農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
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  • 重岡 徹, 吉迫 宏, 福本 昌人
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1127-1130,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    地域防災力を高めるためには,住民や自治会が平時から地域に起こりうる災害リスクを我がこととして捉える意識(我がこと防災意識)を持ち続けることが重要である。多くの地域では,防災マップの作成を通じた防災力向上が取り組まれているが,作成時に一時的に住民の我がこと防災意識は高まっても,時間を経るにつれて意識が薄れていく傾向が指摘されるなど,実行性のある防災力を持続することに苦慮している。本報では,住民や自治会の災害リスク対応能力を維持し向上させることを目的として,手作り防災マップの作成,雨量自主観測の取組み,自主防災行動指針の策定の3つの取組みからなる我がこと防災意識の醸成によって,地域防災力の維持・向上手法を提案する。

  • 椿 一雅
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1131-1134,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    近年,全国的に多発している集中豪雨による浸水被害の軽減策として,田んぼダムの有効性がこれまでの研究で示されている。全国の田んぼダムの取組みにおいて最も先進的とされている見附市の田んぼダムについて,その能力や効果,推進するための事業スキームという視点ばかりではなく,農家の協力が不可欠となる本取組みを見附市が大規模に導入できた背景や当初の課題とそれに対応する「仕掛け」や「仕組み」などのプラン,アクションについて報告する。

  • 吉迫 宏, 吉田 明, 草 大輔, 嶺岸 憲一, 出井 宏樹
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1135-1138,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    用水計画手法に基づいて,ため池の日当たり貯水率を降雨による貯水池への流入量と受益水田で必要な用水量の収支で求める計算式を提案するとともに,灌漑期間を通じて求めた日当たり貯水率を指標として,用水に余裕のあるため池から用水が不足するため池へ用水調整を行う検討手順を提案した。兵庫県高砂市内のため池群を事例に提案した手法を試行し,洪水吐にスリットを設置して洪水調整容量を設定した場合の灌漑期間中の貯水率を指標とした利水余裕度を求めるとともに,ため池間の用水補給と貯水池の拡張を組み合わせることにより,ため池群内の用水調整で1/10非超過確率年においても灌漑期間を通じた用水の確保が可能なことを例示した。

  • 正田 大輔, 堀 俊和, 吉迫 宏, 安芸 浩資, 長尾 慎一, 三好 学
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1139-1142,a1
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    新たな土地改良長期計画では,「ハザードマップ等ソフト対策を実施する防災重点ため池」を10割とする政策目標が掲げられている。親子ため池や重ね池とよばれる谷筋に直列的に連続するため池では,上流側のため池の決壊が引き金となり下流側のため池も決壊して,被害を拡大させる場合がある。そこで,直列ため池における連鎖決壊の発生を簡便に判断した上で,連鎖決壊に基づく浸水想定区域を求めるための実用的な氾濫解析手法を提案する。平成16年台風23号で決壊した兵庫県洲本市の三連直列ため池を対象に検証した結果,災害時同様に上池の決壊に伴い連鎖して下池が決壊したことから本手法で連鎖による破堤を判定できたものと考えられる。

  • 稲葉 一成, 沖田 悟, 神蔵 直樹, 峰村 雅臣, 傳法谷 英彰, 粟生田 忠雄, 鈴木 哲也
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1143-1146,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    新潟県糸魚川市で発生した谷根広田地すべり災害を例に,中山間圃場整備地区における農業基盤の被災と復旧について報告する。当地区では,地すべりによりパイプライン251m,幹線用水路2カ所403mなどが被災したことで,約30haの農地に対して用水供給ができなくなる恐れがあった。本地すべりは発生時には大規模な動きがあったものの,その後はほとんど動きがなかったことから,幹線用水路については,地すべり地内を横断する形であっても,可とう性を持たせることによって仮復旧が可能となった。また,パイプラインについては,資材調達と施工に時間がかけられないことから,代替品として水道用の仮設配管材を用い,地表露出配管にて短期間で仮復旧を行った。

  • 門間 修, 佐藤 禎示, 桑原 康弘
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1149-1152,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    篠津地域は,石狩川下流右岸の1市2町1村(江別市,当別町,月形町,新篠津村)に広がる平野部に位置し,道内有数の水田地帯となっている。当地域の農業水利施設は,昭和30~40年代に篠津地域泥炭地開発事業により整備されたが,冷害防止のための深水灌漑用水などが不足するとともに,施設の老朽化が進行した。このため,平成8年度に着手した国営かんがい排水事業「篠津中央二期地区」により,老朽化の著しい石狩川頭首工をその下流側に新たに建設することとし,平成29年度に完了予定である。本報では,国内有数の一級河川である石狩川の下流部で改築が進められている新頭首工の設計・施工・管理の特徴について報告する。

  • 今井 武三, 日野 英登
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1153-1158,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    「福富地区」の海岸保全施設は,干拓事業により昭和21年度から54年度にかけ築造されており,築後30年以上が経過する中で亀裂や老朽化が著しく進行し,また,有明海特有の超軟弱地盤上に築造されていることから地盤沈下による堤防高さの不足も生じており,台風や高潮等に対する十分な防災機能が果たされない状況にあった。このため,堤防延長7,569mを対象として,堤体の補強・改修を行い,台風・高潮等から背後地の農用地等を防護し,地域住民の生命・財産を守ることを目的として平成18年度より事業を実施してきた。平成29年度をもって事業完了を迎えることとなり本事業の経過と概要をここに紹介する

  • 寺村 伸一, 松本 安弘, 髙瀬 賢一
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1159-1162,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    「徳之島地区」は,島内のサトウキビを中心に飼料作物,野菜などに対し,徳之島用水事業により徳之島ダムを築造し,水源を確保するとともに基幹水路などを造成し,中核農家の育成と地域農業の振興に資するため平成9年から事業に着手し平成29年度をもって完了を迎えるところであり,施設管理は土地改良区が行うこととなっている。しかし,要員の不足や膨大な管理作業,さらにはダム技術の専門性など課題もあり,従来の管理規程や水利使用規則だけでは十分な管理が行えず,全国的にマニュアルの整備が始まっている。本報ではさらに,マニュアルに記載されているものの背景や,基準からはずれた場合の対応などの解説を“教科書ガイド”的にとりまとめ,将来の施設管理の軽減に寄与する取組みを行ったので紹介する。

  • 三木 秀一, 白鳥 勝弘, 鷲津 瑛子, 中嶋 英夫
    2017 年 85 巻 12 号 p. 1163-1167,a2
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/01/14
    ジャーナル フリー

    大井川用水地区の受益地域は,静岡県の中央に位置し,牧之原台地の東側と西側に広がる農業地域である。牧之原台地の東側に位置する大井川扇状地域は,用水の浸透量が多く,農業用水の確保に苦しんできた。一方,牧之原台地の西側に位置する小笠地域は,ため池を築き稲作を行うほど用水不足に苦しんできた。これらの地区の用水の安定供給などを図るため,一期事業が,昭和22年度から43年度にかけ実施されたが,施設の老朽化による機能低下や営農形態の変化などにより安定的な用水供給が困難な状況になった。このため,二期事業が平成11年度に着手された。本報は,平成29年度に二期事業が完了を迎えるに当たり,事業の展開や特徴を報告するものである。

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