近年では,農業用水をも含めた世界の水資源に関する議論は,3年に1度開催される世界水フォーラム(World Water Forum,以下「WWF」という)がその中心的な舞台となっている。当室が中心となって行う国際かんがい排水委員会(ICID)ならびに国際水田・水環境ネットワーク(INWEPF)への貢献については,「WWFの開催年にどのような貢献ができるか」を常に念頭に置きながら,中期的な視点に立って進めている現状にある。本年3月,フランス・マルセイユにおいて第6回WWF(WWF6)が開催された。本報では,WWF6において日本の農業土木関係者がどのような貢献を行ったのかを中心に,ICIDならびにINWEPFの諸活動と関連させながら報告し,読者の参考に供するものである。