水文・水資源学会誌
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15 巻, 6 号
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  • 第8期学会長に就任して
    楠田 哲也
    2002 年 15 巻 6 号 p. 553-554
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • ムルング デオグラティアス, 椎葉 充晴, 市川 温
    2002 年 15 巻 6 号 p. 555-568
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    降雨遮断に対する三種類のモデル(Deardorffのべき関数式を用いたRutterのモデル,Deardorffのモデル,修正近藤モデル)に気象外力を与えて一年間のシミュレーションを行い,その結果を比較した.それぞれの降雨遮断のモデルには,ペンマンーモンティース式を組み合わせた.修正近藤モデルは,水収支を構成する種々の要素を考慮したものであり,降雨イベント間の蒸発散機構も取り入れられている.この蒸発散の計算には,Deardorffのべき関数式,キャノピーでの貯留量の変化,キャノピーからの流出が考慮されている.ペンマンーモンティース式は蒸発散量を決定するうえで核となる部分である.この式は日本あるいは試験流域で広く適用されており,本研究においても,降雨遮断モデルの比較の基礎として用いることにした.本研究では有効降雨に着目していることから,水収支のコントロールボリュームはキャノピーの上端から地表面までの間としており,水収支の計算には土壌水分量や蒸散量は含まれていない.モデルの計算結果から,森林キャノピーからの蒸発量は全降水量の22%から29%となることが明らかとなり,また,モデル間の差異は冬季の計算で大きくなることも明らかとなった.冬季は降水量が少なく,キャノピーの貯留量や降水量がポテンシャル蒸発量を満たさなくなるために,モデル間の違いがはっきり現れたものと考えられる.年間の有効降水量は総降水量の71%から78%,年間の蒸散量は727mmから733mm程度と算定された.また,修正近藤モデルにべき関数式を適用したところ,蒸散量の値には大きな影響が,蒸発量の値には若干の影響が見られた.修正近藤モデルによる計算結果は他の二つのモデルの結果とほぼ同等であり,水文モデルに対する時間単位の入力を算出するために使用できると考えられる.モデル間の蒸発散量の違いは,主として樹冠通過率と貯留量流出量関係の定式化の違いから生じている.
  • 西岡 昌秋, 宝 馨
    2002 年 15 巻 6 号 p. 569-583
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    本研究は,43年間174個の流域平均2日雨量と47年間117個の洪水ピーク流量を用いて,水文頻度解析における毎年最大値系列(AMS)を使う方法と閾値超過系列(PDS)を使う方法の比較を行ったものである.豪雨や洪水を対象に統計解析を行い,これらの事象の発生を取り扱う場合に,その生起時間間隔の季節性を考慮することが重要であることを示した.これらの事象の発生過程は,統計的時系列解析でしばしば仮定されるポアソン過程とは実際には異なることに留意しなければならない. 次に,閾値を超過する水文事象の生起時間間隔の確率分布とその水文量の確率分布とを考慮したモンテカルロシミュレーションによる数値実験を行った.生起時間間隔の分布としては,季節性のないポアソン過程にもとづく指数分布を用いる場合と,豪雨や洪水が発生する季節性を考慮した経験分布を用いる場合について比較検討した.この結果,わが国の豪雨や洪水といった明確な季節性をもつ水文事象に対して,単純にAMSを抽出し,一般化極値(GEV)分布をあてはめて確率水文量を推定する場合,過大な確率水文量が求められる可能性が高いことを示している.ただし,PDSとしての水文事象の一年間の平均生起個数が4個程度以上であるか,もしくはAMS解析とPDS解析による確率水文量の結果が一致する場合には,AMSに適用した一般化極値(GEV)分布は精度の良い確率水文量を与える.
  • 芳賀 弘和, 大槻 恭一, 小川 滋
    2002 年 15 巻 6 号 p. 584-593
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    広島県江田島流域での山火事後約20年間における基底流出量の変化について検討した.解析では,対照流域の日流出量が1.0mm/d未満であるときの山火事跡流域の流出量(低流出量とした)に着目し,季節別および低流出量の大きさ別にその変化を調べた.その結果,山火事後約20年間において,低流出量は季節や流出量の大小を問わず減少していた.ただし,その減少パターンは季節降水量により異なった.通常の降水量がある場合,低流出量の減少量は,春夏に最大となり,それに次いで夏秋,冬の順であった.また,小さい低流出量ほど減少量は少なかった.異常少雨の場合,夏秋における低流出量の減少量は多く,特に小さい低流出量において減少量は極めて多かった.これらの結果から,(1)植生回復に伴う蒸発散の増加が低流出の減少をもたらすこと,(2)蒸発散の増加により冬に土壌水分不足が生じること,(3)小さい流出量ほど蒸発散の影響を受けにくいこと,および(4)低流出量の大きさによって流出水の形成過程や流出経路が異なることが示唆された.
  • 濱田 洋平, 田中 正
    2002 年 15 巻 6 号 p. 594-604
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    溶存CO2の脱気とそれに伴うpHの上昇を抑えるため,tensionic法を用いた土壌水のpH測定法を開発し,その有効性を検討した.埋設型テンシオメーターに充填された蒸留水のpHは,他の溶存イオンに比べてすみやかに周囲の土壌水と平衡に達した.この事実は,溶液中におけるプロトンの特異な移動機構とそれに起因する高い拡散係数によって理論的にも支持された.溶存イオンが平衡するまでに要する時間は,土壌が乾燥しているほど長くなる傾向を示した.テンシオメーター内に貯留された水のpHは土壌懸濁液より低く,同じCO2濃度条件下に置いた純水が示す値より高くなった.測定されたCO2や溶存イオンの濃度から,前者はCO2の溶解,後者は陽イオン交換反応による結果であることが示唆された.以上のことからtensionic法を用いることにより,土壌中の高CO2濃度条件下における土壌水のpHを測定することが可能となる.
  • 清水 貴範, 小川 泰浩, 清水 晃, 宮縁 育夫
    2002 年 15 巻 6 号 p. 605-614
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    実験的に火山灰散布を行った裸地斜面における地表面流出量観測データを用いて,単純な応答型モデルの再現性とパラメータの特性を比較するとともに,出力されたパラメータを用いて降雨イベント毎に急激に変化する地表面特性について検討した.用いたモデルは,有効降雨算出モデルとして,タンクモデル(Yamakoshi and Suwa, 2000)とHortonの浸透能経験式を模したモデル(白木,1997),流出波形決定モデルとして,キネマティックウェーヴ法とタンクモデルである.モデルの出力値の再現性は,有効降雨モデル間ではほとんど差が無く,流出波形モデルではキネマティックウェーヴ法を用いた場合に,若干再現性が低下した.観測期間中10分間雨量が最大であった降雨イベントに対し,有効降雨モデルで得られたパラメータを当てはめて総流出量を比較した結果,どちらの有効降雨モデルからも共通に,散布火山灰の影響が急激に小さくなった時期が示された.モデルとそのパラメータの特徴を検討した結果,有効降雨モデルではHortonの浸透能経験式を模したモデルのパラメータが,直接的に地表面浸透特性について表現しているため,観測斜面の地表面流出結果を考察するうえでより有効であることが分かった.また,流出波形モデルでは,キネマティックウェーヴ法はパラメータが粗度係数の情報を保持している点が,タンクモデルは収束までの計算量が少ない点が,利点であった.
  • 田中 広樹, 太田 岳史, マキシモフ トロフィム, 檜山 哲哉
    2002 年 15 巻 6 号 p. 615-624
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    東シベリアのカラマツ林における乱流観測で得られた樹冠上の熱フラックスの和は,森林が受け取る有効エネルギーの80%程度であり,群落コンダクタンスの変化ついての解析から,少なくとも潜熱フラックスを過小に評価していることが示唆された.気温変動および比湿変動と鉛直風速とのコスペクトルの解析から低周波域の比較的大きな渦によるフラックスへの寄与が見積もられていないことが推察された.比較的スケールの大きな渦も含めた大気混合によるエネルギー輸送を考え,移流フラックスを流入大気と流出大気のエネルギー差と移流体積の積と定義した.東シベリアのカラマツ林の気温と比湿の鉛直プロファイルの日変化から,流入大気を樹冠上の大気,流出大気を林幹部の大気と仮定し,移流フラックスを見積もった.その結果,単位時間単位面積あたりの移流体積は大気が不安定の時に大きく,安定の時に小さい傾向を示し,その平均値はおよそ0.06m-3m-2s-1であった.見積もられた移流フラックスの平均的な日変化は,顕熱フラックスでは日中に正で夜間に負であり,潜熱フラックスは常に正であり,午前中に大きく,午後に小さかった.顕熱移流フラックスの平均値は顕熱渦フラックスの11%,潜熱フラックスについては54%であった.その結果,東シベリアカラマツ林の生長期における総蒸発散量はおよそ233mmと見積もられ,凍土を含めた土壌からの水の供給が推察された.
  • 山口 高志
    2002 年 15 巻 6 号 p. 625-635
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 牧田 広道
    2002 年 15 巻 6 号 p. 636-641
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 牧田 広道
    2002 年 15 巻 6 号 p. 642-646
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 細田 育広
    2002 年 15 巻 6 号 p. 655-656
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 安形 康, 上野 健一, 江守 正多, 沖 大幹, 鼎 信次郎, 蔵治 光一郎, 甲山 治, 立川 康人, 徳地 直子, 生駒 栄司, 内田 ...
    2002 年 15 巻 6 号 p. 659-664
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 中井 裕一郎, 三枝 信子, 平野 高司, エバンス ロバート, 大谷 義一, 平田 竜一, 鳥山 敦, 北村 兼三, 鈴木 覚, 山本 晋
    2002 年 15 巻 6 号 p. 665-672
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 15 巻 6 号 p. 673-674
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 甲山 治
    2002 年 15 巻 6 号 p. 675
    発行日: 2002/11/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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