国営農業用水再編対策事業「九頭竜川下流地区」では,老朽化した開水路の改修とあわせ,周辺地区に対して新たな水源を確保するため農業用水路のパイプライン化を実施し,幹線用水路の延長は約54.8kmに及んでいる。幹線用水路はφ3,500mm鋼管のほかφ2,800mm強化プラスチック複合管の2連配管など,大口径管の布設において国営農業水利事業としては随一の規模を誇る。本報では,大口径パイプラインの施工に当たっての検証経緯や流動化処理土や軽量スラスト対策工,水路内配管など先進的施工技術の採用によるコスト縮減の取組み,さらに耐震性・安全性の向上対策を中心に,本事業における設計・施工の特徴について紹介する。
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