農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
80 巻, 6 号
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  • 草薙 忍, 柏倉 良光
    2012 年 80 巻 6 号 p. 439-444,a1
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    北海道農業は,開拓以来,農業関係者のたゆまぬ努力と先進的な営農技術の導入により,寒冷で積雪期間が長い気候条件や特殊な土壌条件などの厳しい生産環境を克服し,わが国の食料供給基地としての役割を果たしてきている。現在,農業経営平均規模は約23haとEU(19.3ha)を上回る規模となったが,担い手の減少や高齢化,食の安全・安心に対する消費者の関心の高まりなど,農業・農村を取り巻く情勢が大きく変化している中,引き続きわが国の食料基地としての役割を果たしていかなければならない。本報では,北海道農業および農業農村整備事業の現状を述べるとともに,北海道のおける農業農村整備事業の今後の展開の方向について述べる。

  • 川端 伸一郎, 亀山 修一, 久保 裕一
    2012 年 80 巻 6 号 p. 445-448,a1
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    北海道のような寒冷地のアスファルト舗装農道では,低温による多数の舗装ひび割れが発生している。このようなひび割れは道路の寿命を低下させる要因となり,さらに凍上が原因の場合には,平坦性の悪化や路面の段差など,車両走行の安全性や農産物運搬時の荷傷みに対する問題にも波及する恐れがある。本報では,凍上被害の実態を農道を中心に紹介し,広域的なひび割れ調査や平坦性調査から凍上被害が切土部に生じやすいことや,新たな凍上対策としての断熱工法の効果を明らかにした。さらに,北海道における過去50年間の寒冬の記録から,地域特性を考慮したn年確率凍結指数の考え方を示した。

  • 石神 暁郎, 金田 敏和, 蒔苗 英孝, 会沢 義徳, 西田 真弓, 佐藤 智
    2012 年 80 巻 6 号 p. 449-452,a1
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    北海道では,長大な延長を有する水路においていかに効率的かつ効果的に診断を行うかが解決すべき喫緊の課題となっている。筆者らは,コンクリート開水路の凍害に焦点を当て,効率的な診断を行うことが期待できる非破壊試験法の一つである,超音波法を用いた診断手法の開発に取り組んでおり,実構造物において適用性の検証を行った。表面走査法による凍害劣化深さの推定を試み,併せて採取コアを用いた透過法による劣化深さの確認を行った結果,躯体内部に超音波が伝播できないひび割れなどが存在しない場合は,表面走査法により超音波伝播速度を測定することで,コンクリート開水路表層部の凍害劣化深さを推定できる可能性が高いことが分かった。

  • 木村 賢人, 辻 修, 宗岡 寿美
    2012 年 80 巻 6 号 p. 453-456,a1
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    雪,氷,凍土は北海道の寒さの象徴であり,生活する上で大きな障害となってきた。しかし近年,これらを冷熱資源と見なし,物や空間を冷やす冷熱源として利用しようという気運が高まっている。特に,農産物の長期貯蔵に最適な低温・高湿環境を作り出すことから,農産物貯蔵庫への利用が期待されている。本報では,冷熱資源として雪,氷,凍土を利用する上での基礎的なことを整理しまとめた。さらに,雪氷冷熱の利用システムを導入した貯蔵庫についても紹介した。

  • 塚本 康貴, 中村 隆一
    2012 年 80 巻 6 号 p. 457-460,a2
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    北海道道央圏での小麦栽培は転換畑が多く,土壌物理性の不良が小麦の生育を規制し,収量品質を不安定にしている。秋まき小麦の健全な生育には,前年秋から春先にかけての排水促進による初期生育の確保と,止葉期以降の生育後半に十分な水分を供給できる環境づくりが必要である。そこで著者らは圃場内に幅,深さともに30cm程度の溝を形成することで,越冬前から春先にかけての排水促進と,生育後半に水田用水路から溝への通水による,小麦への水分供給を兼ね備えた「ハイブリッド水路」を考案した。本報では,ハイブリッド水路の形成による排水促進効果と,ハイブリッド水路を利用した水分供給効果について,現地実証試験結果も合わせた形で紹介する。

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