農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
91 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 柴野 一真, モロゾバ ナデージダ, 島本 由麻, 鈴木 哲也, 伊藤 久也, 千代田 淳, 末松 格太郎, 橘 勇貴
    2023 年91 巻6 号 p. 365-368,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    基幹的農業水利施設の維持管理において三次元データの活用が期待されている。既往技術での農業水利施設の損傷実態の把握が困難であるため,施設の点検や機能診断等の省力化・高度化を目的としたデジタル技術の活用が推進されている。レーザスキャニング計測により得られた点群データはRGB情報に加え,三次元の幾何学情報と反射強度を有している。本報では,レーザスキャニング計測により得られた点群データを用いて損傷が進行したコンクリート構造物の損傷度評価を行い,維持管理への適用性を考察した。また社会実装に向けた取組みとして,点群データから構築できるBIMによる維持管理に関して考察を行った。

  • 島本 由麻, 柴野 一真, 鈴木 哲也
    2023 年91 巻6 号 p. 369-372,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    本報では,材料施工分野における機械学習の適用について解析精度に影響する要因を考察した。機械学習によるひび割れ検出事例から,アルゴリズムの違いにより十分な訓練データサイズが異なることが示され,汎用性のあるモデルの構築には適切な訓練データの量と質およびアルゴリズムの設定を行う必要が示された。今後の課題としては,機械学習を活用した材料施工分野の技術の一般化や規格化に関して議論が必要になると考えられる。

  • 中山 宣洋, 松田 貞則, 工藤 晶子, 久保田 直行, 武居 直行, 藤本 泰成, 髙橋 文緒, 財部 伸一, 笠原 翔, 高岩 庸博
    2023 年91 巻6 号 p. 373-376,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    農業水利施設のうち水路トンネルは一般に施設延長が長く,通水中に施設内部の状態を把握することは困難である。経年劣化や地震等の偶発的な外力,周辺環境の影響要因により施設に損傷が発生すれば,本来機能に影響を与えるほか第三者被害や地域の経済活動に影響を及ぼすため,社会的負荷を回避する必要がある。そこで戦略的な保全管理を実現し,持続的な機能確保や施設事故最小化等の課題解決に向け,機能診断のスマート化を実現するロボット型調査機器の開発に取り組んできた。本報では,その開発経緯,最新調査機器について紹介し,ロボットと人のベストミックスによるDX時代の機能診断のあり方について展望する。

  • 中田 達, 島崎 昌彦, 福重 雄大, 吉瀬 弘人, 吉永 育生
    2023 年91 巻6 号 p. 377-380,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    画像解析を用いて水門の水位とゲート高さを計測するシステムを開発し,ゲート前後の水位・流量等の計測精度の検証を通じ,低コストで構築可能な遠隔監視システムの実用性を示した。九州地方の沿岸地域に実装したシステムでは,降雨イベントに対する排水路の水位変動を,水位・ゲート開度を誤差2cm程度で計測できた。また,スルースゲートを通過する流量の計測精度検証実験では,ゲートの上下動が大きくても画像解析での検出精度は高く,計測精度を厳密に求められない施設であれば,概算値として把握することが可能であることを示した。今後の他地域への展開に向け,関連省庁のガイドライン等への反映に向けた取組みや展望について概説した。

  • 竹下 伸一, 平井 成来, 江藤 節男, 佐藤 峰史
    2023 年91 巻6 号 p. 381-384,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    高千穂町下野地区で実証試験されたICT自動給水栓のうち,山腹用水路の受益水田に導入された4機を対象にサーバに記録された膨大な作動履歴から灌漑回数,灌漑時間,平均取水量などを分析した。その結果,用水路の上流側水田の1カ所で下流側に比べるとルーズな水管理になりがちなことが見てとれた。山腹用水路では幹線水路延長が長く上流優位となり,とくに多くの農家が作業を行う昼間に水管理を行おうとすると,必要な灌漑量の確保に要する時間の見通しが立ちにくいことが明らかとなった。こういう場面では,ICT自動給水栓を利用することにより,水管理に伴う心理的な負担の軽減に一役買うことができるであろうことを示すことができた。

  • 佐藤(金子) のぞみ, 辻 武史
    2023 年91 巻6 号 p. 385-388,a1
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    近年,農業分野においてもWebGISの活用が進められているが,システム規模が大きく高額となることから,大規模事業体が構築・運用することがほとんどである。本報では,三重県の水稲生産者がドローンシェアリングを行うに当たり,生産者自身がWebGISの設計に関わることで,コンパクトで機能性の高いシステムを安価に構築した事例を報告する。WebGISに格納した圃場マップをもとに,利便性の高いアプリケーションを作成し,蓄積されたデータを活用してさまざまな分析を行った。また,個人でドローンを導入した場合とのコスト比較や,シェアリングを継続するための課題について,栽培規模とデータ活用の観点から考察を行った。

  • 木下 幸雄
    2023 年91 巻6 号 p. 389-392,a2
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/03/14
    ジャーナル フリー

    わが国のスマート農業は,技術開発から実証段階に至り,その社会実装が重要な農政課題となる。その検討には,スマート農業“技術”の進歩だけでなく,データ活用や経営形態ごとの適正規模などスマート農業“経営”の展開にも着目する必要がある。本報では,2020年農林業センサスを用いた統計分析にもとづいて,現段階におけるスマート農業経営の展開条件に関する知見を明らかにし,データ駆動型社会の実現に向けた政策的課題について,とくに農業農村整備事業との関連で考察した。農業DXによって,農業経営の適正規模が上昇する可能性が示されたが,それに見合った経営資源配分や農地利用調整計画がスマート農業経営の成否を左右するであろう。

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