平成10年より供用開始した荒砥沢ダムは,平成20年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(M=7.2)の震源に近接しており,堤体基礎に設置された地震計の加速度が1,024galを記録した。この地震によってダム上流部で大規模な山体崩壊が生じたほか,堤体や取水施設の一部が被災を受けた。本報では,大規模な内陸直下型地震の被災を受けたロックフィルダムの挙動について,観測された地震波形や堤体に設置された浸透量,間隙水圧などの計測計器データの分析結果から,挙動の発生要因の考察を行うとともに,地震発生以降に実施された災害復旧工事および再湛水期間の安全確認時における堤体の挙動について報告する。
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