農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
83 巻 , 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
 
  • 北川 巌, 塚本 康貴, 竹内 晴信
    2015 年 83 巻 5 号 p. 363-366,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    圃場の基盤整備は生産性や作業性の向上を目的として実施している。しかしながら,基盤整備に起因する土壌物理性の悪化により生産性が適切に確保できない事例も散見される。この原因には,基盤整備の機械作業による土壌の圧縮や練返しなどによる透水性や通気性の低下が考えられる。しかしながら,基盤整備に当たっては,高生産性な農業を実現できる圃場を整備する上で,土壌の質となる理化学性を施工中に管理する具体的な指標値までは示されていない。そこで,本報では,圃場の基盤整備において,土壌の物理性を悪化させずに整備するための土壌物理性管理指標を設定するとともに良好な土壌条件を提供するための改善対策を示す。

  • 中尾 誠司, 塩野 隆弘, 野呂 幸男, 工藤 龍一
    2015 年 83 巻 5 号 p. 367-371,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    農用地における土壌流亡防止は,土壌の機能維持・保全の重要な要素の一つである。とりわけ大規模かつ長大な斜面を有する傾斜畑では,土壌の保持,地力保全のための土壌流亡対策が不可欠である。本報では,青森県内の大規模畑圃場において実施した,水田作業用の畦塗り機,溝掘り機,バーチカルハローなどの農業機械を用いた大規模傾斜畑圃場における降雨に伴う土壌流出を抑制・軽減するための対策技術として,テラス承水路,集水路などの導入を試み,それらの効果について検証した。その結果,テラス承水路,集水路および土砂溜などの導入は,圃場内の土壌侵食や圃場外への土壌流出の抑制・軽減に効果的であることを明らかにした。

  • 草野 久美恵
    2015 年 83 巻 5 号 p. 373-376,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    篠津地域の泥炭地圃場は,大区画化,田畑複合経営による水田の汎用化が進んでいる。しかし,本地域では地区ごと,圃場ごとで異なる動向を示す地盤沈下が進行しており,排水改良や客土に係る整備が繰り返し必要な状況となっている。本報では,地域の現状と,開発の歴史,排水・客土に関するこれまでの調査研究の成果および土地改良事業の設計基準の変遷などを踏まえ,①水田としての継続的利用,②地下灌漑や明渠排水の堰上げなどで,灌漑期以外の時期に地下水位を上昇させることによる地盤沈下の抑制,③農地の基盤として特異である泥炭の特性を踏まえた区画整備,などから泥炭地圃場の持続的利用と保全について示した。

  • 北村 義信
    2015 年 83 巻 5 号 p. 377-380,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    乾燥地においては,将来的に予想される気候変動のもとでは,土壌侵食の激化など砂漠化のリスクはますます高まる傾向にある。植生の少ない乾燥地の土壌を侵食から守り保全していくためには,小規模で簡易なマイクロキャッチメント方式の雨水集水施設を数多く,バランスよく流域レベルで配置し,かつ条件の適する場所にマクロキャッチメント方式の雨水集水施設および洪水集水施設を配置し,管理していくことが望ましい。そのことにより,流域全体の植生の確保と土壌流亡の防止効果が期待でき,流域レベルの水土保全を展開していくことが可能となる。本報で紹介する伝統的集水技術の持つ土壌保全機能の発揮は,その技術の適切かつ継続的な保全・管理がその前提となる。

  • 奥田 幸夫, 大森 圭祐, 大西 純也
    2015 年 83 巻 5 号 p. 381-384,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    中央アジアの乾燥・半乾燥地域の灌漑農業地帯では,塩害対策として排水路,暗渠排水,垂直排水が建設されてきたが,その機能は低下している。中でも地下水位の制御のための垂直排水の稼働率は大きく減少している。本研究ではウズベキスタンのモニタリングデータなどにより垂直排水の稼働,地下水位と土壌塩分濃度の変化の関連性を分析した。その結果,垂直排水は地下水位に影響を及ぼしているが,広域な水消費者組合レベルではその効果が現れていなかった。地下水位と土壌塩分濃度の関連性も明らかでなく,画一的な対策の実施は効果が得られない可能性がある。稼働計画の見直し,モニタリングと対策の連携を強化する計画づくりが必要と考えられる。

  • 粟生田 忠雄
    2015 年 83 巻 5 号 p. 385-388,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    2015年2月7日と8日に新潟県長岡市において,青少年のための科学の祭典,新潟県大会が開催された。新潟大学では,複数のブースを担当し小学生を主体とした参加者に科学のおもしろさ,楽しさを伝える展示を行った。農学部では,「君も土はかせ」と題して,土の展示を行った。今年は国際土壌年であり,市民への土壌サイエンスの啓発機会となった。国際土壌年のテーマは,“元気な暮らしは元気な土から!”である。私たちが展示で心がけたのは,土壌への関心喚起だけでなく,そこに棲む生きものにも興味をもってもらうことである。「私たちは土壌から食べもの,水,住まい,および衣服を得て」,「生きものも土壌を頼っている」からである。ここでは,展示内容を紹介するとともに,市民科学のあり方について検討する。

  • 内川 義行, 藤居 良夫, 木村 和弘, 太田 雅弘, 小林 照男, 赤羽 昭彦
    2015 年 83 巻 5 号 p. 389-392,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    2014年11月22日に長野県北部を震源とするマグニチュード6.7の長野県神城断層地震が発生した。特に小谷村では震度6弱,白馬村では震度5強を記録し,農地・農業用施設被害額は,県の地震災害で過去最大となった。豪雪・中山間農村地域の両村では,震災前から高齢化・人口減少,地域活力の低下などの課題を持つ地域も多く,離農や人口流出の加速による地域経営の困難化が懸念される。長野県は,過去の被災地でも問題視されてきた,「目に見えない(見えにくい)被害」へのきめ細かい対応を検討し,地域維持の救済措置を図ろうとしている。降雪によりいまだ被害の全貌は明らかではないが,現時点での概況と対応をとりまとめたので報告する。

  • 佐藤 勝正, 岩屋 照美, 島崎 和夫, 坂井 健介, アンソニー ニャルバンバ
    2015 年 83 巻 5 号 p. 393-396,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    タンザニア国県灌漑事業の推進を図るために,2010年12月から技術協力プロジェクト「県農業開発計画灌漑事業推進のための能力強化計画」が実施された。本プロジェクトの維持管理分野では,活動の成果を評価するために6項目(組織,住民参加,資金,技術,法遵守,維持管理状況)で構成されるモニタリング調査票を作成し,ベースライン調査および終了時調査を2012年12月と2013年12月に行った。その結果,プロジェクトが普及している「県農業開発計画に係る包括的灌漑事業ガイドライン」を通して維持管理技術の改善が図られていることが確認された。また,モニタリング調査手法の有効性を検討し,一部の改善策を提案するとともに継続した活用が重要であることを示した。

  • 大村 啓介, 市川 晃央, 荻野 寿一
    2015 年 83 巻 5 号 p. 397-400,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    地下ダムは,地中連続壁を構築することで海に流出する地下水の流れを堰止め,地盤の間隙に水を貯留させるものである。このため,地下ダムの地下水貯留の性能を満足するために地中連続壁を帯水層下部の不透水層まで確実に着底させ壁の止水性能を確保することが重要となる。本報では,先行削孔する地盤改良機から得られるオーガの吊荷重および減速機の負荷電流値の関係性に着目し,不透水層の深度をリアルタイムで判断する手法を検討した。地盤改良機で測定したデータはパソコンに伝送し記録され,一般的な表計算ソフトを使用して解析および着底判定を行い,リアルタイムでモニタ画面上にて確認できる。

  • 早瀬 吉雄
    2015 年 83 巻 5 号 p. 401-404,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    富山県の庄川扇状地域を対象にして,社会環境のパラダイム変化を検討し,現地調査などから地下水涵養量の豊富さ,水質の良さである庄川扇状地の強みを見出した。農林業地域の営農活動に,水土里資源を用いた温暖化対策などを組み込むことで,社会的・経済的の共通価値創造戦略を提案した。すでに扇状地水田域の58%を耕作している集落営農などが,共通価値創造戦略を実践することによって,庄川扇状地は,低炭素化社会の先進地として創生される。

feedback
Top