農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
85 巻 , 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 清水 夏樹
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1009-1012,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    地域・事業コーディネートの実際はケースバイケースであり,客観的・定量的なマニュアルを示すことは難しい。そのため,本報では,自治体の委員会を中心に筆者が実際に経験したコーディネート活動について,事例として報告する。「人」にこだわって進めた2つの委員会とボランタリーなプロジェクトの経験から,コーディネーターの関わる期間中に具体的な実践を1つでも実現することが効果的であることがわかった。また,コーディネーターの役割は,地域関係者の信頼関係構築のために重要であるが,コーディネーターの熱意と努力に拠(よ)る部分も大きく,ボランティア的かつ裏方の立場で実施されているのが実情である。

  • 野本 健, 山本 忠男
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1013-1016,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    この約20年間の施策・事業の変遷をふまえ,北海道における組織の連携状況と技術者の関わりについて概括した。その結果,他分野との調整・連携を必要とする課題が増加する状況では,これまで以上に技術力の向上と地域・事業コーディネート力が必要とされ,農業農村整備技術者による展開方向が問われる。そこで,今後の地域での展開方向,取り組む課題について,技術者の役割と育成,地域におけるコーディネートのあり方,ソフト事業の活用の視点から提案した。

  • 大和田 辰明, 北澤 大佑
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1017-1020,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    農業農村整備事業における環境配慮の取組みに地域の多様な主体が参加することは,地域に対する気づきや共意識の醸成を引き起こし,農村協働力を維持強化し,地域の価値を高めるといった効果につながる。その際,住民が,地域の自然や景観,文化,歴史などに対してアメニティ(楽しさ,心地よさ,美しさ,好奇心の充足など)を感じることがすべての源泉となる。本報では,これまで事業の環境配慮の取組みが果たしてきた役割,アメニティの重要性について考察することによって,経済・社会・環境にとってバランスのとれた農業農村政策の重要性について展望する。

  • 郷古 雅春, 友松 貴志, 千葉 克己, 高橋 信人
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1021-1024,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    復興農地整備は東日本大震災の復興に重要な役割を果たしている。その中で受益者などとの調整を担っているのが土地改良区であり,特に換地に関しては,地域の実情に精通した土地改良区でなければ,その実務遂行は難しい。宮城県における復興農地整備で最大の地区数・受益面積を抱える亘理土地改良区において,換地の合意形成と実務に係る労力と時間の削減,事業完了後の施設管理の合理化を目指し,農地基盤地理情報システム(VIMS)を活用した土地改良区換地支援システムを開発した。土地改良区が有する地域・事業コーディネート力は現場では暗黙知として認識されているが,ICTなどの活用を含め形式知化していくことが必要である。

  • 髙橋 幸照, 折戸 佑基, 福本 昌人
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1025-1028,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    立梅用水土地改良区(三重県)は,地域資源の保全と活用を地域住民と協働して進めることで多気町勢和地域の活性化に貢献している。これまでの経緯を踏まえてその取組みを紹介した。1993年に同土地改良区が地域住民や農家に呼びかけ,農地の周辺や立梅用水沿いにあじさいを植える活動「あじさい1万本運動」が始まった。これが地域資源の保全・活用活動の原点となった。現在,同土地改良区が事務局を担っている多気町勢和地域資源保全・活用協議会が,多面的機能支払交付金の広域活動組織(10集落)として地域資源の保全・活用活動に取り組んでいる。最後に,同活動を支援している水土里サポート隊,および,同活動に参加している(一社)ふるさと屋の詳細を述べた。

  • 門間 修, 佐藤 禎示, 坂本 克史
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1029-1032,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    石狩川下流右岸平野部に位置する篠津地域は,かつては泥炭原野が広がり,本格的な整備は,昭和30年に開始された「篠津地域泥炭地開発事業」により進められ,一大水田地帯となった。整備後,泥炭地特有の地盤沈下などにより農業水利施設に支障が生じ,また,深水灌漑などの用水を確保するため,国営かんがい排水事業「篠津中央地区」および「篠津中央二期地区」により,さらなる施設の再編・改修を実施してきた。本報では,地域の個性を踏まえたオーダーメイドの技術実装例として,泥炭地特性を考慮した篠津地域の農業基盤整備の経緯や内容を紹介し,整備が地域に与えた波及効果や,整備した施設も含めた地域資源を活用した地域振興の取組みを報告する。

  • 井原 昭彦, 堀江 信一, 高橋 重男, 北條 信義, 竹内 信之輔
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1033-1036,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    国営和賀中部地区は,岩手県南西部,北上川の支流和賀川の左右岸に展開する北上市,花巻市,胆沢郡金ケ崎町にまたがる約3,390haの水田地帯である。本地区は現在,稲作を中心に,水田の畑利用による大豆,麦および野菜などを組み合わせた複合経営が展開され県内有数の農業地帯となっている。本地域の農業を支えてきた国営和賀中部開拓建設事業(昭和38~45年度)で造成された水利施設は,老朽化および寒冷な気象条件による劣化が進んでいた。本報では,平成18年度に着工し平成28年度に事業完了した国営和賀中部農業水利事業で整備した主要施設の和賀川水管橋,頭首工,調整池,用水管理施設の更新および環境配慮対策のほか,事業実施段階での地元土地改良区などとの事業調整内容などについて報告する。

  • 廣住 豊一, 坂井 勝, 神長 唯, 徳本 家康, 西脇 淳子, 加藤 千尋, 渡辺 晋生, 溝口 勝
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1037-1040,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    土壌物理研究部会では,若手部会員を中心にJST支援事業「復興農学による官民学連携協働ネットワークの構築と展開」を実施している。復興農学分野のアウトリーチ活動によって次世代の農業農村創生を担う人材を育成できる。本報では,本事業における福島県外初の展開事例として,三重県四日市市の「四日市公害と環境未来館」で開催した子供向け実験講座について報告する。本実験講座では,これまでのアウトリーチ活動で蓄積した経験を活(い)かし,ペットボトル製自作実験装置とイラストによる解説を活用することで,充実したアウトリーチ活動を実施できた。今後,各地域でのアウトリーチ活動を進めるためには,農業農村工学の持つ地域・事業コーディネート力を発揮し,展開拠点づくりや実施組織間の連携を深めることが重要である。

  • 廣内 慎司, 山田 雅一, 廣瀬 千佳子
    2017 年 85 巻 11 号 p. 1043-1047,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    イネは水があればアフリカのほとんどの地域で栽培することが可能であるため,アフリカにとって食料増産および貧困削減に重要な作物である。日本政府などは,平成30年までの10年間でサブサハラアフリカのコメ生産を2倍にするという目標を掲げている。ガーナ北部はコメの生産が最も多い地域であり,多くのため池があるが,これらは主に飲用水や家畜に利用されており,現状では農業にはあまり利用されていない。しかし,ため池は雨季になると越流が発生し,その水は有効に利用されないまま下流へと流れている。このため,越流水を一時的に貯留する池を建設し,この池の水を利用した水稲栽培システム(親子ため池システム)を考案した。

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