農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
84 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 吉永 育生, 島崎 昌彦, 常住 直人, 高木 強治
    2016 年 84 巻 2 号 p. 107-110,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    ため池底質中の放射性Csから放出されるガンマ線を現場で効率的に計測できるシステムを提案する。市販のサーベイメータを使って底質表層のガンマ線を計測し,開発したソフトによって,サーベイメータから出力されるcsvファイルと,GNSS受信機から出力される緯度経度データを照合し,移動の軌跡とガンマ線の計測結果をリアルタイムで描画する。本システムにより,短時間で底質表層のガンマ線を計測でき,水域内におけるガンマ線の面的な分布傾向やホットスポットを効率的に把握することができる。含水比などの底質の性状が類似する同一水域内では,得られたガンマ線の値から,底質表層に含まれる放射性Cs濃度(Bq/kg)の値を概略予測できる。

  • 森 洋
    2016 年 84 巻 2 号 p. 111-114,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    現在,ため池堤体の劣化状況などを把握するための一斉点検が平成25年度より全国的に実施され,ため池堤体の劣化状況などの構造的な危険度判定から総合的に判断した緊急整備の優先度検証を実施しているが,地盤物性値などを用いた工学的判断での評価までには至っていない。本報では,平成25年度に青森県で一斉点検したすべてのため池堤体で,簡易なサウンディング試験を実施し,円弧すべり手法による検討結果を取りまとめた。一斉点検結果による地震時での緊急整備の優先度と安全率との相関性は示せなかったものの,ため池堤体独自の諸元や円弧すべり手法による常時と地震時での構造的安定性の特徴を示すことができた。

  • 坂田 寧代, 笠原 美里
    2016 年 84 巻 2 号 p. 115-118,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    自然の中で子育てをしたいという欲求が森のようちえんを通して具現化されている。森のようちえんが中山間地域に開設されれば,自然の中で子育てをしたいという都市住民の欲求が満たされるだけでなく,場に集う地域住民との交流が進むと期待される。また,中山間地域で利用者数が確保できず閉鎖される保育所・幼稚園・小学校,さらには利用頻度が減少している集会所などの生活環境施設の有効利用として,森のようちえんは可能性を秘めている。本報では,2014年4~12月の調査に基づき,中山間地域の小千谷市東山地区で閉鎖保育所を利用して開設された里山子育てひろば「木のこん」の取組みを通して,中山間地域の空き施設を里山子育てひろばとして再生するための提案を行う。

  • 原科 幸爾, 池田 光, 鹿島 佳子
    2016 年 84 巻 2 号 p. 119-123,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    ニホンジカによる農林業被害の増加が問題となっている岩手県における狩猟活動の現況と今後の継続性について検討するために,狩猟免許更新会場における狩猟者へのアンケート調査および県内の全26猟友会への聞き取り調査を行った。その結果,岩手県ではシカが狩猟対象とされることが最も多く,被害対策としての個体数管理に対する狩猟者の理解と認知度が高いことが明らかになった。また,県南部では放射能汚染による狩猟者の意欲低下が認められたが,狩猟活動自体への影響は現時点では少ないことが分かった。さらに,単独でもグループでも狩猟を行う回答者は,狩猟を楽しいと感じている傾向があり,狩猟継続の意思が高いことが分かった。

  • 早瀬 吉雄, 瀧本 裕士
    2016 年 84 巻 2 号 p. 125-128,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    政府は,2014年に水循環基本法を施行し,生態系の保全と再生を掲げた。庄川,黒部川,手取川の扇状地を対象に,農業水利施設整備により水資源量が増えたので,既往資料から流域の循環量を検討した。トミヨの生息するバイカモ群落の形成機構を,河川,自噴泉のNO3-N測定などから解明した。水循環の健全な扇状地では,トミヨの生息域があるので,消滅した扇状地では扇端部の湧水域に生態系保護区で再生を図り,健全な水循環を訴求すべきである。

  • 元杉 昭男, 田澤 伸一
    2016 年 84 巻 2 号 p. 129-132,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    2008~2014年度の7年間の土地改良区賦課金台帳と役職員の聞取りに基づき,賦課金滞納の実態を分析した。経営規模の大きな滞納者は,経常賦課金と国営事業負担を合わせた一般賦課金の滞納が多く滞納額も大きく,人数の減少も小さい。農業債務を原因とし,部分納入による滞納金回収がほとんどである。一方,小さな者は圃場整備の特別賦課金の滞納が多く,滞納額は小さく人数は激減している。農業外債務とモラル欠如を原因とし,部分納入のほか,小作料による精算や農地売却による回収も多い。前者は農産物価格など経営状況に強く影響されるので農政全体で対応し,後者は離農志向が強く土地改良区が農地利用集積を積極的に担う対策が期待される。

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