環境に配慮した圃場整備事業が各地で取り組まれているが, 広島県中央部で実施中の圃場整備事業地区においても, 事業区域内で見つかった希少生物の保護のため, 関係団体が連携し, さまざまな取組みを行っている。今回紹介する事例は,「ヒョウモンモドキ」という全国的にも希少性の高い「蝶」の生息地が, 圃場整備事業区域内に含まれていたことから, 地元を含めた関係団体との協議の結果, ビオトープとして当該区域を保護することとなった地区事例である。ここでは, 保全対象種の選定から取組みに至る経緯, 保護対策工法の検討, ならびにビオトープの具体的な施工内容と施工時の配慮内容について紹介する。なお, 保護対象が希少種のため, 乱獲を防止する意味で, 位置の特定に繋がる記述は避けている。
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