近年, 南西諸島では大規模な農地造成により, 大量の土砂が沿岸海域に流出し, サンゴ礁, 藻場などの生態系を壊し, 沿岸の景観, 漁業に深刻な影響を及ぼしている。流域の負荷軽減対策に資するため, 宮良川おいてSS, 窒素等の濃度測定と河川流量調査を3年半にわたり行った。先行降雨5.5mm/dを境界に, 2つの
LQ式から年間のSS流出量を求め, 各1つの
LQ式から窒素とリンの流出量を求めた。それらは, SS1, 882t (畑地侵食深: 0.2mm), 窒素68t, リン7tと推定された。同流域で年間の家畜排泄物および施肥に由来する窒素, リンの投入はそれぞれ364t, 159tであり, 海洋への負荷は窒素で19%, リンで4%相当の値であった。
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