農業土木研究
Online ISSN : 1884-7218
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28 巻, 2 号
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  • 農業土木学会伊勢湾台風災害対策特別委員会
    1960 年 28 巻 2 号 p. 59-81
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    (1) このたびの伊勢湾台風により, 同湾沿岸部は長期間湛水することとなりましたが, この地域の大部分はもともと海面下であって, 干拓により旧幕以来今日まで次々と陸化されてきた土地であります。
    しかしながら西表日本のチュウ積平野の大部分が干拓により造成された土地であり, 穀倉地帯となっている事実, さらに農民の干拓に対する強い要望や最近の農地潰廃の激化傾向等を考えますと, 国土の開発保全のため干拓事業は今後とも時代の推移に適応した合理的な計画設計にもとづき, 積極的に推進すべきものであります。
    (2) 干拓堤防は従来その農地造成という経済効果のみを対象として計画されてきましたが, 実際にはこのような堤防が背後の広い平野部の農地および都邑を護る極めて重要な役割をになわされていたのであります。従って今後の干拓事業の経済効果は単にその干拓地の農業上の効果だけでなく, 干拓による国土造成, 背後地をも含めた国土保全等総合的効果を合せて評価されるべきであります。
    (3) 干拓地の安全を確保することは.干拓建設の絶対要件でありますから, その積極的な一方策としては堤防の複線化 (複式干拓方式) や海岸保全効果を加味した総合的な干拓計画の採用が望ましいと考えます。
    (4) このたびの大災害をひき起した堤防決壌の主原因は, 台風による予期しなかった異常高潮と波浪でありますが, 堤防の設計, 施工についても, これを機会に改めるべき事項は少なくありません。堤防設計の基礎条件としての高潮, 波浪に関する観測, 調査, 実験, 研究の立ち遅れを克服するとともに干拓堤防築造に必要な工事材料施工法等に関し, 更に研究を加えることが必要であります。
    (5) 上記の調査研究を進める一方, さしあたっては, 本文にも述べておりますとおり, 今回特にその不足が目立った堤高を高め, 堤防断面形, 被覆工等はなお充分検討の上決定すべきであります。すなわち堤防の高さは原則として越波をおこさせないだけの高さでなければなりません。万一設計に採用した気象海象の基礎数値を越えるような不測の事態が発生し, 越波を許すことがあっても破堤はしないように, 構造についても充分に考えるべきであります。
    (6) 干拓地は一般に海岸堤防のみでなく, 河川堤防および入江堤防によって, かこまれたデルタ地帯でありますが, 河川堤防, 入江堤防の決壌によって被害を受けた例が少なくありません。これらも干拓堤防に準じた設計条件によって計画されるべきであります。
    (7) ポンプ場は地区内が湛水しても, ポンプ, モータ, エンジン等の機械類が水没しないよう, 高さ, 防水施設につき検討を加えるとともに, 上屋も鉄筋コンクリート造とするのが望ましく, また停電事故にご備え予備動力を兼備するのがよいと考えます。
    (8) 今回の災害にあたり特に遺憾なことは, 入植者に多くの犠牲を出したことであります。台風時期の水防のための施設と組織を完備するとともに, 今後万一堤防が決壌しても, 犠牲者が出ないよう避難, 通報等の緊急措置および村落, 公共施設 (避難所を含む) 等の配置, 構造についても充分検討すべきであります。
    (9) 旧干拓地が都市化するに従い, そこに居住する人々はもし堤防が決壊すると, その土地が海面と化す危険なところだという認識が薄れてしまっていますので, このことに対する関心を持続させるよう啓発する必要があります。
    (10) 第1線堤防は, 決壌しても背後の第2線堤防の危険を回避し, または緩和して背後地の災害を防止軽減することに著しい効果がありました。また第2線堤防は, 第1線堤防と合わせて二重の防壁となって, 背後地の安全度をより高めることに役立つものでありますから, 第1線堤防とともに第2線堤防の機能も低下させないよう, その維持管理についてはすみやかに適切な方式を確立すべきであります。
  • 宮崎 正衛
    1960 年 28 巻 2 号 p. 82-86
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
  • 高田 雄之, 藤川 武信, 戸原 義男, 南 信弘, 植田 昌明
    1960 年 28 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
    In this paper, waves against the new planned sea dike of Nabeta Polder were studied in the wind wave channel of our laboratory. In the repairing plan of the dike, its slopes are intersected by a 1 : 15 long berm, as shown in Figs. 1 and 2. The results indicate rapid decreasing of run-up height of wave, when the mean water level becomes low under the berm. If the wave conditions at the time of the Ise-bay typhoon were such that wave height, period, length and mean water depth were 2.6m, 7 sec, and 6.00m, (T. P. +4.70m) respectively, it would be predicted for such conditions from the model experiment that the mean value of run-up would be T. P. +7.50m, i. e., 2.8m above M. W. L. and the maximum value would be over T. P. +8.00m or 3.30m above M. W. L., that is, overtopping due to some waves might occur on the top of the dike (T. P. +8.00m) on type I, and that the maximum value of run-up would be T. P. +6.70m or 2.00m abve M. W. L., that is, overtopping due to any wave in the above conditions would not occur on type II.
    On pressure under wave action, the maximum pressure would feel at a certain point on the slope below M. W. L., and the value could be inferred about 12 tons per square meter for both types, I and II.
  • 1960 年 28 巻 2 号 p. 94-96
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
  • 1960 年 28 巻 2 号 p. 96-97
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
  • 出口 勝美
    1960 年 28 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
  • 作間 虔二
    1960 年 28 巻 2 号 p. 104
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
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  • 小泉 静雄, 那須理 三郎
    1960 年 28 巻 2 号 p. 105-107
    発行日: 1960/08/10
    公開日: 2011/03/09
    ジャーナル フリー
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