農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
88 巻, 7 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 丸田 雅博, 山口 信司, 久保 利邦, 中村 安茂
    2020 年 88 巻 7 号 p. 541-546,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    筑後川下流地区は,筑後川の下流域である筑後平野,佐賀平野および白石平野を受益地にする日本最大級の国営土地改良事業であり,福岡・佐賀両県の13市7町村にまたがる40,899ha(完了時)もの広大な地域を対象にしている。筑後川および嘉瀬川ダムに水源を確保し,用水系統の大規模な再編成,クリークの統廃合,アオ取水の合理化,農業用水の安定供給,排水不良の解消,地下水からダムへの水源転換による地盤沈下の防止を図るものである。本報では,本地区の長年の歩みを報告するとともに,技術的な特徴と地域の発展について述べる。

  • 東郷 清次
    2020 年 88 巻 7 号 p. 547-550,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    鹿児島県の農業産出額は,温暖な気候や広大な畑地などの恵まれた環境により全国第2位となっている。一方で台風や豪雨などによる災害が多い上,シラス等の特殊土壌や離島を多く抱えるといった不利な条件も抱えている。そのため,農業用水確保に向けた基盤整備や特殊土壌地帯における農地保全等を中心に,「農地利用・基盤等に関する施策」,「農業災害防止に関する施策」,「農村振興に関する施策」を三本柱として,「競争力の高い農業」,「安全な農村」,「暮らしやすい農村」の実現を目指して農業農村整備事業に取り組んでいる。また,特徴的な事例として,自然の湖をダム水源の代替として活用した事例や,離島における地下ダムの整備事例などを紹介する。

  • 小栗 幸樹, 古藤 新一, 松岡 良司
    2020 年 88 巻 7 号 p. 551-554,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    筑後川下流用水事業は,福岡県および佐賀県の筑後川下流地区約34,000haの農地に筑後川から導水することにより,別途実施された国営筑後川下流土地改良事業,県営ほ場整備事業等と相まって,地区内に散在するクリークの統廃合による大規模な用排水系統の再編成,淡水(アオ)取水の合理化,用水不足の解消を図るとともに,農業の近代化,農業経営の合理化を図ることを目的として実施されたものである。水資源機構は,本事業により建設された基幹施設である揚水機場やパイプラインシステムを管理運用することにより,筑後川下流域の農業の発展に大きく寄与している。本報では,筑後川下流用水事業の役割と効果,農業用水を安定供給するための管理業務の現状と課題について報告する。

  • 瀬戸内 秀規, 仲村渠 将
    2020 年 88 巻 7 号 p. 555-560,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    本報は,亜熱帯島嶼性という地理的条件下にある沖縄県の地勢とこれに伴う農業事情および歴史的経緯について触れ,沖縄返還後に実施された農業農村整備事業を各地のかんがい排水事業による水源開発を中心にして紹介する。また,農業農村整備事業に資する成果を生み出した研究の一部を簡潔に紹介する。今日までに築き上げてきた農業農村整備を土台にして,現在沖縄県では,沖縄ブランドの確立と生産供給体制の強化,赤土等流出防止対策の推進,担い手の育成・確保および農地の有効利用の促進,農林水産技術の開発・普及,農地および農業用施設の保全・防災,農山漁村地域の多面的機能の拡充等の農業農村整備事業を展開している。

  • 阿南 光政, 世戸 直明
    2020 年 88 巻 7 号 p. 561-564,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    佐賀農業高等学校と佐賀大学農学部とで,協働で取り組んだ農業農村工学技術者の人材育成について紹介する。佐賀農業高等学校は農業系高校として全国初で唯一のSGH指定校である。SGHプログラムを佐賀大学農学部の教員が支援する形で始まった高大連携は,ジョイントセミナー,大学での専門講義受講などを通して協働体制を深めてきた。その成果として,農業高校の生徒による農業農村工学会九州沖縄支部大会参加,さらにポスター賞受賞を果たした。一連の取組みは,農業高校の生徒の進学意欲向上に貢献しただけではなく,双方の教員,大学生,農業農村工学会九州沖縄支部といった周囲にも刺激を与え,相乗的な人材育成効果をもたらしている。

  • 白谷 栄作, 金子 俊幸, 井下 恭次, 藤家 亘, 関島 建志, 桐 博英
    2020 年 88 巻 7 号 p. 565-570,a1
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/17
    ジャーナル フリー

    超高齢化・人口減少社会が進行し,農業水利施設の老朽化が顕在化しつつある状況において,限られた財源と人材の中で最適なインフラ維持管理・更新を確実に実施していくことが求められている。本報では,これまでの人力による点検手法に代わる方法として,デジタルカメラを搭載した無人航空機(UAV)による空中写真撮影により,写真画像を用いたひび割れ判読や3次元モデリングソフトウエア(SfM)により作成した3次元データに基づく構造物の変状抽出を行って施設維持管理への適用可能性を検討し,その手法の精度,効率性等について取りまとめた。

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