逆解析がどのような方法であり, 土質工学あるいは地盤工学の分野でいかなる役割を果たしているかについて述べた。まず, その定義にふれ, 現場観測から何を求めようとしているか, また, そこでは, どのような立場にたって逆解析を行うかに重点をおいた。次に, 方法分類という観点の下で従来の研究を総括した。従来からの分類に若干の混乱があるので, 分類の規準や内容を整理し, また, 実際に逆解析を実行することができるように, 具体例に沿いながらその手順を説明した。事例は原位置での載荷試験を想定したものであり, 地盤中の弱層を探査する仮想的なものである。最後に, 逆解析のもつ問題点や今後の方向についても言及した。
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