農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
78 巻 , 10 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
 
  • 硲 登志之, 堀 明弘
    2010 年 78 巻 10 号 p. 823-826,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    滋賀県南部に位置する野洲市菖蒲,堤,須原,安治の4集落は,かつてクリークや沼が点在し,フナ,コイ,ナマズなど格好の産卵成育の場だったが,田舟などによる農作業や大雨が降ると浸水被害に見舞われるなど,農業活動に不利な地域であった。このため昭和40年代から湖岸道路の整備,河川改修,逆水灌漑,農地整備などが進められ,本地域の人びとは安心して安定した生活を送ることができるようになった。しかし一方では,琵琶湖と水田間の魚類の移動経路・機会の減少につながり,近年水田地帯の魚類は減少していった。そこで滋賀県では,これらを見直そうと「魚のゆりかご水田プロジェクト」を,行政と農家が連携して取り組んでいる。本報は,本地域でのこれらの取組み,取組みに至った経過,地域活動を進める上での留意点などを報告するものである。

  • 岡島 賢治, 鏑木 諒, 田口 譲
    2010 年 78 巻 10 号 p. 827-830,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    岐阜県恵那市中野方町坂折地区坂折川両岸に開かれた耕地は,谷の急傾斜を利用した石積み棚田となっており,美しい景観を創出している。NPO法人恵那市坂折棚田保存会は,1999年のこの地域の圃場整備計画を契機に,伝統的な石垣が作る良好な景観を保全することを目的に設立された。同会は,圃場整備時は丁寧な議論を行うことで,棚田景観の保全と圃場整備を調和して進めることを可能とした。また,圃場整備終了後も坂折棚田の景観保全を,地道な活動を多角的に取り組むことで鋭意推進している。特に農地内石垣の保全については,石積みの技術の継承を目的とした活動を行っており,石積み棚田保全地区のモデルとして参考となる事例であるといえる。

  • 守山 拓弥, 北澤 大佑, 田村 孝浩
    2010 年 78 巻 10 号 p. 831-834,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    本報文では,土地改良事業を契機に環境保全活動等が行われている栃木県西鬼怒川地区を対象に,NPO法人による取組みの特徴についてまとめた。これにより,NPO法人が地域の環境保全に果たしうる役割として,①行政の委託業務を受けられることから,施設の維持管理組織として機能できる,②多様な主体が参画することで,さまざまな発想が環境教育活動に活かされる,③環境教育活動と維持管理活動の実施主体が同じであることが,都市住民を管理作業に参加させることを可能にする,④維持管理活動や環境教育活動の取組みにより醸成された組織の風土が,環境保全活動へと発展する背景となっている,ことが明らかとなってきた。

  • 吉良 清加, 守山 拓弥, 皆川 明子, 志太 要一, 羽鳥 和也
    2010 年 78 巻 10 号 p. 835-838,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    三用川沿岸地区では,圃場整備事業を行う際に環境との調和に配慮するため,集落の代表者,小学校,専門家,行政機関で組織する「三用川沿岸地区生態系保全委員会」が立ち上がった。同委員会では,事業の中で,生態系保全施設に関する調査や配置・工法・維持管理の検討,生き物の保全活動を行った。この中で,特に地元の小学校が調査段階から積極的に取組みに参画し,児童の生き物調査への参加や,授業参観等で調査結果の報告会が行われた。事業後の現在は地域活動として,同委員会が中心になり「トンボ池」の維持管理と生き物調査が続けられている。本報告では,三用川沿岸地区における取組みを時系列で整理し,紹介する。

  • 小池 聡
    2010 年 78 巻 10 号 p. 839-843,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    岐阜県多治見市廿原地区は,表題にあるような典型的農村振興に成功した事例である。同地区は,十数年前までは水田の約3/4が耕作放棄されるという状況にあった。それが,圃場整備を契機に「廿原ええのお」という集落営農組織が設立され,今は耕作放棄地が5%程度にまで解消している。本報では,圃場整備への合意形成や集落営農の展開のあり方について調査・検討した。そこで明らかになったのは,地域ビジョンなき合意形成や創発的な担い手の生成である。これらは,目標像重視の“計画”ではなく,現在に生きる“設計”の営みといえる。地区では,今後,集落営農をサービス事業体として,また公益的に田園環境を保全する仕組みとして発展させていくことが課題となっている。

  • 中村 真人, 阿部 邦夫, 相原 秀基, 柚山 義人, 山岡 賢
    2010 年 78 巻 10 号 p. 845-849,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    メタン発酵を中核技術とするバイオマス利活用施設である山田バイオマスプラントの4年7カ月におけるトラブル記録の時期的な傾向を分析し,安定運転を実現するための情報として整理した。プラントの運転開始当初は想定以上のオガクズの混入や想定以上の低温など,設計が現実と合致していなかったことに起因する各種トラブルが発生した。また,2年目以降では消耗材,交換部品の交換が始まり,3年目からは部品の消耗や長期間運転の影響が原因とみられるトラブルが増加した。山田バイオマスプラントではさまざまなトラブルを経験し,その記録を整理し教訓とすることで,プラントの安定的な運転の実現を目指している。

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