農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
83 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 柵木 環, 青山 健冶, 二平 聡, 菊池 裕貴, 福田 晃
    2015 年 83 巻 8 号 p. 647-652,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    福島県は,東日本大震災による地震,津波被害のみならず,東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質による深刻かつ多大な被害を受けている。ため池や水路等農業水利施設にも放射性物質が堆積し,利用・管理への支障が生じていることから,農林水産省は福島県,市町村,土地改良区等の協力のもと,農業水利施設の放射能汚染の実態を把握するとともに,影響を低減する対策について検討を進めてきた。本報では,これまでの放射性物質調査結果をもとに,農業水利施設の汚染や利用管理への支障の実態を報告するとともに,放射性物質による影響を低減する対策の取組みについても紹介する。

  • 野内 芳彦, 先﨑 秋実, 佐々木 公弥, 半谷 祥二
    2015 年 83 巻 8 号 p. 653-656,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所の事故により,大気中に放出された大量の放射性物質は,福島県を中心に広範囲にわたって拡散し,深刻な放射能汚染がもたらされた。福島県が実施したため池のモニタリング調査では放射性物質を含む底質が確認された。ため池の放射性物質対策は,「放射性物質汚染対処特別措置法」に基づく除染の対象から外れたため,福島県は,この前例のない放射性物質汚染の影響を解消・軽減するための取組みを始めることとなった。そこで本報では,これまで福島県が農林水産省や市町村などと協力しながら取り組んできたため池のモニタリング調査や放射性物質対策技術実証について報告する。

  • 高橋 寛, 鈴木 浩之, 渡辺 孝志
    2015 年 83 巻 8 号 p. 657-660,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質は,原子力発電所から北西方向約16kmに位置する大柿ダムおよびその流域にも沈着した。震災後4年が経過し,大柿ダムの受益地でも徐々に試験栽培などの営農再開の動きが出てきているものの,地震,津波に加え原子力発電所事故による放射能汚染,長引く避難など,この地域はほかの被災地よりも格段に厳しい状況下にあり,農業復興への道のりは厳しい。東北農政局では,この地域の農業復興を支援するため,大柿ダムにおける農業用水の放射性セシウムの調査と対策検討,地域の農業復興に向けた意見交換会の開催を行っており,本報ではこれらの取組みについて報告する。

  • 木村 賢人, 辻 修, 米山 晶
    2015 年 83 巻 8 号 p. 661-664,a1
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    現在,福島県飯舘村では土壌中に存在する放射性物質の除染が行われている。しかし,除染完了後に山林から放射性物質が付着した枯葉などの飛翔による再汚染が懸念されている。本報ではここに着目し,飯舘村小宮地区と草野地区の農地除染対策実証試験圃場を対象に,「表土剥取り工法」によって除染された農地の2年間の経過について検証した。その結果,除染後,両地区では枝葉の飛翔はなく,再汚染はみられなかった。反対に,除染後の空中放射線量は平均で4.8mSv/yearとなり,2年間で約48%が低下した。このことから,適切な除染方法とその後の再汚染がなければ,帰村可能な環境にまで,空中放射線量を低下させることができることが示唆された。

  • 服部 俊宏, 齋藤 朱未
    2015 年 83 巻 8 号 p. 665-668,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    原子力災害避難者の帰村に向けた課題を明らかにするために,福島県飯舘村からの避難者を対象に,仮設住宅や営農再開農家に対して実施した調査の結果をまとめた。帰村意向が高い60歳以上の層においては,車の運転ができなくなった後の生活への不安が大きく,直近の事業計画だけでなく,避難解除後長期にわたり帰村者の生活をどのように支えるかを明示する計画が必要だと考えられる。また,帰村意向が低い若年・子育て世代との意識の相違は,放射線への不安だけではなく,これまで村づくりや産業振興を通じた参加機会の差が村や帰村に対する想いの差につながっていると考えられる。

  • 山本 清仁, 小林 晃, 原科 幸爾, 倉島 栄一, 武藤 由子, 塚田 泰博
    2015 年 83 巻 8 号 p. 671-676,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    津波被災水田において電磁探査と電気探査,地下水位調査および地下水と表土電気伝導度計測を行い,電磁探査による地中塩分濃度測定の有効性を検討した。調査地は岩手県陸前高田市小友町の水田であり,広田半島の付け根に位置し,東西の海より津波が押し寄せた地域である。その結果,電磁探査結果より,深さ1m以上の地中の塩分は消失したと推定されたが,一部の表土においては塩分が残留していると推定された。また,電気探査と比べて電磁探査は,表層の電気伝導度を良好に捉えることができ,広範囲を短時間で計測できる作業性をあわせて考えると,水田の塩分濃度分布を把握する場合において電磁探査は有用であると考えられる。

  • 箕浦 芳晴
    2015 年 83 巻 8 号 p. 677-682,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    インドネシアのスマトラ島,ジャワ島,カリマンタン島において,JBIC(現JICA(国際協力機構))ローンIP-505:を使用し実施された,PTSL-II(Project Type Sector Loan for Water Resources-II)事業で建設した4カ所の頭首工(アイル・ラキタン,サポン,アマンディット,カラオ)について,設計や建設時において考慮した点やそれらの比較について,技術的見地からをまとめた。本報では,各頭首工の簡単な紹介,設計洪水流量比較,単位幅越流量と下流エプロン長などの比較,設計におけるいくつかの留意点,建設費比較などについて検討し,今後の同様な頭首工の設計・建設のために参考と資する内容について述べる。

  • 小田 哲也, 三輪 顕, 野村 純数, 田中丸 治哉
    2015 年 83 巻 8 号 p. 683-686,a2
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    兵庫県には約3万8千カ所のため池が存在し,その数は全国一であるが,これらの多くは老朽化が進んでいることから,本県では計画的にため池の改修を進めているところである。その中で,平成26年8月豪雨により,兵庫県丹波市では,農地やため池などの農業用施設が多数被災した。今回,丹波市におけるため池被災状況の現地調査を行った結果,以下のことが確認された。①記録的な豪雨による出水と土砂流入にもかかわらず,洪水吐が機能したため池は堤体の決壊を免れた。②いくつかのため池が砂防ダムの役割を果たしたが,この土砂貯留機能は,堤体が出水に耐えられる場合に期待できるものである。③洪水吐が改修されたため池は決壊に至っておらず,老朽ため池の改修は重要である。

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