農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
77 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
 
  • 荘林 幹太郎
    2009 年 77 巻 5 号 p. 347-352,a1
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    農村振興など地域の特性を踏まえた政策が必要とされる分野においては,地方自治体による独自の政策立案が重要である。しかしながら,農業農村整備分野における地方自治体の独自事業の内容はもとより,その創設の誘因についての分析はほとんど行われてこなかった。農業農村整備分野においては独自事業が創設されにくい事情があることから,分析事例が少ないことが背景にあると考えられる。本報では,独自事業の意義および分類を示した後,独自事業の誘因についての分析枠組みを提示する。その枠組みによって,滋賀県の独自制度についての事例分析を行い,自治体による独自事業の創設誘因およびそれに関する実証的研究の枠組みの一案を提供することを試みるものである。

  • 丸山 利輔, 中島 史雄, 勝山 達郎, 有川 光造
    2009 年 77 巻 5 号 p. 353-357,a1
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    本報は,石川県において,森林環境税を設置することにより,手入れ不足の人工林を整備し,それが契機となって,過疎地域の雇用を創出した経緯を述べたものである。税の新設には,何よりも県民の理解が重要であるが,このための「いしかわ森林環境税基金条例」の制定や,「税の使途」を森林の公益的機能に限定し,森林整備後20年間の皆伐や転用規制,40%の強度間伐条件下での森林所有者との合意形成の努力がこの制度の成否の鍵となった。そのその結果,毎年約2,000haの森林整備が実施され,過疎地に新たな雇用を創出し,過疎地の活性化に貢献しつつある。

  • 矢口 正, 渡邊 正弘, 佐藤 和徳, 髙野 晃一
    2009 年 77 巻 5 号 p. 359-362,a1
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    山形県は,平成20年度産水稲収穫量が全国第6位を誇る米の主産地で,これにより県内食料自給率が100%を上回る数少ない県となっている。本県では,生産基盤の整備に早くから取り組み,水田の圃場整備率は73%と他県に比して高水準にある。一方,稲作への依存度が高く,米価の下落や生産調整拡大の影響が大きいため,畑作への転換と産地化が求められている。さらに,農村部では高齢化による農業者数の減少や人口流出などによる地域コミュニティの弱体化が懸案となっており,これらの課題解決のため,地域と共に考える活性化の推進や土地改良区の経営改善に向けた検討など,山形の地域特性を踏まえた独自の取組みについて紹介する。

  • 小谷 正浩, 北宅 久友, 杉田 和繁
    2009 年 77 巻 5 号 p. 363-366,a1
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    大阪府では都市農業および農空間を守り育てるため,基本理念のほか府独自の3つの制度を盛り込んだ「大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例」を平成20年4月に施行した。条例に定める制度のひとつである「農空間保全地域制度」では,府,市町村,農業委員会と土地改良区,地域住民等が連携して農空間の保全と遊休農地の解消に取り組み,府内農地の約12%を占める遊休農地(約1,700ha)を10年間で半減させることを目標としている。平成20年度には,営農条件の改善による自己耕作の再開や資源・景観作物の栽培のほか,農地保有合理化法人が持つ機能を活用した農地の貸し借りの促進や遊休農地を活用した土地改良区の市民農園開設等によって23haの遊休農地が解消される見込みである。

  • 福与 徳文, 遠藤 和子
    2009 年 77 巻 5 号 p. 367-372,a2
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    いま農村地域を活性化する上で求められているのは,「仕掛け人」と呼ばれるような地域づくりコーディネータの育成である。地域づくりのための人材支援に関しては,人員を配置したり,そのための予算的措置を講じたりするだけでは十分とはいえず,地域づくりのノウハウや技術を取得した人材をいかに育成するかが鍵を握る。茨城県常陸太田市「わがまち地元学事業」では,市職員や一般市民に対して地域づくりのためのワークショップ研修等を実施して地域づくりコーディネータを育成し,育成されたコーディネータが実際に地域づくり支援を実践している。ここで用いた研修プログラムは,①市内の先発事例を見学して集落点検ワークショップ等の効果を確認し,②ワークショップに関する基本的知識を講義で学び,先発事例地区を題材にした実習でワークショップに関する技術を習得し,③実際の地域で学んだ技術を試みてマスターするというものである。このプログラムで重視したのは,ワークショップ研修の準備(地域住民との交渉,道具の購入や地図の作成など)を研修生自身が行うという点である。

  • 有田 博之, 大串 和紀
    2009 年 77 巻 5 号 p. 373-377,a2
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    中国が2005年から取り組み始めた新農村建設事業の調査に基づく報告である。調査は2007年に山東省青島市,遼寧省瀋陽市で行った。新農村建設は,既存の村落を対象とする生活・生産環境整備であるが,従来の村鎮建設が地方の小都市の整備を目的としていたのと異なり,末端農村を対象としている点に最大の特徴がある。三農問題の解決の主要な手段として位置付けられており,多くの可能性を感じさせる一方で,中国の体制や制度の下で生起している課題を垣間見ることができた。本報では調査をもとに,新農村建設の特徴・課題の検討に併せて農

  • 柚山 義人, 土井 和之
    2009 年 77 巻 5 号 p. 379-382,a2
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    つくば3Eフォーラムでは,つくば市からの温室効果ガス排出量を2030年までに半減するための取組みを始めた。資源作物からの液体燃料製造,家畜排せつ物や生ごみのメタン発酵,稲藁・もみ殻等のガス化発電,高密度緑藻類培養,森林の保全等を合わせると約4.7%を削減できるポテンシャルがあると試算した。また,各種バイオマス変換技術の適用効果を概算し,つくば市バイオマスタウン構想の策定,産学官民参加のモデル実証実験の実施,適正技術の段階的適用からなる行動計画をワークショップにおいて定めた。耕作放棄地や遊休農地を活用し,研究機関が多いというつくば市の特性を活かしたバイオマスタウン構築を強い意志で展開したい。

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