間なわに關する農業部門の需要は農地・林野・作報の諸官廳をはじめ, 學校や農村の技術機關にもゆきわたつて, 簡單な測量具として最近とくに高く評價されるようになつた。それだけに, 多くの種類の間なわが出揃つて市販されている。こうしたとき, 各種の間なわを集める1つの機會をえたので, 以上のごとくとりまとめてみた。
簡單に要約すれば, つぎのごとくである。
(1) 間なわの把手部はいろいろ工夫が施され, 現在は測地操作に使利なよう, 廻轉式の把手が支配的である。把手の資材は眞鍮による肉厚の薄いものは, 測地中の牽張力で破かいする。
(2) 間なわの種類は,現在の市販をみると11種類ある。各間なわとも,メーカーによりそれぞれの特徴はあるが, 麻類を蕊糸とし, 綿糸や麻を被覆糸としたものにまとめられる。牽張力に甥する補張物としては, 鏑線テグスがあり, 防濕用としてパラフィン加工が行われている。
(3) 被覆糸は實驗に對する抵抗で大凡その良し, 悪しが決定されてしまう。實駿によれば, パラフィン加工をした亜麻が強く, ラミーがこれにつづき,普通の距麻, 綿糸は弱い。同一のラミーでも番手の太いもの,密度の大きいものほど張度の高い傾向を示した。
(4) 蕊糸はマニラ麻がもつとも強く洋麻, 黄麻がこれにつづき, 同一のマニラ麻でも, 番手の太さによつてちがい, また, 伸度は撚り數の少いほど低い傾向を示した。
(5) 普通状たいにおける問なわは破かい張力が, A・B・E・J・伸度はD・E・F・Jがすぐれている。浸水時における間なわは, 破かい張力が普通状たいの場合よりも急激にまして強くなり, 伸度についてはA・B・Jがすぐれていた。
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