農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
78 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
 
  • 内田 一徳, 田中 勉, 河端 俊典, 安部 優吉, 松井 輝峰, 常友 永市, 法田 公良
    2010 年 78 巻 6 号 p. 485-488,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    ため池は,地域の農業,自然環境や習慣文化にとってはなくてはならないものである。さらに,ため池の上流に降った雨を一時蓄えることによって,洪水調節の機能を果たし地域の防災上も重要な役割を果たしている。受益農家による維持管理のたゆまない努力にもかかわらず,経年による老朽化,管理者の高齢化や経済的制約にともない管理が粗放化している。さらに,台風や集中豪雨等による過酷な環境により,ため池からの漏水や堤体の浸食,取水施設や洪水吐などの施設の劣化が進行し,ため池改修の必要性が増大している。ため池の改修に当たって,「工事費の縮減」「工期の短縮」などが重要である。これらの課題解決のために,ため池底樋について止水性,構造機能,経済性,工期短縮等,兵庫県三木市貝坂池の底樋のプレキャスト化に取り組んだ事例について,計画の内容や対策について述べるとともに,工事により実証できたことや今後の課題について報告する。

  • ―コウノトリ育む水田環境の整備―
    大田垣 知己
    2010 年 78 巻 6 号 p. 489-492,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    兵庫県豊岡市では,平成15年3月に「コウノトリ野生復帰計画」を策定し,絶滅したコウノトリを人里に戻そうとする世界的にも例に見ない環境再生に向けた取組みを始めている。この野生復帰計画は,①自然環境と農業に関する「環境整備事業」,②コウノトリの繁殖に関する「放鳥事業」,③広報,経済的な戦略等の「普及啓発」の3事業を総合的に進め,コウノトリと共生するまちづくりを目指している。県の農林行政としては,プロジェクトチームを設置し,環境再生整備を重点的に行っており,ここでは,特に水田周辺の環境整備とその検証についてその一部を紹介するとともに,今後の新たな展開についても併せて紹介する。

  • 藤田 覚, 谷口 尚道
    2010 年 78 巻 6 号 p. 493-496,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    平成21年度から国営土地改良事業地区調査「東播用水二期地区」により,国営,県営,団体営で造成した幹線水路の変状・老朽化施設等の安全性確保についての検討を行い,関係者と協議しながら事業計画書(案)の作成を行うこととしている。本報は,施設の機能診断調査等について報告し,適切な保全管理に向けての現状の課題について述べる。機能診断では国営・団体営含めて約120kmの農業用用水路や揚水機場等について健全度評価を行うとともに,変状が著しい区間においてレーザースキャンや地質調査等の詳細調査の実施により変状原因を特定し,それに対応する整備計画を策定した。本地区の一部は年間を通じて水道供給を行っているため,県や受水市町と約2年近くの協議調整により水道用水の仮回しを行う中機能診断を行ったが,調査期間中の管理等において多くの課題を残した。

  • 福田 信幸
    2010 年 78 巻 6 号 p. 497-500,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    いなみ野台地では,新田開発と水利の歴史を背景として,明治,大正年代に開かれた淡山疏水と国営事業による東播用水が一体となった,新しく広域な水利ネットワークが形成されている。水源となっているダムを管理する国営直轄管理事業(加古川水系広域農業水利施設総合管理事業)や頭首工と幹支線水路は,東播用水土地改良区が管理し,末端のため池はそのため池の水利組合が管理するという,分担連携管理体制の特徴をもっている。ここでは,東播磨地域に根付いたこの2大疏水を適正に管理するための,東播用水土地改良区における用水管理と施設管理の手法と組織について紹介する。

  • 武田 和義
    2010 年 78 巻 6 号 p. 501-504,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    兵庫県では,ため池管理者である農家をはじめ,地域住民,専門家,自治会,行政が一体となって,ため池の保全・管理の取組みを県下各地で行っている。ため池を地域の財産としてとらえ,ため池の保全を自らの課題として積極的に取り組み,交流の輪を広げる「ため池協議会」の設立を推進している。また,平成19年度よりため池保全体制整備事業による「ため池保全構想」の策定に取り組んでいる。市街地周辺に位置し,住宅が隣接している東播磨地域のため池と,中山間地に位置している淡路地域のため池を事例として,地域ごとに特色のあるため池保全・管理の取組みを紹介する。

feedback
Top