冬期寒冷な地域では, 土壌凍結や凍上の被害が重大であったが, 凍結した土壌の利点を利用し, その冷熱エネルギを利用した人工永久凍土の低温貯蔵庫を開発した。
自然の寒冷気温を効率よく地面に伝達する熱伝素子, ヒートパイプを利用し, 帯広畜産大学構内にモデルプラントを構築し, 1987年12月から実験を始めた。その結果, 完全に永久凍土が造成され, システム内の貯蔵庫内温度は, 最暖月でも50℃ 程度であり, 貯蔵馬鈴薯の保存状態は極めて良好であることが判明した。ランニングコストを要しない新しい貯蔵庫は, 省エネルギ対策や地球環境保全に有効であり, 今後は種々の野菜類の貯蔵実験を続けると共に, 建設コストの低減が期待される。
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