林分辺材面積(
AS_stand)は,樹液流計測により林分蒸散量を推定する際に不可欠な要素である.
AS_standは,一般的に各試験地において作成された胸高直径(
DBH)-単木辺材面積(
AS_tree)関係式に,全木の
DBHデータを入力することで算定される.日本のスギ林とヒノキ林において適用可能な一般性の高い
DBH-
AS_tree関係式を作成するために,
AS_treeデータを収集した.その結果,試験地間でその関係に大きな違いは認められなかった.収集した全データを回帰することで,スギにおいて
AS_tree = 10.0
DBH-41.5 (
DBH<30 cm),
AS_tree = 19.1
DBH-314.8(
DBH>30 cm),ヒノキにおいて
AS_tree = 8.2
DBH-27.4(
DBH<32 cm),
AS_tree = 19.1
DBH-374.7 (
DBH>32 cm)なる関係式を得た.これらの関係式を用いた場合の
AS_standの平均推定誤差は,スギ林で5 %,ヒノキ林で8 %であった.本研究で作成した
DBH-
AS_tree関係式を用いることで,スギ林とヒノキ林の
AS_standを簡便に推定することが可能である.
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