農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
84 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 武田 悟, 遠藤 泰
    2016 年 84 巻 7 号 p. 579-582,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    東北管内では津波で被災した農地の復旧とともに効率的な営農を目指して,農地の集積や大区画圃場整備工事が行われている。そして,新たな経営体の誕生と6次産業化の動きも見られる。また,主要な排水機場や農地海岸堤防ではほとんどの地区において復旧に着手している。中にはすでに復旧工事が完了し,供用を開始した施設もある。このように,被災地では徐々に「復旧から復興」へと着実に進んでいる。その一方で福島県の避難区域では農地・農業用施設の復旧も緒に就いたばかりの状態である。本報では,発災直後から現在に至るまでの主な取組みを振り返るとともに,復旧・復興に当たっての工夫,今後に備えた取組み,放射性物質への対応について紹介する。

  • 小野寺 健一, 金田一 泰祥
    2016 年 84 巻 7 号 p. 583-586,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波で,岩手県沿岸地域の農地・農業用施設,農地海岸などが壊滅的な被害を受けた。このため,岩手県での農業農村分野の復旧・復興への取組みについて,被害概要,被害状況調査,復旧方針・課題および営農を含めた復旧・復興状況について紹介するとともに全国からの支援について感謝を述べる。

  • 郷古 雅春, 菅原 喜久男, 大場 喬, 千葉 克己
    2016 年 84 巻 7 号 p. 587-590,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    宮城県では,東日本大震災により甚大な被害を受けた農地を対象に水田農業の低コスト化を追求するため,2 ha標準区画による復興農地整備を進めている。本報では,新たな標準区画導入の背景や設計の考え方について紹介するとともに,現在実施中の標準区画の効果検証の取組みについて報告する。また,平成27年夏に実施した被災土地改良区へのアンケート・ヒアリング調査では,復興後の農業水利施設の共同作業や地先管理を「見直す必要がある」「まだ検討に至っていない」とする意見の多いことがわかった。これは近い将来の被災地以外の課題でもあり,土地改良区や市町村を中心とし,地域のローカルルールにも配慮した柔軟性の高い対策が必要である。

  • 菊地 和明, 藤本 弘樹, 長岡 学
    2016 年 84 巻 7 号 p. 591-594,a1
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    本県は南北に走る阿武隈高地と奥羽山脈の二つの山系により,東は太平洋に面する浜通り地方,西は日本有数の豪雪地帯として知られる会津地方,その間の中通り地方に三分される。平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により,本県では最大震度6強が観測され,津波被災とあわせて,農地・農業用施設などの4,358カ所が被災し,その被害額は2,303億円に上った。津波被災を受けた農地と放射能漏れ事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所は,浜通り地方に位置している。本報では,ほかの被災県と異なる様相を呈している本県の被災および復旧・復興の現状と課題を述べる。

  • 鈴木 尚登, 中里 裕臣, 安中 誠司, 井上 敬資, 正田 大輔, 小嶋 創
    2016 年 84 巻 7 号 p. 595-600,a2
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    未曽有の被害をもたらした東日本大震災は,最大震度7の地震動,巨大津波,原子力発電所事故を伴い関東大震災につぐもので,その中でも福島県内で発生した農業用ため池決壊に伴う人命災害は特に留意すべきである。災害は,文明社会の発展とともに進化し,防災の基本である自助・共助も社会的構成によってそのあり方は大きく変貌する。また,自然との高い「戦闘モード」にあっては,相互連携,情報共有,常時の訓練を踏まえた備えが不可欠である。本報では,災害対策基本法に基づく指定公共機関である農研機構農村工学研究所(現農研機構農村工学研究部門)が,東日本大震災の教訓を踏まえ,南海トラフ地震などの巨大災害への対応や「災害に強い農村」の形成で担うべき防災・災害時の技術支援を考察した。

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