できた.すなわち,第1主成分が地表面経路による溶存態成分の流出,第2主成分が高流量時における懸濁態成分の流出,第3主成分が地下経路による溶存態成分の流出を示すと考えられた.求められた主成分のうち,とくに第1,第3主成分の性質は,農業的土地利用が高度に進んでいること,河川間際まで農地が広がり河川周辺に畜舎が存在することなど,流域の農業活動を密接に反映していた.
  • 長短期流出両用モデルとの比較
    多田 明夫, 浪平 篤, 田中丸 治哉, 畑 武志
    2002 年 15 巻 4 号 p. 399-412
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
    本研究では,水質解析への応用を目的とし,長短期流出の再現性を重視して,山林小流域へのTOPMODELの適用について検討した.適用結果について,長短期流出両用モデル(LST-II)との比較を行った.この結果,長期流出の再現性ではLST-IIが最良であった.ただし,洪水波形を重視した短期流出においては,速い中間流出の発生を考慮した修正TOPMODELが最良である.長短期流出の再現性は相対誤差を除き,修正TOPMODELとLST-IIで同程度であるが,パラメータ数とモデル内部の貯留部の数が少ないことから,修正TOPMODELが水質モデリングのフレームモデルとして有利であると考えられた.また,TOPMODELの地表流追跡計算で,流下経路を最大傾斜方向のみ考慮する方法と全傾斜勾配方向を考慮する方法が考えられたが,TOPMODELを小流域に適用する場合では最大傾斜方向について評価すれば十分であることが確認された.
  • 松山 洋, 泉 岳樹
    2002 年 15 巻 4 号 p. 413-427
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    水収支が閉じると考えられる1996年1月~1998年12月を対象に,阿蘇山周辺の流域水収支について検討した.まず,数値地図1kmメッシュを用いて,阿蘇火砕流堆積物が連続的に分布し,流域間で地下水流動が起こっていると考えられる9流域を抽出した.次に,流域ごとに,レーダーアメダス解析雨量と流出高の年間の残差を算定し,これらを,気象官署での熱収支を基に,土地被覆と標高を考慮して分布型で推定した流域蒸発散量と比較した.その際,国土数値情報1/10細分区画土地利用データとLandsat TMデータ(1998年5月22日撮影)を用いて,事前に行なっておいた地表面被覆の分類結果を利用した. 9流域における年降水量と年流出高の残差は流域蒸発散量よりも大きい.これは,観測・算定誤差を考慮してもなお説明できない違いであり,レーダーアメダス解析雨量が過大評価されていることが原因だと考えられる.そこで,周囲23地点のAMeDASデータを用いてレーダーアメダス解析雨量を補正してから年間の残差を求めたところ,この9流域平均値は誤差の範囲内で流域蒸発散量と一致した.しかしながら,加勢川,緑川,大分川流域についてはなお,年間の残差と流域蒸発散量の間に有意な違いが見られた.このうち,緑川と大分川流域における水収支の不一致は,本研究で初めて明らかになったことである. 大分川流域における水収支の不一致から,阿蘇西麓台地だけでは水収支が閉じていない可能性が示唆される.つまり,この地域における広域水収支を考える際には,中部九州全体を解析対象とする必要がある.
  • A Consideration of Necessity to Organize “Asian Association of Hydrology and Water Resources”
    虫明 功臣
    2002 年 15 巻 4 号 p. 428-434
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
  • 横尾 善之, 山敷 庸亮, 仲江川 敏之, 飯田 真一, 鈴木 善晴, 大楽 浩司, 安田 浩保
    2002 年 15 巻 4 号 p. 435-438
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 小川 健太
    2002 年 15 巻 4 号 p. 439
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 15 巻 4 号 p. 440
    発行日: 2002/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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