旧来の水田を大区画水田に整備する事業の目的は, コメの生産に大型機械を導入し, 作業能率を高め, 大規模経営の有利性を実現し, 生産コストを削減することにある。それと同時にコメ生産の社会経済的な構造を改善することにある。
近年の農業を取巻く社会経済的諸条件の変化, すなわち, 農業後継者の不足, 経済の国際化, 貿易黒字の累積, 農業保護政策の再検討などを契機として, コメ生産において, 個別完結型あるいは共同型の経営規模拡大の動きがみられるようになった。大区画水田に整備する事業は, この動向を促進する役割を持っている。
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