構造格子を用いた地表水流れの平面二次元計算では,実地形では存在しない疑似的な窪地が発生する.本研究ではその窪地に四近傍窪地と名付け,山地を対象として,その窪地による潜在的な最大貯留量について検討した.その結果,DEMの解像度が低いほど四近傍窪地による貯留量が多いこと,またその多くが河道に相当するセルで発生することを明らかにした.また,平地での高解像DEMを対象とした検討も行った結果,四近傍窪地に起因する貯留は領域全体に広がるが,その水深は浅く,窪地の深さが浅い場合には氾濫計算で予測される浸水深さの分布に与える影響は大きくないことが予想された.
人新世に入り,人間活動が地球環境に大きな影響を及ぼした結果,世界各地で水に関わる数々の問題が表出している.それらの影響や問題を理解,予測し対応するために,人間活動と水システムを一体的に捉えその動態を理解しようとするより実証的な学問として誕生したのが「社会水文学」である.この新たな学問が誕生して約10年が経ち,社会水文学の全体像やフレームワークが徐々に姿を現しつつある一方で,社会水文学を舞台とした水文学者と人文・社会科学者との協働を通して,水の学際研究の課題あるいは可能性が指摘され始めている.本論は,これまでの社会水文学の展開とそこで明らかとなってきた水の学際研究の課題あるいはその可能性を整理した上で,日本で水の学際研究を推進する上での視座の提供を試みた.ここまでの水の学際研究の課題として「共通言語の欠如」,「分野による科学哲学の差異」,「時空間・主体のスケール問題」といった課題があることを指摘し,それらの課題に対して日本(あるいはアジア)で水の学際研究を進展させるための「価値システム」「ガバナンス」「文化」「歴史」の4つの要素からなる概念を提示し,それぞれの要素について解説を行なった.
4名とも「若手のページ」の編集担当から2年が経ちました.新たに「発想のたまご」を担当するにあたり,本号では4名の所信表明をさせていただきます.
本号より,本学会誌「若手のページ」の編集委員が新しくなりました.編集方針を示すと共に,編集委員の4名が所信表明をさせていただきます.
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