農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
78 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
 
  • 川口 裕, 前田 和徳, 坂根 国博, 山﨑 勝幸
    2010 年 78 巻 3 号 p. 205-208,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    邑智西部区域特定中山間保全整備事業では,島根県浜田市旭町重富地区において,農用地の整備(暗渠排水)の附帯工事として,鳥獣害防止施設(イノシシ防護柵)整備を実施している。本報では,事業の実施に際し,農地・水・環境保全向上対策,中山間地域等直接支払制度と連携しつつ,地域住民参加型直営施工により鳥獣害防止施設整備を行うことで,集落全体の鳥獣害防止対策に取り組んだ事例について報告する。

  • 細川 吉晴
    2010 年 78 巻 3 号 p. 209-212,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    青森県下北半島の脇野沢村では天然記念物である北限のサルによる農作物被害が深刻であり,白神山地への入り口にある西目屋村ではサルによるリンゴ食害が多発している。青森県は,耐雪型のサル食害防止柵とし,前者では高張力鋼線ネットフェンスと電気柵,後者では菱形金網柵と電気柵を設置し10年ほど経過した。いずれも柵の設置後に食害は減ったが,一部ではサルの侵入も認められ,また,急斜面における菱形金網の弛みや柵柱の傾き,碍子の折損などの雪害も認められた。こうした雪害や電気柵の漏電を引き起こす要因は受益農家の柵管理意識の低さにもあったので,高齢化の進む中で柵補修を自前で行える方法についても言及した。

  • 谷本 和宏, 江島 直幸
    2010 年 78 巻 3 号 p. 213-216,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    本報は,農林水産省が「鳥獣被害防止対策の手引」の作成を目的に実施した,モデル集落での対策の試行や鳥獣被害対策の事例収集などの調査をもとにしたものである。同調査のうち,山間地域のモデル集落における住民参加型の調査から対策までの試行について記述する。モデル集落での調査は,現地踏査や聞き取り調査により地域に存在する被害の要因を細やかに把握し,地域住民の自助努力による持続的な取組みを推進するために,PDCAサイクルを意識して実施した。このモデル集落での調査は,約2年の期間に,現地踏査,聞き取り調査,学習会,対策検討会,現地対策実施,実施状況の確認等を行った。

  • 武山 絵美, 九鬼 康彰
    2010 年 78 巻 3 号 p. 217-220,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    共同電気柵による獣害対策を実施する中山間地域水田農業集落を対象に,被害実態調査やセンサーカメラによる加害動物の行動調査等を実施した。その結果,柵外縁の遊休農地は後背の森林等と耕作水田をつなぐコリドーの役割を果たし,加害動物の柵付近への接近を容易にしてその効果を低下させることがわかった。また,「荒廃地→畦畔(電気柵)→耕作水田」という土地利用パターンは,柵手前におけるイノシシの掘り返しにより畦畔の崩壊を招きやすく,侵入防止効果が低いこともわかった。これに対し,自然堤防のような高さをもつ自然地形への柵の設置は,柵手前の足場条件を悪化させるほか,柵内部に作物までの開空間を生み出すことから,侵入防止効果を相乗的に高める可能性を指摘した。

  • 弘重 穣, 中島 正裕, 千賀 裕太郎
    2010 年 78 巻 3 号 p. 221-224,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    野生動物による農業被害問題の解決に向けて,対策手法の研究が進んでおり,現在では手法をいかに実践していくかが課題となっている。里地での対策手法の要点は,野生動物に対して,①利用できる餌の量を里地から減らすことと(「餌付け防止」),②里地に近づくことへの警戒心を覚えさせること(「人慣れ防止」)が必要であるといわれる。そのためには地域全体で対策を進める必要があり,住民一人一人の「対策への動機付け」と「主体的な学習プロセス」を内包した形での対策手法の普及が地域全体で行われる必要がある。また,持続的かつ自立的な対策のためには,地域活性化につながるような取組みが求められ,また,地域社会システムの整備が求められる。

  • 神越 義範, 丸山 松廣, 水落 敏
    2010 年 78 巻 3 号 p. 225-228,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    富山平野の約1万1千haの地域を潤す基幹水利施設の横江頭首工および左岸連絡水路橋の改修・更新は,現在,主流となっているストックマネジメントに先駆けて実施された。両施設は,先人が優れた技術や英知を振り絞り,創意工夫して築造したものであり,施工に際して旧施設の構造・デザイン・機能・景観等を評価し,優れた点を後世に継承・発展することが重要である。平成20年度の事業完了に当たり,両施設の改修・更新に係る調査・検討の経過や,施工に当たり,景観・環境に配慮した対策の一部を紹介する。

  • 山下 正, 友正 達美, 山口 信司
    2010 年 78 巻 3 号 p. 229-233,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    塩素イオン濃度が高い下水処理水を再生し農業利用しようとしている沖縄の島尻地区で,塩分低下対策を技術的に検討し,経路の変更により塩素イオン濃度が低い下水のみを集めて処理するバイパス案が適当との結論を得た。しかし,この案は下水道財産の形状を変更するものであり,このような工事の前例はなく制度も明らかでない。そこで,工事主体や工事費負担等を明らかにし,次に,類似の事例である農業側が行った河川拡幅工事について法解釈の観点から分析し,さらに,バイパス案の工事のための制度を検討した。その結果,バイパス案は,下水道法第16条に基づき農業側が工事を実施するのが適当であることを明らかにした。また,これらを踏まえ,他者の財産の形状を農業側が変更するための制度の検討手順を考察した。

  • 泉本 和義, 持田 悦夫
    2010 年 78 巻 3 号 p. 235-239,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    昭和58年度に農業集落排水事業制度が創設されて以来,農村地域における生活排水処理施設の整備は計画的に進められ,その整備率は63.0%(平成20年度末時点)にまで向上してきた。しかしながら,農村地域と都市との整備格差は依然として大きく,農業集落排水整備対象人口の約4割が未整備であることからも,地方財政が厳しい中ではあるが,農業・農村振興のため,今後とも効率的・効果的に農業集落排水施設の整備を推進していくためのコスト縮減等の取組みが一層重要となっている。本報では,農業集落排水処理施設の建設におけるコスト縮減対策として,平成21年度から実用化に至った「プレハブ工法」について,その開発のポイント等について紹介する。

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