水文・水資源学会誌
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27 巻, 4 号
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巻頭言
原著論文
  • 佐藤 李菜, 林 武司
    2014 年 27 巻 4 号 p. 158-169
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
     近年,日本の都市で発生する水害は内水によるものが中心となっている.日本の典型的な都市域である東京都東部では,毎年のように小規模な浸水が発生し,さらには繰り返し浸水が発生する箇所が見受けられる.そのため,下水道や雨水の浸透貯留対策に目を向けるだけでなく,浸水箇所の地形や土地被覆といった特性からも内水氾濫が発生する可能性を検討することが重要であると考えられる.本研究では,武蔵野台地東部を対象に,過去に浸水が発生した箇所の地形・地理的特性を数値化し,浸水箇所におけるこれらの特性の値による主成分分析の結果をもとに,浸水箇所と類似する地形・地理的特性をもつ地域を対象地域から抽出した.さらに,本手法を検証するため,別の地域において同様の手法で対象地域の浸水箇所と類似する地形・地理的特性をもつ地域を抽出した.その結果,過去に発生した浸水箇所の大部分が抽出した地域に含まれていた.これらのことから,浸水箇所がもつ地形・地理的特性によって,内水氾濫が起こり得る危険性がある地域を抽出することができる可能性が示された.
  • 佐々木 翔太, 山田 正, 山田 朋人
    2014 年 27 巻 4 号 p. 170-181
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2015/04/08
    ジャーナル フリー
     本研究は人体における放射性同位体の原子数,放射能強度,内部被曝総量を計算するために複雑な人体のメカニズムを必要としない,水文学的モデルを用いた理解容易な方法論を提案することを目的とする.国際放射線防護委員会による既往研究は人体を忠実に再現した厳密なモデルが採用され,放射線医学の専門家の間では標準的なモデルと考えられている.既存の方法は厳密であるが,水文学の研究者を含む一般の研究者にとっては非常に複雑で全体を理解するには困難である.本研究は放射性同位体の経口摂取による被曝を,人体を単一の組織と見なして計算した.この手法によって複雑な人体のメカニズムを考慮せずに,人体における放射能強度について,ホールボディカウンタによる実測値と本研究によって得られた解析解が同等の結果を与えることが示された.
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